雑誌のランキングに載らない高級温泉旅館…一人旅が超おすすめ

By 大堀 僚介

わが日本は世界に誇る温泉大国。いわゆる三大名泉と呼ばれる草津、下呂、有馬の他にも白浜、熱海、別府…コンビニの雑誌売り場には、都内や関西から日帰りできる有名温泉や、安さがウリのバスツアー、露天風呂で絶景が拝める人気の温泉宿など、温泉の特集をしている雑誌が必ずと言っていいほど並んでいます。

雑誌のランキングに乗らないおすすめ温泉旅館…泊まってわかった温泉一人旅の魅力

この記事では、おそらくそういった雑誌のランキングには載ってこない、おすすめの高級温泉旅館をご紹介します。静かにのんびり過ごせて、料理も美味しく、サービスも満点。そんな温泉宿がなぜランキングに出てこないのか?それは、その旅館は日本にないからです。

温泉旅館一人旅の何が良かったか?というと…

その高級温泉旅館は、台湾郊外にある北投温泉「日勝生加賀屋」。元々台湾の温泉街として有名だった北投温泉に、日本が誇る名旅館・和倉温泉 加賀屋が進出して、日本スタイルの高級温泉旅館を建てました。

今回ちょっとしたきっかけで、この高級旅館に1泊することになりました。でも、僕の勝手なイメージでは「温泉旅館に1人で泊まる」という発想はなかったんです。やっぱり温泉旅館には1人ではなくて、家族連れやカップルが似合います。1人で泊まっていたら、他のお客さんやスタッフに好奇な目で見られるんじゃないか…正直そんな不安もありました。

でも実際体験してみたら、その考えは大きく変わりました。おひとりさま温泉旅館、素晴らしいです。メチャクチャ贅沢です。ちょっとお金はかかりますが、ぜひまたやってみたい!と本気で思います。何がそんなに良かったのか?というと…

メリット1:井草の香る和室で大の字になって昼寝ができる

日勝生加賀屋の和室

正面の北投公園を上から見下ろせる9階のお部屋に入ると、なんとも懐かしい畳の香りがふわ〜っと鼻を刺激してきました。

部屋の真ん中の掘りごたつで一服。すると仲居さんがおしぼりと抹茶を出してご挨拶。本当に日本語が堪能ですし、日本の温泉旅館そのままです。日勝生加賀屋では、接客に関わるスタッフはみんな日本語が話せるようです。なので、中国語や英語が話せなくても全然問題ありません。

夕食までのつかの間の休息タイム。北投公園を散歩するも良し、温泉に入るのも良し。でも、そのまま畳の上にゴロンと転がって一眠りするのもおすすめ。とっても静かですし、井草の香りと軽い背中の痛みを感じながら、誰にも邪魔されずに思いっきり身体を伸ばしてみるのもいいですよね。

メリット2:豪華な食事も自分のペースで楽しめる

今まで「会話に気を取られて料理の味を覚えていない」っていう経験、ありませんか?接待を受けて高級レストランに連れて行ってもらったものの、仕事の話に集中していて料理を楽しめなかった…家に帰ってから思い出してガッカリするものです。

もちろん一人旅なら、そんな後悔をすることはありません。自分の好きな時間に、誰にも急かされずに、じっくり味わってご飯を食べる。これも、今の世の中では贅沢と言えるほどの、大切な時間ではないでしょうか。

というわけで、夕食は19時からで予約して3階にある「天翔」へ。人通りがまばらとなった北投公園を窓越しに眺めながら、日本人の総料理長が腕を振るう懐石料理をいただきます。食べ終わったら2階のバーへ移動し、日本人バーテンダーさんとの雑談で夜を迎えるのも、風情があってオツなものです。

メリット3:今なら大浴場を無料で貸し切れる?

日勝生加賀屋の大浴場入り口

「いつでも、何回でも温泉に入れる」ことも、一人旅の大きな魅力の1つ。ただ残念ながら、日勝生加賀屋の大浴場は夜中に使うことができません。日中も日帰りプランで大浴場を開放しているためか、夜中の時間帯にメンテナンスをしているのでしょう。朝早起きして大浴場で一風呂浴びたくても、残念ながら朝6時まで待たなければなりません。

でも今のうちなら、早起きして朝風呂に行くあなたに大きなご褒美が期待できます。おそらく台湾人には「温泉で朝風呂」という文化がないのでしょう。大浴場には、他のお客さんが1人もいないのです。つまり、大浴場は貸切状態です。

