関西では珍しい新潟・燕三条系煮干しそばを提供するお店として人気の麺屋八海山。ランチタイム3時間のみの営業で、麺やスープがなくなり次第閉店してしまうという訪店のハードルの高さもあって、店の前には平日でも常に行列ができているんだとか。
その麺屋八海山のことは僕もずっと前からマークしていたのですが、なかなか訪店のタイミングが合わなかったんですよね。その後だいぶ経ってからようやく訪店の時間が取れて、開店前からお店の前で並ぶべくJR高槻駅で電車を降りたのですが…
悪天候なのにさすがの行列…高槻の人気ラーメン店・麺屋八海山はこんなお店
僕が麺屋八海山を訪れたこの日は、あいにく結構な雨が降っていたんですよね。並ぶのが嫌になる感じ。傘をささなきゃいけないので、周りの人への迷惑になるし…
そんなことを気にしながらお店に到着したのが、開店時間の約40分前。さすがにこの時間なので僕は1番乗り。この日1番最初に麺屋八海山のラーメンにありつけることが確定しました。
で、それとは別に嬉しかったことがもう1つ。お店の入り口と道路との間には数mのスペースがあるのですが、ここにテントが貼ってあって、中にスツールが5脚。早めに来店した人は、傘をささなくてもいいわけです。これはありがたい。椅子に座って両手が使えるので、待ち時間に本を読んだりノートPCを使って作業したり…雨の日の行列待ちの憂鬱が一気に吹き飛びましたね。
そのスツールに座って、持参の本を広げて待ち時間を潰していると、徐々にではありますがお客さんが雨の中集まり始めます。開店時間頃には行列は20人弱くらいになっていましたか…平日の昼間、しかも雨の日でこれだけの行列を作るなんて、噂通りの集客力ですね。お客さん層は若者より年配の方が多く、ラヲタというより地元の人に愛されているラーメン屋なのかもしれません。
この日は予定の開店時間より約10分遅れて開店。お店の奥に向かって一直線に10脚あるカウンター席の一番奥に案内されます。座った席の目の前には、冷蔵庫に貼られた食べログ百名店など受賞歴を表す数々のステッカーが…
店員さんはご主人と思われる男性と女性店員の2名。ラーメン店にありがちなチャキチャキした雰囲気はなく、2人とも落ち着いて仕事をされていて、時折笑顔も見られます。そんなわけで、女性が1人で訪問しても安心してラーメンをすすれる一方、急いでいる時には別のお店の方が良いかもしれません。
麺屋八海山のラーメンメニューは煮干そば1本だけ…ラーメン激戦区の高槻で人気を保ち続けるそのラーメンのお味はいかに?
そんな麺屋八海山のメニューは…
これが全て。ラーメンは煮干そば1本で、そこに大盛りと味玉トッピングのオプションで4通りの注文ができるようになっています。もう1つのフードメニューである白ごはんは、煮干そばの麺を完食した後に雑炊風にして食べるために存在しているんだそうな。
そんなわけで、今回はメニューを前にして悩む必要はありません。注文は大盛煮干そばに味玉トッピングで、お値段 税込1350円。注文してから待つこと10分ちょっと、待望の大盛煮干そばが目の前に着丼となりました…
スープが丼の縁辺りまでなみなみと注がれています。女性店員さんが丼を運ぶの、大変そうでしたね。背脂が浮かぶスープの中に、トッピングは味玉1コと豚バラチャーシュー3枚、中央にドカッと盛られたシャキシャキ刻みネギもインパクトありますね。
では、早速スープからいただきましょう…見た目より醤油味は薄めで、背脂からの甘みをほんのり感じます。その一方で煮干しの出汁はしっかり効いていて、出汁だけではなく独特のえぐみもスープに乗り移っています。
京都にあるセアブラノ神で以前食べた背脂煮干そばと比較しても、醤油味と背脂の濃度はかなり抑えられている印象があります。新潟燕三条系の煮干そばが元々肉体労働者向けに提供されていたラーメンであることを考えると、麺屋八海山の煮干そばは新潟燕三条系煮干そばの入門バージョンという位置付けがいいかもしれません。
ちなみに、スープは最初甘口なんですが、丼の底に刻み生玉ねぎが沈んでいる関係で、後半徐々にピリ辛になってきます。こうしたさりげない味変は今時のラヲタにも喜ばれそうな感じがします。
さて、一方の麺は、お店奥の製麺室で製麺された全粒粉入りの極太平打ち麺。太さが不揃いで手打ち感があって、時間をかけて柔らかく茹でているのでワシワシというよりはぷりぷりモチモチといった食感です。
トッピングの主役・豚バラチャーシューは、噛んだ時の弾力を残した肉肉しさを感じられるタイプ。それなりに厚さもあるので、3枚食べられればチャーシュー好きも十分納得できることでしょう。
そして追加トッピングの煮卵は、半熟卵派の人にとっては残念ながら、割って中を見ると黄身にしっかりと熱が通っています。卵全体が煮汁でかなり強めに味付けされていて、個人的にはもう少し薄めの味付けでもいいのでは…と感じました。
こんな感じの麺屋八海山の煮干そば、煮干しをしっかり感じられる一方、新潟燕三条系としてはかなりあっさり目でヘルシーな感じに仕上がっています。その意味では「本格的」とは言えないかもしれませんが、「燕三条系ラーメンって何ぞや?」という人にとってのデビューには向いていると思います。
実際に麺屋八海山に訪店するときには、ある程度時間の余裕をつくっておくがおすすめです。麺の茹で時間が長めなのもあり、一般的なラーメン屋よりも待ち時間が長くなると思われるので…
塩ラーメン激戦区の高槻では貴重なお店…麺屋八海山へのアクセスは、最寄り駅のJR京都線・高槻駅から徒歩3分
高槻と言えば、彩色ラーメンきんせいに始まり中村商店、あす流、らーめん鱗など、塩ラーメンがウリのお店が多い塩ラーメンの激戦区。その激戦区の中で煮干しそば一本で勝負する麺屋八海山は、高槻周辺ではかなり貴重なお店と言えますね。
高槻でいつもと違うラーメンを食べたくなったら、一度の麺屋八海山のことを思い返してみてください。煮干しが嫌いでなければ、ラーメンの味にはきっと納得できると思いますよ。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
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