八代目儀兵衛|五つ星お米マイスターが祇園に米料亭を開店…そのお味は?

By 大堀 僚介

京都には志る幸のような味噌汁専門店だけでなく、絶品の銀シャリが味わえるお米の専門店もあります。今回ご紹介する「八代目儀兵衛」は、五つ星お米マイスターが立ち上げた米料亭。自慢のお米だけでなく釜、水、火加減など、徹底的にこだわって炊き上げたお米で、連日ランチタイムに尋常ではないくらいの行列を形成しています…

八代目儀兵衛|五つ星お米マイスターが京都・祇園に米料亭を開店…連日長蛇の行列をつくる釜炊きご飯のお味はいかに?

名前に「八代目」ありますが、今の料亭は2009年10月オープンと、比較的新しいお店です。七代目までは京都で米屋を営んでいたようで、そこに生を受けた兄弟がそれぞれの修行の後、ともに力を合わせて祇園に米料亭を開きました。

その八代目儀兵衛、どんなお店か気になって行ってみると…

入店の記帳開始は朝10時から。でも行列に並ぶと大変なので、可能なら7組限定のランチ予約がおすすめ

ある日の朝、僕がお店に着いたのが朝の9:15頃。11時開店なので「さすがに早すぎるかな…」と思いましたが、すでに数人のお客さんが店の前で待っていました。

八代目儀兵衛の開店前行列

店の前で待つこと45分。その間にも続々とお客さんが列に加わり、あっという間に20〜30人の行列ができてしまいました。凄まじい人気ですね。それぞれ仲間と談笑したり、スマホをいじったりして時間をつぶしていますが、この間にもお店の中ではせっせと仕込みがされています。

八代目儀兵衛の通り沿いの壁には小窓がついていて、そこからご飯を土鍋釜で炊く様子が観察できます。暇つぶしにもくもくと湯気を上げる土鍋釜を眺めて、これから食べる絶品ランチを想像しながら食欲をかき立てるのも良いのではないでしょうか。

朝10時になると、店頭に記帳台が出されます。ここに名前を書くことで順番確保となり、行列に並んでいた人みんなが待ちこがれていた時間。でもここで、1つ驚愕の事実が発覚します…

八代目儀兵衛 記帳の様子

列の先頭の方から順番に記帳台に名前を書いていく、至って普通のステップです。僕はこの日、列の4〜5番目くらいだったので、名前を書けば1巡目での入店確定!のはずだったのですが、記帳リストにはすでに20人近くの名前が…

これには少なからず衝撃を受けました。その日に並んでいない人の名前が、最初から記帳リストに書かれているのです。これは何なのでしょう? 実質、事前予約と変わりませんし、そんなことができるなら当日わざわざ早く並んで待つ必要はありません。

詳しい事情はわかりませんが、僕たちより早く並んで記帳した人が20人近くいたのは事実。「何なの、これ…」と内心もやもやしたものを感じていたのですが、後になってググってみると、どうやら予約できるみたいですね。な〜んだ。僕のリサーチ不足でした。

何はともあれ、これで一旦行列から解放。道路をはさんで向かい側にある八坂神社で時間をつぶします。

八代目儀兵衛向かいの八坂神社

10:30頃から再びお客さんが集まって来ます。40分頃から記帳代に名前を書いた人の点呼が始まり、この時不在だと記帳がキャンセルになってしまう可能性があります。なので、やはり10時半くらいまでには戻ってくる方が無難ですね。

そして点呼。この頃になると、記帳をした人、新しく行列に並んだ人、いろいろな人がごっちゃになって、大きな人だかりをつくります。店員さんが大声で交通整理をしたり、記帳済みの人にメニューを渡したりと頑張ってはいるのですが、なにせ人が多すぎて名前を呼ばれているのに声が聞こえなかったり、適切にお客さんを誘導できていなかったと、待っている客の立場としては気分の良い待ち時間ではありませんでした。

なので、開店直後に入店できる人限定にはなりますが、行くのが決まっているなら事前の予約が絶対におすすめです。

京のあんかけ親子丼の銀シャリ御膳:八代目儀兵衛自慢のもちもちご飯と上質和風出汁のコラボレーションが秀逸…ランチメニューではご飯のおかわりやおこげ付きの嬉しいサービスも

このような想定外はあったものの、何とか予定通り一巡目で入店できました。店内は厨房に沿ってカウンターが7席。2階にも客席はありますが、それを合わせても収容人数は20人程度のようです。

