ネットや雑誌で沖縄そばのランキングに必ず載る「首里そば」というお店があります。2018年にファミリーマートが数量限定でカップ麺を出していたので、もしかしたらあなたもファミマで見たことがあるかもしれません。
この首里そばについてちょっと調べてみると…1951年から1993年まで首里で営業して伝説となった「さくら屋」という沖縄そば屋さんがあって、この店のそば打ちの技術を正式に継承した貴重なお店とか。ここが、あえて首里そばと名乗り、他の沖縄そばとの違いをアピールする所以でしょうか。それはともかく、何となく沖縄そばの歴史を感じるこのお店、気になって行ってきました…
首里そば|沖縄そばだけでなく煮付けも絶品!100食限定でランチタイムに売り切れ必至の、首里城近くの人気店
その首里そばですが、開店前から行列をつくる人気店であるだけでなく、毎日100食限定なのだとか。なので沖縄到着の当日に食べたければ、それに向けてスケジュールを組まなければなりません。
東京や大阪から朝一番の飛行機で那覇空港へ向かうと、那覇空港着はだいたい9時から10時頃。那覇空港から首里そばまでは、ゆいレールを使って約30分。これなら開店時間には何とか間に合うでしょうか。
というわけで、大阪から朝一番のANA那覇行きに乗って沖縄へ。10時半ころに那覇に着陸し、そこからゆいレールに乗り換えて真っ直ぐ首里そばに向かうと…
11:30の開店直前に到着したのですが、意外にも行列なし…というか、この日はたまたま(?)少し早く開店していたようで、もうお客さんの1回転目が首里そばにありついていたのです。僕もほとんど待ち時間なく入店。とは言え、僕が食べ終わって店を出る頃には、入店待ちのお客さんで行列がしっかりできていました。
広々とした店内にはカウンター席が4脚にテーブル席、座敷席で客席は合計24席分。快活なお母さんが1人で客席を仕切って、注文を取りにいったり、料理を運んだりと動き回っています。
沖縄そばのメニューは三枚肉とロース肉が入った「首里そば」一択。成人男性なら一回の訪店で全品制覇も可能
沖縄そばと言えば、豚肉のトッピングによってスペアリブのソーキそば、三枚肉のラフテーそば、豚足てびちそばなどの種類がありますが、首里そばの提供する沖縄そばは三枚肉が入った首里そば一択。せっかく沖縄そばの有名店に来て、どの沖縄そばにしようか迷う必要はありません。
というか、首里そばの大・中・小のバリエーションも含めて、総メニュー数はたったの8種類。成人男性なら、旅の思い出に首里そば全メニュー制覇も全く夢ではありません。
というわけで、僕も今回、首里そば全メニュー制覇を試みることに心は決まりました。普段なら首里そば(大)を頼むところですが、ここを(中)にしておいて余った胃袋のスペースを煮付けとおにぎり、じゅうしい、デザートの氷ぜんざいに使うことに決定〜。
首里そばのメニュー一覧
- 首里そば(大) 600円
- 首里そば(中) 500円
- 首里そば(小、子供向け) 400円
- 煮付け 450円
- おにぎり 100円
- 煮付けとおにぎり 500円
- 氷ぜんざい 250円
- じゅうしい(沖縄風炊き込みご飯) 200円
首里そば(中):毎日売り切れ必至の一杯…その秘訣は毎日7時間かけて行う麺の仕込みにあり
では早速、首里そばからご紹介することにしましょう。画像は(中)サイズですが、これで普通のそばのサイズです…
真っ白で形の不揃いな平打ち麺に、トッピングは三枚肉が2枚、白かまぼこ、刻みネギ、そして沖縄そばでは珍しい針生姜。一般的に使われる紅生姜の方が見た目に華やかですが、針生姜もスープが赤く濁らず良いですね。
まずは噂の麺ですが、かなり歯ごたえの強いゴワゴワな麺です。コシの強さは相当なもので、ツルツル飲み込んでいくようなラーメンの麺とは違い、しっかり噛み砕いて食べるような麺。麺の太さが全然違うものの、しっかり歯ごたえを感じながら食べ進めるところは、ある意味讃岐うどんに通じるものもあるかもしれません。
この麺、なんでも毎日早朝4:00から7時間もかけて仕込むんだそうですね。朝の4時から7時間というと、ちょうど開店前の11時。首里そばにとって、この麺がどれだけ大切な存在かがよくわかります。
トッピングの三枚肉は、脂身がとろっとろ。沖縄県産の豚肉を泡盛を使ってじっくり煮込んであり、赤身の部分は口の中でほろほろ解れ、脂身の部分はとろっと溶け出して、うっとりするような美味さ。丼の中で唯一、醤油だれでしっかり味付けされており、あっさりしたそば全体で味のアクセントとしても働いています。
