東京では朝から営業している立ち食い讃岐うどん店・おにやんまが讃岐うどんファンの間ですごい評判になっていますが、探してみたら大阪にも立ち食い讃岐うどん専門店、ありました。そのお店は、大阪のビジネス街・本町にあるUdon Kyutaro(うどん キュータロー)。2017年10月の創業で、店主は香川県高松市にある「うどんバカ一代」や丸亀市の「純手打ちうどん よしや」といった名店で修行を積まれた人なのだとか。
ならば、きっとここに来れば本格的な讃岐うどんが食べられるんだろうなぁ…と期待して、とある平日の朝の時間にお店を訪問。大阪では久しぶりの立ち食いうどんに心を躍らせて本町に着いたのですが…
お店の場所がとってもわかりにくいので要注意…Udon Kyutaroはこんなお店
僕がこの日にUdon Kyutaroに到着したのが午前9時頃。お店の場所が分かりにくかったですね…まだ一般の店舗が開店していない時間帯、たくさんのシャッターに紛れてポツンと入り口を開いている感じで、Googleマップを見ながらお店を探したにも関わらず、あっさり素通りしてしまいました。
シャッターに紛れているのもありますが、お店自体がとっても小さいので、初めての人には特にお店の場所を見つけづらいのではないでしょうか。店舗は御堂筋から東へ2本「丼池筋」を本町駅側から心斎橋に向かって南下した左側にあるので、左側に目を凝らしながら歩いていくと良いですね。
お店の入り口をくぐると、手前側にアイランド形式の立ち食いカウンターが10人分、奥にレジと厨房があって、東京にあるラー油そばの名店・港屋2のファサードにすごく近い印象を受けました。でも港屋2よりもさらに客席が狭く、うどんをすすっているお客さんの後ろを通り過ぎるのも一苦労。完全に周囲のビジネスマンを対象にしたお店の印象で、大きな荷物を抱えた旅行客や、小さな子供連れの家族客にはかなり使いにくいんじゃないでしょうか。
ネーミングがなかなか個性的なUdon Kyutaroの讃岐うどんメニュー、お値段はちょっと高めだけど、実際食べてみると…
そんなUdon Kyutaroの店頭に立てかけてある讃岐うどんメニューはこんな感じ…
店頭に立てかけてあるメニューを見て、その個性的なネーミングにちょっと面食らいましたね。一番目立つ左上の上には、宮崎ブランドポークを使用した人気メニュー・ABURIが紹介されているのですが、僕はこれを見て東京・神奈川で大活躍中の超人気ラーメン店・AFURIを思い出しました。いや、別にそういうネーミングがあっても全然良いんですけど、何となく「これは狙ってやっているんじゃないか?」と勘繰ってしまいたくなります。
他のメニューを眺めていると、讃岐うどんの標準メニューである「かけ」や「ぶっかけ」が一杯450円と最安値。おにやんまと比べると値段はちょっと高いですが、ワンコインで美味しい讃岐うどんが食べれられるとしたら十分許容範囲内の価格設定じゃないでしょうか。讃岐うどんの他にはサイドメニューで天ぷらやおにぎりなどがありますが、特に天ぷらはどれを追加してもお値段 1個100円の良心価格。このお値段だとかけうどんに天ぷらをガッツリ注文して食べたくなってしまいませんか?
Udon Kyutaroの讃岐うどんメニュー例(値段は税込)
- あさキュー(温) 450円
- キツネのキュータロー(温 or 冷) 550円
- 温玉ぶっかけ(冷) 550円
- すだちひやひや 700円
- めかぶとろろ 850円
- 肉スラ 900円
- BombのAB/DC(エビ出汁) 900円
ABURI
それでは、今回僕がUdon Kyutaroで注文した讃岐うどんメニュー2品を順にご紹介しましょう。まずはUdon Kyutaroの一番人気メニューであるABURI(お値段 税込850円)。レジで注文してカウンター席で待っていると、店員さんがうどんの入った丼を席まで運んできてくれます…
目の前に運ばれてきたABURIはこんな感じ。丼の奥側にトッピングされた豚肉がなかなかワイルドですね。そうそう、このABURIはかけうどん(ぬる or 温)かぶっかけうどん(冷 or 温)の4パターンからお好みを選択できるのですが、今回僕はぶっかけうどんの冷にしています。
まずはうどんを1本引っ張り出して、つけ麺の時のようにうどんだけを口に入れてみます。麺の太さは若干細めの讃岐うどんって感じで、太さが不揃いなところが手打ち感を醸し出していいですね。噛むと強いコシというよりは、弾力のあるもちもち食感がメイン。表面が滑らかで喉越しも良好。ただ、しっかり冷水で締め切れていないところがあり、所々で温度にムラがあるのはちょっと残念だなぁ…
続いて、このうどんに香川県産の出汁醤油を回しがけして、うどん全体に馴染ませてからいただきます…この出汁醤油、かなり甘味が強いです。その一方で、出汁感はあまり強くないかなぁ…この醤油を1周半くらい回しがけするとちょうど良いくらいの味つけになります。セルフサービスの刻みネギや生姜、ゴマなどを追加して、お好みの味に調整してもちもち讃岐うどんをお楽しみください。
最後にトッピングの豚肉ですが、よく見るとメニュー名通りに炙られた豚バラ肉と煮込んだもも肉の2種類ありました。バラ肉ももも肉も余計な脂が抜けていて、思ったよりさっぱりと食べられます。炙りバラ肉の香ばしさに加えて柚子胡椒の清涼感ある刺激が食欲をそそりますね。ただ、僕個人的には、2枚とも炙り豚バラ肉の方がABURIの名により相応しくてよかったのになぁ…と思いました。
玉バター
先ほどのABURIだけでは胃袋が満たされなかったので、追加で注文したのが玉バター。本来お値段 600円のところを、2杯目なので50円引きの550円にしてくれました。
出てきた玉バターはこんな感じ。卵黄とバターがトッピングされ、表面に黒胡椒が振られているところなんかを含めて、パスタのカルボナーラっぽく感じるのは僕だけでしょうか?
