京都には自ら「神」を名乗る強気なラーメン屋があります。でもその「神」という名は、ただのハッタリではありません。2014年に食べログのベストラーメンを受賞し、現在は本店の他に京都市内に3店舗を所有する、京都でも人気のラーメン店なのです…
そのお店・セアブラノ神(背脂の神)の壬生本店に開店直前に到着すると、すでに5〜6人のお客さんが先に並んでいました。店内はカウンター席が7脚とテーブル席が2卓あるので、このくらいの人数なら問題なく待ち時間ゼロで開店と同時に入店できます。
ただ、その後10分くらいであっという間に空席が埋まっていってしまい、さすが人気店というところを見せつけられました。特に休日あたりは開店前に行列が…なんてこともあるかもしれません。
店内に入店すると左手に券売機が置いてあり、ここで食券を購入してから席に着きます。メニューはこんな感じで…
麺のメニューは背脂煮干しそば、まぜそば、つけ麺の3種類がレギュラーメニューとなっています。このレギュラーメニューのほかに月替わりで限定メニューもやっています。記事の一番最後にお店のサイトへのリンクを貼っているので、気になったらそこからチェックしてみてはいかがでしょうか?
さすがの背脂の量に感服!セアブラノ神 壬生本店の看板メニュー・特製背脂煮干そばを食べてみたら…
そんな人気店・セアブラノ神の看板メニューが「背脂煮干そば(お値段 税込800円 → 980円)」。お店のホームページには「新潟のご当地ラーメンである燕三条系ラーメンを、当店流にアレンジ」と書いてあります。
ここで「燕三条系ラーメンとは何ぞや?」と疑問が浮かんだので、食券購入前にググってみます。燕三条系ラーメンとは通称「背脂煮干し」と呼ばれ、戦前に町工場で働く人のための出前メニューとして生まれたとのこと。ゴワゴワでのびにくい麺に醤油をガツンと効かせたスープ、その上に丼が真っ白になる程の背脂を入れて、ラーメンが冷めるのを防ぐとともに醤油の塩分を和らげるのだとか。
ならば、その背脂煮干そばをいっちゃいましょう!ということで、フルトッピングの「特製背脂煮干そば(お値段 税込1100円 → 1330円)」をオーダー。麺を中太麺と太麺の2種類から選べますが、燕三条系を味わうならやっぱり太麺がおすすめです。
というわけで、食券を渡して約10分後に着丼した特製背脂煮干そばがこちら…
レアピンクの大きなチャーシュー4枚が丼の2/3を覆い尽くし、半分に割られた煮卵となると、刻みネギ、メンマ…その隙間から垣間見えるスープには、看板に偽りなしの背脂がたっぷり浮いているのがわかります。
では、まずそのスープからいただきましょう…見た目通りかなりオイリーなスープです。でも、この背脂のコクに負けないくらい煮干しの出汁と醤油もしっかり効いています。ということは、煮干しはともかく、背脂の味で目立たなくなった醤油の塩分がかなりある可能性が…血圧高めの人にはこのスープ、マジで要注意かもしれません。
一方で、背脂の脂肪分を抑えたい…ということであれば、テーブル備え付けの黒ばら海苔を入れてみるのをおすすめします。あおさ海苔のような感じでスープを含んで膨張し、脂を吸収してくれるとともに海苔の香ばしさを追加して、ラーメンがかなり食べやすくなります。蓋に「入れすぎ注意!」と書いてありますが、僕は付属のレンゲで3〜4杯入れても美味しく食べられました。
さて、このスープに対応する麺は、京都ではお馴染みの麺屋棣鄂製太ちぢれ麺。まぜそばに使えるくらいの太さとコシがあって、ツルツルすするというよりワシワシ食べるといった感じの麺です。スープが濃いのでこのくらいの太麺でないとスープに負けてしまいますし、食べ応えがあるのでガッツリ系が食べたい時にはベストな一杯ではないでしょうか。
今では珍しくなくなった、低温調理のレアチャーシュー。脂肪分が少ないのでジューシーさはありませんが、肉の旨味はこの中にギュッと詰まっています。
まとめると、自ら「背脂の神」を名乗るのに恥ずかしくないくらいの背脂こってり系ラーメンになっています。加えて、今のところ京都周辺では「煮干し+背脂」の組み合わせは珍しく、希少性という意味でも一度食べにくる価値はあるラーメンだと思います。この背脂煮干そばは系列店のセアブラノ神 伏見剛力や錦 セアブラノ神でも食べられないので、この記事を読んで気になったら是非一度セアブラノ神 壬生本店まで足を運んでみてください。
まぜそば:セアブラノ神の隠れた人気メニュー、他店のまぜそばとは一味違って…
続いてご紹介するのが、セアブラノ神 壬生本店で隠れた人気メニューとなっているまぜそば(特:お値段 税込1050円 → 1100円)。いわゆる油そばなのですが、セアブラノ神が提供するまぜそばは、見た目から他店のまぜそばとはちょっと違います…
着丼したまぜそばはこんな感じ。上から見えるのは、ブロックチャーシューや刻みタマネギ、黒バラ海苔などの各種トッピング。味付けの魚粉も結構な量入ってますね。丼から魚粉と海苔の香りがプンプンします。それにしても、それらトッピングの上にかかっているドロっとした白い物体は、一体なんなのでしょう?