あなたの運が良ければ、朝から温泉もジェットバスもサウナも好きな時に使い放題!となるかもしれません(他のお客さん次第ですので、もちろん100%の保証はできません)。僕は朝7時までの約1時間大浴場にいて、他に1人も入ってきませんでした。台湾人が朝風呂の気持ち良さを知る前に、あなたもお早めに台湾に来られる方がいいかもしれません。

ちなみに、どうしても夜中に温泉につかりたい場合…日勝生加賀屋では内風呂にも温泉を引いています(僕は使いませんでしたが…)。日本の温泉旅館では、たいていの場合内風呂は普通のお湯ですが、自分の部屋で24時間温泉に浸かれるのもうれしいですよね。

追記:日勝生加賀屋で楽しめる温泉の泉質は「白硫泉」と呼ばれる弱酸性硫黄塩泉。PH値は約3〜4で、ほんのり硫黄の匂いがします。皮膚の角質層を柔らかくする作用があり、血行が良くなり肌がツヤツヤになる他、慢性関節痛や筋肉痛、神経痛などに効果があるそうです。

日本の温泉旅館では得られない台湾加賀屋の最大の魅力

ここまで読んでくれたあなたは、きっと「わざわざ日本を脱出して台湾に行かなくてもいいじゃん?」と思っていることでしょう。確かに本家の加賀屋が能登半島にありますし、台湾の加賀屋は良くも悪くも「日本の高級温泉旅館と同じ」です。台湾ならではの何かを期待するのであれば、おそらくその期待には応えられないでしょう。

でも、わざわざ海外で日本式温泉旅館に泊まる真のメリットは、別のところにあります。それは、1人でいることに集中できること。言い換えると「あなたの気を散らすような雑音をシャットアウトできる」ということなんです。これは実際、僕自身驚きました…

本当に頭がスッキリするんです!

これが日本の温泉旅館ですと、旅館のスタッフの会話は丸聞こえです。お客さんのクレームのような不快な情報も、嫌でも耳に入ってきます。テレビをつければいつものニュースやバラエティー番組…そんなの自宅にいても観れますし、テレビで貴重な時間を潰すのってもったいなくないですか?

でも台湾なら、スタッフやお客さんの会話はすべて環境音になってしまいます。例えば、レストランで隣のテーブルの人が「佐々木希が…」と話し出したのに、自分の耳を持っていかれるようなことがないのです。

なので、もしあなたが1人で集中して何かをしたいなら…個人的な考え事をしたり、新しい商品やサービスのアイデアを生み出したり、あるいはブログを書いたり(笑)…台湾加賀屋は最高の環境を与えてくれます。

仕事に疲れたら、そのまま後ろに倒れてゴロッと寝転がる。あるいは浴衣を着て館内をふらっと散歩したり、あったかい温泉につかったり…周辺は欧米式ラグジュアリーホテルと違って温泉街なので、うるさい都会の騒音は全くなし。小腹が空いたら温泉卵も食べられる。森林に囲まれて思いっきりマイナスイオンを浴びてリフレッシュ。そして困った時には、日本と同じレベルのきめ細やかなサービスを受けられる。1人で仕事に集中するには、最高の環境じゃないですか?

「小説の神様」と言われた志賀直哉は、よく城崎の温泉宿に泊まり込んで執筆したと聞きます。太宰治や川端康成は伊豆、島崎藤村は箱根、夏目漱石は愛媛の道後温泉…他の文豪たちも、静かになれる宿や別荘に泊まり込んで創作活動をしていました。なぜ文豪たちは、わざわざお金をかけてまでそんなことをするのか?今回台湾加賀屋に泊まって、その理由がよくわかりました。

気になる宿泊料は、食事つき1泊2日で16,150元。予約の時は1人分の値段だと思っていたのですが、これには2人分の食事代が含まれているとのこと。なので、2人目の夕食を2日目の昼食に回してもらいました。素泊まりや朝食のみのプランもあるとのことです。

それでは旅館の詳細です。

日勝生加賀屋 [star rate=”5″]
住所:台北市北投区光明路236號
電話番号:886-2-2891-1111

台北駅からMRT淡水線で北上し、北投駅で乗り換えて新北投駅へ。新北投駅からは徒歩5分ほどで着きます。有料ですが空港からの送迎もあるので、必要なら直接旅館側にお問い合わせください。

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大堀 僚介

学生時代からバックパッカーとして、主に東南アジア諸国を歩きまわる。これまでの訪問国数は20カ国以上。現在も出張を口実に国内外へ旅行して、ローカルフードを食べ歩くのを趣味としている。

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