まずは、卵黄とバターを全体になじませるようにかき混ぜてからいただきます…まあ、これは卵黄+バター風味の想像通りの味。表面がちょっとねっとりした独特な食感に加えて、鼻に漂ってくる黒胡椒の刺激的な香りを楽しめます。ABURIとは違って今回は温うどんなので、もちもち感が一気にグレードアップ。かなりふわっとした噛み心地で、そのままうどんと一緒に天に昇るかのような気持ちになれます。
ただ、明らかに塩味が足りないので、このままの状態で最後まで食べるのはちょっときついかな。ここに適度な塩味があれば「カルボナーラ風うどん」としても立派に成立しそうですが…
というわけで本来の食べ方、出汁醤油を回しがけして再度実食…うん、やっぱり塩味必要ですわ。醤油の量はABURIの時から少し多めに、2周くらいがちょうど良いように思います。でも、この出汁醤油はかなり甘口だし、醤油の風味も加わるので、最終系はカルボナーラとは全然違う食べ物になりますね。醤油を加えることで味が一気に和風に戻されて、「バター風味の温玉ぶっかけうどん」といった感じで落ち着きます。
さて、この玉バターを完食した後に店員さんに声をかけると、このように「出汁割り」としてうどん出汁を追加してくれます。このお出汁、結構いりこ出汁が濃厚ですね。バター風味に負けず、いりこの香りがぷんぷん漂ってきます。それに加えて出汁の熱で卵の成分が固まって、口から喉を通る時に柔らかくプルプルした面白い感覚を楽しめます。うどんを食べ切って胃袋に余裕があれば、この出汁割りはぜひ試してみてください。
というわけでUdon Kyutaroのオリジナル讃岐うどん2品をご紹介しましたが、さすがのうどんのクオリティながら、やっぱり立ち食いうどんとしては値段が若干高めなのがネックかなぁ…駅の立ち食い蕎麦屋のような使い方は僕にはできないですね。僕の中の印象としては、しっかり手をかけて作られた讃岐うどんを立ち食いスタイルで食べる店って感じかなぁ。朝食としては少しリッチになる気がしますが、ビジネスマンのランチとしては近くの本町製麺所と並んで絶好のお店だと思います。
関西にも立ち食い讃岐うどんの文化が広がるといいな…Udon Kyutaroへのアクセスは、最寄り駅の大阪メトロ(御堂筋線・中央線・四つ橋線)・本町駅から徒歩3分
こんな感じのUdon Kyutaro、東京のおにやんまと比べてやや価格設定が高めなのが難点ではありますが、関西では数少ない立ち食い讃岐うどん専門店として貴重なお店であることは間違いありません。このお店や京都のつくもうどんなどを中心にして、関西でも立ち食い讃岐うどんの文化が広がっていくといいのになぁ…
今回ご紹介したUdon Kyutaroの他に、大阪や京都で立ち食い讃岐うどんの店はないでしょうか?もし他にいいお店を知っていたら、下のコメント欄でそのお店を紹介してもらえるとすっごく嬉しいです。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
Udon Kyutaro (うどん / 本町駅、堺筋本町駅、心斎橋駅)
昼総合点★★★★☆ 4.0
住所:〒541-0056 大阪府大阪市中央区久太郎町3丁目1−16 102南 丼池繊維会館
電話番号:080-2516-2680
営業時間:7:00-10:00、11:00-15:00
定休日:日曜日
駐車場:なし
クレジットカード払い:不可(現金払いのみ)
P.S. 大阪で美味しいうどんをお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
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