もし「薄味でちょっと物足りない…」という場合には、テーブル備えつけの「コーレーグスー」をお試しください。島唐辛子を泡盛に漬け込んだもので、少量かけるだけで味が一気に味が引き締まりますよ。
煮付け:豚肉や島豆腐でボリューム満点の煮物…首里そば抜きでおにぎりやじゅうしいとの組み合わせも相性バッチリでおすすめ
次にご紹介するのが、こちらの煮付け。三枚肉2枚にロース肉、大根、いんげん、椎茸、島豆腐…お値段450円なのに、こんなにボリューム満点です…
豚肉の煮汁が多くしみ出したせいか、お出汁の味は首里そばの出汁よりやや甘め。具材の1つ1つが大きくカットされており、側に白いご飯があればこれだけで食事が完結するほどの存在感です。
大根がシャキッとした歯ごたえを残す程度の煮付け具合。濃厚な島豆腐が口の中でとろっと溶け出します。この煮付けは、じゅうしいでもおにぎりでも、ご飯ものと一緒の注文をおすすめします。首里そばと一緒でも良いですが、ご飯と一緒に食べることで持ちうる美味さを最高に発揮するものと、僕は思います。
おにぎり:アンダンスー入りのほっこりする味。そのまま食べてもいいけれど…
さて、煮付けと一緒に注文した、こちらのおにぎりですが…
手に持って食べようとしたらおにぎりの形が保てず、ご飯が崩れていきそうになりました。それほど柔らかくにぎられているので、おにぎりを小皿の上に置いたまま、箸を使って食べることにしました。
このおにぎり…中を割るとアンダンスー(油味噌)が。甘味のある味噌味で、そのままご飯と一緒に食べてもほっこりとします。でも、やっぱり煮付けと一緒が美味いです。やっぱり煮物にはご飯がセットでないといけません。
じゅうしい:薄味の沖縄風炊き込みご飯…煮付けには最高のお供
あれだけのボリュームの煮付けを完食するには、おにぎり1つでは足りません。元々全メニュー制覇の予定でしたが、おにぎり完食後に追加でじゅうしいの注文となりました…
豚肉と昆布、にんじんが混ざった沖縄風炊き込みご飯。この炊き込みご飯も、他のメニューにもれず薄味で控えめな感じ。だから、やっぱり煮付けに合うんです。もう、最高のお供ですね。
今度来ることがあったら、じゅうしいと煮付けで「煮付け定食」みたいにして食べてみようかな。じゅうしいをお代わりしても、1000円札でお釣りがきますしね。
氷ぜんざい:濃厚な金時豆の餡ときめ細かいかき氷のコラボレーション…真冬でもかき氷が食べられるのは、常夏の沖縄ならでは
最後にデザートの氷ぜんざい。真冬でもかき氷を食べて美味しいのは、常夏の沖縄ならではですね…
器からそびえ立つかき氷の山。ぜんざいはこのかき氷の下に隠されていて、氷の山を崩しつつ下のぜんざいと混ぜながら食べ進めていきます。
金時豆がたっぷりと入った餡の中に、白玉団子が2つ忍ばせてあります。濃厚な金時豆餡が氷でちょうど良い感じに薄まり、適度な甘さを口の中に残して喉をスルリと通過。食べ終わる頃には食後でほてった身体がクーリングされ、暖かい外に出て行く準備が整いました。
…という感じで、予定通り全メニュー制覇。これだけ食べて総額が1500円弱ですから、値段的にも文句のつけようがありません。
首里そばでは通販もやっています…お取り寄せは専用のホームページからどうぞ
首里そばではありがたいことに通販もやっていて、東京や大阪、京都など全国各地に麺とスープ、三枚肉セットで、1人前から配送しています。麺はすべて手打ちのため大量には作れず、週100食限定など制限はありますが、わざわざ沖縄まで行かなくても自宅で首里そばを楽しめるのは大変喜ばしいことですよね。もし興味があれば通販専用のホームページがあるので、こちらをのぞいてみてください。
国際通り近くの県庁店は残念ながら閉店したらしいです…首里そばへのアクセスは、ゆいレール・首里駅から徒歩5分
そんな首里そば…以前は沖縄県庁の中に支店(県庁店)を出していたらしいですが、残念ながら今は閉店となってしまいました。本店へは国際通りからちょっと距離があるので、平日限定とは言え沖縄県庁の中で同じ味が楽しめれば、僕たち観光客にとってどれほど助かったか…残念ですが、復活を願うしかありません。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
P.S. ここも沖縄の郷土料理を楽しむにはおすすめです…
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