京都嵐山の渡月橋そばに、嵐山よしむらという店名の人気蕎麦屋があります。平成14年1月の創業とお店自体は歴史が古いわけではないのですが、明治時代の日本画家・川村曼舟が自宅を構え、北大路魯山人や横山大観など多くの文人が集い遊んだ場所にお店を構えており、その由緒ある場所でのランチを目当てに連日多くの観光客でごった返すお店です。
そんなお店で文化人を気取って蕎麦をすするのもいいなぁ…と思い、とある平日の開店時間を狙ってお店に向かいました。当日はあいにくの雨だったのですが、やっぱり混雑ぶりはすごかったですね…
系列店の豆腐料理 松ヶ枝と共通のランチメニューを提供…嵐山よしむらはこんなお店
僕が嵐山よしむらに到着した時にはすでにお店は開店していて、店頭に20人ほどの先客が行列を作っているところでした。「平日で雨の日なのに、すごい人気だなぁ…」と驚きましたね。正直、ここまでの人だかりになるとは想像してませんでした。「最低30分は待ちそうだな…」と、出遅れたことを少し後悔しながら行列の最後尾に加わりました。
でもその数分後、僕は店員さんに声をかけられて、列から外れて別の場所へ行くように言われました。指定された移動先は、同じ敷地内の「豆腐料理 松ケ枝」というお店。「いや、豆腐を食べに来たんじゃないんだけど…」と少し困惑したのですが、店員さん曰く「松ケ枝でも嵐山よしむらのお蕎麦が食べられる」とのこと。その一言を聞いて安心して松ケ枝に入店しました。
どうやら、同じ系列店であり、かつ同じ敷地内で営業している嵐山よしむらと豆腐料理 松ケ枝では、どちらに入店しても両方のランチメニューを食べられるようになっているみたいです。なので、逆に言えば嵐山よしむらに入店しても豆腐料理 松ケ枝の料理が食べられるということ。これって何気にすごく便利じゃないですか?僕のような食いしん坊にとっては、お蕎麦も豆腐料理も一緒に楽しめるわけで…
残念ながら今回、嵐山よしむらの方への入店は叶いませんでしたが、松ケ枝でもきれいに整備された和風庭園を眺めながら優雅な時間を過ごせて満足でした。ちなみに食べログによると、客席数は嵐山よしむらが50席、豆腐料理 松ケ枝が72席とのことです。
日本を代表する美食家・北大路魯山人も訪れた旧川村曼舟邸内で、嵐山よしむらの人気メニュー・にしんそばを食す
それでは今回僕が注文した、嵐山よしむらの人気メニュー・にしんそば(お値段 税込1540円)をご紹介しましょう。画像はこちら…
上の画像で伝わるかどうかわかりませんが、器がかなり大きめでかなりボリュームがあるように見えます。その器から広がってくる削り節系の出汁の香りがすごい…しばらくそのまま出汁の香りを嗅いでいたくなります。
でも、そんなことをしていたらあっという間にそばが伸びてしまうので、実食へと参りましょうか。そばは他店のそばよりも若干細めの印象。茹で加減が柔らかめでスーッと噛みきれます。口の中で蕎麦の香りふんわり鼻に伝え、その後何の抵抗もなくスルスルと喉元を通り過ぎていき、最後に出汁の香りを後ろから鼻に向かって広げてきます。
そのお出汁ですが、見た目にすごく透明感があって、味も京都の他のお蕎麦屋さんと比べても薄味でした。それでも出汁感はものすごく、加えて上品な甘さも感じます。「京都だなぁ…」って、しみじみ感じられる出汁ですね。油断していると一気に飲み干してしまいそうです。
そして、トッピングの身欠きにしんも、それほどこってり煮込まれていない感じです。なので、長時間お出汁の中に放置しておいても、タレがお出汁に染み込んで味が変わってしまうようなことはありません。ニシンの身も柔らかめになっていて、歯が弱い人でも普通に食べられそう。ただ、ほんの少しだけど、ニシン独特の臭いがあるので、ニオイに敏感な人にはキツいかもしれません。
こんな感じの嵐山よしむらのにしんそば、全体的にかなり上品に作られている印象がありました。ある意味、一般的な京都のイメージに近い味じゃないでしょうか。その意味では、観光客にすごく人気があるのはよくわかる気がします。日本庭園を眺めながら店内でゆったり過ごせるのもすごくいい感じ。嵐山観光中の休憩を兼ねてのランチ利用にはすごくおすすめです。
嵐山よしむらのその他のそばメニュー例(値段は税込)
- 穴子天そば(温 or 冷) 1820円
- 鴨南蛮そば(温) 1820円
- 鴨汁そば(冷) 1720円
- 海老天そば(温 or 冷) 1540円
- とろろそば(温 or 冷) 1300円
- おろしそば(温 or 冷) 1300円
- 二八そば(温 or 冷) 1030円
京都市内で他にも3店舗運営…嵐山よしむらへのアクセスは、最寄り駅の京福電鉄・嵐山駅から徒歩3分
そんな嵐山よしむらですが、烏丸五条の「そばの実よしむら」、北山駅近くの「よしむら北山楼」、四条烏丸の大丸内にある「よしむら大丸京都別邸」と、本店の他に京都市内で蕎麦屋を3店舗運営しています。どのお店も交通に便利な立地にあるので、京都で美味しい蕎麦を食べたくなった時にはぜひご利用ください。ちなみに、「そばの実よしむら」と「よしむら北山楼」では大晦日も夜営業をしているので、年越し蕎麦を食べられるお店としても有名です。祇園四条の総本家にしんそば 松葉本店と合わせて、年越し蕎麦のお店として覚えておくのも良いかもしれません。
それでは、お店の詳細です…
JR山陰本線・嵯峨嵐山駅からだと徒歩12分で行けます。
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