注文は列に並んでいる間に取ってくれていたので、席に着くやいなや準備ができた順にどんどんお盆が配膳されていきます。入店までの行列とは違い、入店してからの待ち時間はほとんどなく快適でした。

この日僕が注文したのは、「京のあんかけ親子丼の銀シャリ御膳(お値段 税込1440円)」。このあんかけ親子丼に限らず、八代目儀兵衛のランチメニューはすべて炊きたて(炊き上がりから10分以内)のご飯が食べられて、ご飯のおかわり自由で、2杯目からは「おこげ」も追加してもらえます(おこげなしも可です)。

ちなみに、親子丼以外のランチメニューはこちら…

八代目儀兵衛のランチメニュー(値段は税込)

  • 儀兵衛の銀シャリ三色御膳 2490円
  • 儀兵衛の銀シャリ鯛のだし茶漬け御膳 1550円
  • 季節の焼き魚の二種もり銀シャリ御膳 1550円
  • 鰆の照り焼き銀シャリ御膳 1650円
  • 本日のお造り盛り合わせ銀シャリ御膳 1760円
  • 五穀鶏の唐揚げ銀シャリ御膳 1650円
  • 伊勢美稲豚のそぼろ味噌かつ銀シャリ御膳 1760円
  • 国産牛の焼肉銀シャリ御膳 1980円
  • 今日のお野菜と大海老の天婦羅銀シャリ御膳 1760円

それでは、あんかけ親子丼のご紹介と参りましょう…

八代目儀兵衛の京のあんかけ親子丼の銀シャリ御膳

お盆の左右手前側に炊きたてご飯とあんかけ親子丼。まず中央の器にご飯を取り、上から親子丼をかけていただきます。ご飯の奥にはジャコとお漬物、中央奥の木箱には焼きのりが入っています。そして右手奥にはお味噌汁、といったラインアップです。

まずはご飯からいただきます…

八代目儀兵衛の釜炊き白ご飯

八代目儀兵衛のご飯は「外硬内軟(がいこうないなん)」という4文字で表現されますが、その言葉通りの見事な炊き上がりです。一粒一粒がツヤツヤとしていて、硬めに炊き上がっているかと思いきや中はもちっとしていて、噛み締めるとほんのり甘い。これが釜炊きのなせる業でしょうか。もちろんお米も特別なものを使っているのでしょうが…いずれにしても、よそではそう簡単に味わえないような炊き上がりであることには間違いありません。

八代目儀兵衛の京のあんかけ親子丼

続いて、あんかけ親子丼。とろみのついた餡をレンゲですくって口へ運ぶと、強烈なほどの削り節の風味が口から鼻へ突き抜けます。それでいて、一切の雑味がない透き通った味…これは良い意味で期待通りの味ですね。

八代目儀兵衛の京のあんかけ親子丼の銀シャリ御膳実食

空いた器に白ごはんとあんかけ親子丼をそれぞれ盛りつけます。餡からの鰹出汁と三つ葉の清涼な香りが一緒になって口から鼻へ…加えて一粒ずつしっかり立ったご飯の弾力と甘み。これだけ多くの人が長時間並んで待つ理由がわかるような気がします。

ただ、鶏肉や卵の味や食感が餡の存在感に負けてしまっている感じは否めません。親子丼というより親子丼風のあんかけご飯と考える方が妥当でしょう。

あんかけを半分ほど残してご飯のおかわり。2杯目からは釜に張り付いたおこげもいただけるようになるので、おこげ好きの方はそれを見越して朝から胃袋のペース配分をしていきましょう。

八代目儀兵衛の釜炊き白ご飯おこげ

おこげの上からあんかけ親子丼をかけて食べたり…

八代目儀兵衛の釜炊き白ご飯おこげあんかけ親子丼

時にはじゃこやお漬物、焼き海苔で味に変化をつけながら完食。願わくば、もうちょっと待ち時間を快適に過ごせるようになれば…というのが率直な感想です。

八代目儀兵衛はディナータイムも営業していますが、できればランチタイムに来るべき理由

八代目儀兵衛では、夜の時間帯にランチメニューとは別のディナーコースを提供しています。ランチと違って行列とは無縁で、もちろんコースには八代目儀兵衛自慢の白ご飯も含まれています。

八代目儀兵衛のディナーコース(値段は税込)

  • 米ざんまいコース「祇園」 7,260円
  • 米ざんまいコース「八坂」 5,280円
  • お子様米ざんまいコース 2,500円

でも、もしあなたの事情が許すなら、長時間の行列を覚悟してでも昼の時間に行く方がいいです。その理由は金銭的な問題もさることながら、お米の炊き方に違いがあるからです。

