とり伊|四条大宮の鶏料理専門店…一般客用メニューでランチや夕食にも重宝

By 大堀 僚介

京都では、創業から100年以上経たないと「老舗」という称号は得られないそうです。それだけ京都ではお客さんの信頼を得るのが大変…ということなのでしょうが、今回ご紹介する四条大宮の「とり伊」は創業が明治時代という、京都でも紛れのない鶏料理の老舗。そんな由緒あるお店の料理がお一人様でも気軽に食べられると知ったら、あなたも行ってみたくなりませんか?

とり伊|四条大宮の老舗鶏料理専門家…お一人様向けのメニューでランチや夕食にも重宝

もちろん、とり伊は本来「お一人様」が気軽に入れるようなお店ではありません。御座敷席には合計で200人ものお客さんを収容できる宴会対応のスペースがあり、水炊きをはじめとしたコース料理を提供しています(Webサイトで値段を提示していないとこが、さらにミステリアスな高級感をかき立てます…)。その一方で、一般客に向けてのランチメニューを用意したり、今回ご紹介する親子丼のような丼物を提供したりと、お店をカジュアルに利用できる一面もあわせ持ちます。

なぜこのような二面性が成り立つのか?というと…実はとり伊には入り口が2つあって、高級料亭として利用されるお客さんと一般のお客さんを完全に分けているのです(おそらく調理場は一緒なのでしょう)。向かって左側が座敷席へとつながる入り口で、今回の僕のような一般客は右側の入り口からお店に入ることになります。

とり伊

さて、一般客用の店内は照明で明るく、ポップな洋楽が流れるカジュアルな雰囲気があります。高級店にありがちなかしこまった雰囲気は微塵もありません。実際、訪問時のお客さんは外国人グループや若い女友達のグループ…なので、右側のお店ならいつでも安心して入店できますよ。

中央には大きなテーブルを囲むようにして14席。真ん中にある仕切りで反対側から分離されているので、テーブル席というよりカウンター席として機能します。加えて1卓だけ小上がりの座敷席があるので、運がよければ友人同士の小グループでの食事にも使えます。

店員さんに案内されてテーブル席に着くと、目の前に電磁調理器が埋め込まれていることに気づきます。この電磁調理器がテーブルの各席に1つづつ、そして遠目で見ると座敷席にもテーブルにもありますね。

とり伊の電磁調理器

この電磁調理器が何を意味するのかというと…

水炊きやすき焼き、しゃぶしゃぶも…老舗料亭の高級メニューが一人鍋で食べられる

いやいや、これは嬉しすぎる…たいていのお店では通常2〜3人前からしか用意してくれない鍋料理を、とり伊ではお一人様でも楽しめるようにアレンジして提供してくれるのです。鍋メニューはすき焼き、しゃぶしゃぶ、水炊きの3種類。鍋と呼ぶには違和感がありますが、同じく電磁調理器を使うメニューでロース焼きというのもあります。

いずれも特製スープ、ご飯、漬物つきでお値段1980円。冬の寒い時期にビール片手に1人で鍋をつつくなんて、なんという贅沢…今年の冬が待ち遠しくなりました。

名代親子丼:鶏の旨味が極限までに濃縮!とり伊に来たら絶対に外せないおすすめの一杯

それでは今回のターゲット、とり伊の名物・親子丼(並 700円)の紹介へと移りましょう。明治時代の創業時から変わらない調理法で作られる名代親子丼。その親子丼に使われる出汁は、一般的な和風出汁ではなく、鶏ガラから抽出したコラーゲンたっぷりの鶏スープなのだそうです。

松の割木で火を起こしたおくどさん(かまど)で、1日かけて鶏ガラを炊いて鶏の旨味を徹底的に抽出。それをしっかり寝かせて合計3日間かけて作られた鶏スープを、水炊きだけでなく親子丼にも使っています。この便利なご時世にガスコンロではなく、なぜわざわざ面倒なかまどを使うのか?なんでも、あえてかまどで炊くことによって、ガスコンロでは出せない濃厚なスープが出来上がるのだとか。

そして、卵にもお店ならではのこだわりが。名代親子丼に使われる卵は、大分県産の2種類の卵。白身がしっかりした「田舎の卵」はしっかり熱を通して卵とじに使用、黄身が濃厚な「蘭王」の黄身は前もって取り分けておき、完成時に丼の真ん中にトッピングされます。