それはさておき、テーブルに立てかけてある案内に従って…
この丼を下から思いっきりかき混ぜていただきます…口に入れて一瞬驚きました。ものすごい豚の旨味です。かき混ぜる前に存在感をはっきしていた黒バラ海苔や魚粉の香りが霞んでしまうくらい。骨の髄まで搾り取ったかのような濃厚な旨味は、かつて無鉄砲大阪本店で食べたとんこつラーメン「できるだけこってり」に通じるものを感じました。
その濃厚な豚の旨味をまとう麺は、背脂煮干しそばの時と同じ?平打ちの中太麺。製麺所作の麺ですが、独特の縮れや不揃いな感じから手打ち麺のような食感が生み出されます。また、この縮れがあるために濃厚なタレがしっかりと麺に絡んで、強烈な豚の旨味が麺と共に一気に口に飛び込んでくるわけで…とにかく豚骨まみれになりたい人にとっては絶好の一杯じゃないでしょうか?締めご飯も活用して、濃厚な豚の旨味を最後までしっかり回収してしまいましょう(ちなみに、セアブラノ神のご飯には八代目儀兵衛のお米を使っているようです)。
もし途中で食傷気味になったら、テーブル備え付けの味変アイテムを試してみてください。用意されているのはリンゴ酢、食べるラー油、刻みニンニク、黒七味、一味唐辛子の5種類。加えて黒バラ海苔の追加もできます。いろいろ試して、あなた好みの味付けを見つけてみてください。
チキン南蛮:ラーメン屋ではちょっと珍しい中華料理系のサイドメニュー、実際食べてみると…
セアブラノ神のサイドメニューもご紹介しておきましょうか。こちらはまぜそばと一緒に注文したチキン南蛮(1枚、お値段200円 → 230円)。中の肉は鶏もも肉で、薄くサクッと揚がった衣の上に甘酢だれとタルタルソースがかかっています。
薄い衣を突き破ると、中からもも肉の肉汁がジュワーッとあふれるように出てきます。これがタルタルソースや甘酢だれと混ざって、旨味を増幅させて口の中に飛び込んでくるわけで…率直に言って、ラーメン屋のサイドメニューの域を超えています。普通に中華料理屋の一品メニューとして出されてもおかしくないレベル。これだけで白飯2杯はいけちゃいますね。
幸い、セアブラノ神にはおかわり自由のライス(お値段 150円)があるので、ラーメンだけでは物足りない大食いさんは、これらをセットで頼んでご飯もガツガツいっちゃうのがおすすめです。
サイドメニューにも背脂が…セアブラノ神 壬生本店へのアクセスは、最寄り駅の阪急京都線・大宮駅(京福電鉄・四条大宮駅)から徒歩6分
そんなセアブラノ神、ラーメンだけでなくサイドメニューにもセアブライス(お値段 税込200円)という背脂メニューがあります。さすがの背脂へのこだわりよう…でも、背脂煮干そばと同時にセアブライスというのは、デブまっしぐらのデブ飯に相当する背徳メニューではないでしょうか?僕はとても試そうとは思えませんが、試してみた方はぜひしたのコメント欄に感想をお願いします。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
P.S. 京都で美味しいラーメンをお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄ってみてください…
P.P.S. ちなみに、大阪でも新潟燕三条系のラーメンは食べられます…
コメントを残す