実は、八代目儀兵衛の夜のコースでは、米八寸と鮨で使うご飯を電気炊飯器で炊いています(下の画像に示すように、店頭に張り紙がされています)。つまり、夜のコースでは土鍋釜で炊いたご飯が食べられない…当然おこげも食べられません。

八代目儀兵衛の立て看板

もちろん、電気炊飯器で炊いたご飯じゃダメと言いたいわけではありません。でも、八代目儀兵衛で使われている炊飯器は普通に市販されているので、ちょっと大げさに言えば「同じお米と炊飯器を揃えれば、自宅でも八代目儀兵衛と同じご飯が食べられる」ということになってしまいます。せっかくご飯がウリの料亭に来るのに、それではちょっともったいないな…と感じるのは、僕だけでしょうか?

東京・銀座と成田空港にも店舗あり…八代目儀兵衛へのアクセスは、最寄り駅の京阪電鉄・祇園四条駅から徒歩5分

八代目儀兵衛は今回ご紹介した祇園店の他に、東京の銀座と成田空港内にそれぞれ支店を持っています。銀座店は東京メトロの銀座駅から徒歩1分(JR有楽町駅からは徒歩5分)、成田空港店は第一ターミナルの4階にあるとのこと。祇園店より並ばずに入れるようなので、お近くへ行く時には立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…

八代目儀兵衛

八代目儀兵衛 祇園店 [star rate=”4.5″]
住所:京都府京都市東山区祇園町北側296
電話番号:075-708-8173
営業時間:ランチ 11:00-14:30、ディナー 18:00-21:00 LO
定休日:不定休(2月と6月に休業期間あり)
駐車場:なし(近隣のコインパーキングを利用)
クレジットカード払い:可

八代目儀兵衛 東京銀座店
住所:東京都中央区銀座5-4-14
電話番号:03-6280-6383
営業時間:ランチ 11:00-14:30、ディナー 18:00-20:30 LO
定休日:水曜日

Gihey 成田国際空港店
住所:千葉県成田市三里塚字御料牧場1番地1 成田国際空港第一旅客ターミナルビル 中央ビル新館4階 NC416
電話番号:0476-32-8188
営業時間:8:00-20:00 LO
定休日:無休

追記:ご自宅で八代目儀兵衛のご飯を再現したいあなたへ…電気炊飯器や十二単などのお米ギフトで、お店と同じものが揃えられます

さて、先程僕は…

炊飯器とお米を揃えれば、八代目儀兵衛と同じご飯が自宅で食べられる

と書きました。もちろん心の底からそう思っているわけではありません。米の研ぎ方や使う水(やっぱり京都の地下水は、料理の味を決める大きな要素の1つでしょう)など、料亭と家庭で全然ちがうのは百も承知です。

でも炊飯器とお米に限って言えば、その気があればあなたも八代目儀兵衛と同じものを揃えられます。これらのアイテムを揃えたら、あとはあなたの努力次第で八代目儀兵衛の炊きたてご飯に近くことは可能と言えるのではないでしょうか(つまり先程の発言は、これからお話することの前フリだったわけです)。

まずは炊飯器。これは先程の画像に載っている日立の「沸騰鉄釜 ふっくら御膳(HITACHI RZ-W100CM)」という炊飯器ですね。

HITACHIの沸騰鉄釜 ふっくら御膳
画像はHITACHIのwebサイトから引用

今Amazonで検索すると、5.5合炊きでお値段54,300円と出ています。炊飯器としてはそれなりに高めの値段設定です。でも毎日使うものですからね…1年365日で割ると、1日たったの150円!これはお買い得!…なんてセールストークをかますつもりは毛頭ありませんが、これで本当に美味しいご飯が毎日食べられるのであれば、出費としてそんなに高くはないのではないでしょうか。

そしてお米。これは八代目儀兵衛さんで通信販売をやっています。オリジナルブランドの十二単シリーズや祇園料亭米シリーズなど…ギフト券や自宅用といった目的に合わせて、お米をホームページや楽天市場などで購入可能です。興味があれば、まずはホームページをのぞいてみてはいかがでしょうか。

P.S. 八代目儀兵衛の近くには、こんな親子丼のお店もあります…

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大堀 僚介

学生時代からバックパッカーとして、主に東南アジア諸国を歩きまわる。これまでの訪問国数は20カ国以上。現在も出張を口実に国内外へ旅行して、ローカルフードを食べ歩くのを趣味としている。

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