こうした手間をかけて完成したとり伊名物・親子丼がこちら…

とり伊の親子丼

見た目の印象としては、まず卵とじの部分が卵黄:卵白=1:2の割合なので、他店の親子丼よりも全体的に色が白いです。これで大盛り(お値段 800円)なのですが丼のサイズは小さめで、女性にとって最適なボリュームではないでしょうか。男性にとってはちょっと物足りなさを感じる量かもしれません。

とり伊の親子丼実食

では、実食…鶏肉は脂ののったもも肉とさっぱりしたささみの2種類を使用。噛みしめると中からじわーっと肉の旨味がにじみ出てきます。甘辛和風出汁ベースの親子丼と違って、削り節の風味による嗅覚的なインパクトはないものの、濃厚な鶏肉のコクがじわじわと口いっぱいに広がっていく感じです。

その旨味の秘訣である鶏スープをたっぷり吸った卵とじ…その白身部分はプルプルとした食感を残す絶妙な熱の通り具合。器いっぱいに広がった卵とじは、味もさることながらシャキシャキ九条ネギと鶏肉がうまくまとまってて一体感があります。

そして、頃合いを見て中央に鎮座していた蘭王の黄身をくずしてみると…やや薄味に感じた親子丼にねっとり濃厚な卵黄の旨味が加わって、ガツンと食べ応えのある味に変化…一気に食べ終えて、「おかわり」の4文字が頭の中をよぎっていきました。これ、とり伊に来たら絶対に外せません。おすすめです。

ちなみに、京都の親子丼では定番の粉山椒は、デフォルトではかかっていません。香りづけをしたい場合はテーブルに備えつけの各種調味料をご利用ください。

さてさて、親子丼と一緒に出てくる、このスープの存在も忘れてはいけません…

とり伊の親子丼付属の鶏スープ

とり伊でも西陣の名店・鳥岩楼と同じように、コラーゲンたっぷりの鶏スープを一緒に出してくれます。滋味あふれる鶏の味に加えてわずかに塩と生姜で調味をしてあって、純粋にスープとして非常に飲みやすくなっています。こちらもお好みで粉山椒や七味、塩で調味してみてください。

とり伊の親子丼付属の鶏スープ実食

このスープにはうずらの卵が1個落としてあって、スープの熱で黄身部分が形を保てるギリギリくらいの半熟状態になっています。そのまま黄身を飲み込んでもいいですし、箸で黄身をつぶしてスープに卵黄の旨味を加えて飲み干すのもいいですね。

ランチタイムには日替わりメニューが…リーズナブルな定食にももれなく特製スープが付いてます

さて、とり伊ではランチタイムに以下のような日替わりの定食メニューも提供されます(日曜日以外)…

とり伊の日替わりランチメニュー

  • 月曜日:ミニステーキ定食
  • 水曜日:から揚げ定食
  • 木曜日:牛しゃぶと温野菜の定食
  • 金曜日:お魚定食
  • 土曜日:フライ定食

いずれも一品、ご飯、特製スープがついて、お値段税込700円。お財布にも優しいですな。さらに、水曜日と金曜日はご飯がかやくご飯になるのだとか。定食の味噌汁代わりにあのスープが出されるのか…四条大宮周辺で働いている人がホントうらやましいです。

京都が誇る鶏料理の老舗の味を気軽に食べられる…とり伊へのアクセスは、最寄り駅の阪急京都線・大宮駅(嵐電・四条大宮駅)から徒歩3分

それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…

とり伊 [star rate=”5.0″]
住所:京都府京都市下京区松本町278
電話番号:075-841-1937
営業時間:ランチ 11:30-14:30、ディナー 17:00-21:00(閉店)
定休日:火曜日、不定休
駐車場:なし
クレジットカード払い:2階宴会席利用時のみ可

P.S. とり伊の近くには、こんなお店もあります…

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大堀 僚介

学生時代からバックパッカーとして、主に東南アジア諸国を歩きまわる。これまでの訪問国数は20カ国以上。現在も出張を口実に国内外へ旅行して、ローカルフードを食べ歩くのを趣味としている。

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