最近のラーメン事情からはちょっと考えにくいようなお店が、京都の円町にあります。そのお店は山崎麺二郎という名のラーメン屋で、2016年にミシュランのビブグルマンに選ばれたことがあるほどの実力がある人気店なのですが…
山崎麺二郎|京都にあるミシュラン獲得の人気ラーメン店の、今の常識からはちょっと考えにくい話
ある日の夕方、何気なくその山崎麺二郎を訪店した時の話です。夕食時だったので多少の待ち時間を覚悟していましたが、幸い店外には行列はなくすんなり店内へ。店内の壁際にある待機スペースに4人先客がいましたが、お客さんの回転は早く10分程度で席へ案内されることになりました。
客席は厨房に沿ってL字型のカウンター9席のみ。中では店主と若い女性(奥様?)が寡黙に作業しています。人気ラーメン店によくありがちなガチャガチャした雰囲気がなく、落ち着いて食事ができるお店のように感じました。
山崎麺二郎のちょっと考えにくい話、それは3種類のラーメンメニューが…
それでは、山崎麺二郎で僕が「ちょっと考えにくい」と思った話をしましょう。下の画像をご覧ください…
これ、お店の外に掲げられた山崎麺二郎のラーメンメニューなのですが、なんとミシュラン獲得店のラーメンがたったの650円から!今やラーメン一杯で軽く1000円超えも当たり前の時代、ましてやミシュランのビブグルマン獲得店、多少交通の不便さはあれど、そのお店のラーメンがたった650円で食べられるって…今まで当然のように1000円超えのラーメンを受け入れていた僕の金銭感覚はどこか間違っているのでしょうか?
山崎麺二郎の全メニュー(値段は税込)
- らーめん:650円
- 塩らーめん:750円
- つけめん:700円
- 味付け玉子:100円
- メンマ増し:100円
- チャーシュー増し:200円
- かえ麺:100円
- チャーシューごはん:200円
- ビール:400円
らーめん:醤油と鶏ガラと和風出汁の三位一体…お値段1000円以下でもここまでできる!という、今のラーメン界に一石を投じる一杯
とは言え、やっぱり大事なのは味。いくら安くても、味が伴わなければ「また来たい!」と思いませんから。
というわけで、まずは3種類あるメニューのうち、普通のらーめんから試してみることに。下のラーメンはチャーシュー増しでお値段合計850円なり…
スープの色は濃いですが、全体的にどことなく和風というか、落ち着いた雰囲気をこの丼から感じるのは僕だけでしょうか?
まずはスープからいただきます…予想通り、一言で表すとかなり透明感のある味です。醤油と鶏と和風の出汁が、自己主張しながらお互いの味を崩さないところでうまくバランスが取れています。これこそまさに「和」ですね。これ、京都の人は絶対好きだと思います。
これに対する麺は、ツルッとした表面が特徴的なストレートの細麺。同じく京都のミシュラン獲得店・麺屋猪一のようにパツっと角が立っているわけではありませんが、稲庭うどんをすするような感覚に近いこれまた上品な麺です。薄味のスープにもよく合いますし、細麺ながらコシもしっかりしています。暖かいラーメンだけでなく、冷やし中華のような冷麺系でも面白そうに感じました。
そしてチャーシュー。きれいに7枚並べられたお肉が、和風のおしとやかな丼の中で唯一強い存在感を放っています。
1枚1枚意外と厚みがあって、食べ応えがあると同時に柔らかくもあり、噛むと中からじゅわ〜っと肉汁が滲み出てくる…さすがミシュラン獲得店。このお値段で、ここまでのラーメンが食べられるのですね…
これはもう、リピ確定です。少なくとも、3種類のラーメンを全制覇しないと僕の気が済みません。
今回ご紹介した山崎麺二郎は、希少な材料を使った分お値段を高めに設定…という今のラーメン界の主流に一石を投じた骨のあるお店だと思います。こういうお店がもっともっと増えていくことが、僕たちラーメンファンが本当に望んでいることの1つではないでしょうか?
塩らーめん:鶏ガラと魚介がベースの、控えめながらしっかりしたスープ…柚子の香りも効いていて想像通り上品な味
というわけで、他のラーメンも一通り食べてみたくなって、初回の訪店からさほど間をあけずに2回目の訪店。2回目は山崎麺二郎の一番人気・塩らーめんにチャーシューごはんをつけてみることにしました。これでもお値段 950円と、1000円を超えないコスパの良さ!
この半透明なスープとトッピングの柚子を見ただけで、なんとなく味が想像できるような気がします。
まずスープからいただくと…塩味は控えめで鶏ガラと魚介の出汁がふわっと感じられる繊細な味。後味スッキリ、柚子の香りも効いていて、想像通りかなり上品なスープになっています。
一方の麺は、前回のらーめんとは違ってて中太の平打ち麺。個人的には薄味のスープには細麺の方が合うように思うのですが、意外とこの麺でも違和感を感じないというか、それだけスープがしっかりしているんでしょうね。麺は柔らかめながらもっちりしていて、表面がツルッとしているので喉越し良好です。
さてさて、今回塩らーめんと一緒に注文したチャーシューごはんですが…
山崎麺二郎のチャーシューごはんは、崩しチャーシューがご飯に混ざった炊き込みご飯タイプ。白ごはんごとチャーシューのタレで味付けがされているので、塩らーめんとは打って変わってかなり濃厚な味になっています。
こうして薄味のものと濃い味のものを一度に頼んで、両方の味を比べながら食べるのも1つの楽しみ方ですよね。また、塩らーめんが薄味すぎて物足りない…と感じる人も、追加でチャーシューごはんを頼むとバランスが良くなって満足感が増すかもしれません。
つけめん:淡麗系のスープからの二段階の味変が快感!濃厚魚介に飽きてきた人への新たな選択肢
そして最後にご紹介するのがつけめん。下の画像はチャーシュー増し(+200円)にしていますが、それでもお値段1000円を超えないという、近年あまりお目にかかれないコスパの良さ…
その上、もちろんこのスープの中にも刻みチャーシューが入っています…
今回は麺から紹介していきましょうか。つけめん用の麺は中太の自家製麺。もっちり系で歯応えはそれほど強くなく、ツルッと喉越しの良い感じ。スープが淡麗系なので、麺もこのくらいで自己主張が強くないほうが合うように思います。
一方のスープは、つけ麺としてはかなり淡麗な部類に入ります。普通のラーメンスープと比較しても淡麗です。鶏と醤油の旨味はありますが、さっぱりしているのでそのままゴクゴク飲めてしまえそうです。
ところが、半分くらい食べ進めて麺に添えてあるすだちを一絞りすると、柑橘系の風味が加わってスープの味がキリッと引き締まります。この味変がどハマりで、正直驚きました。さらに食べ終わる頃に恒例のスープ割が出てくるのですが…
このスープ割で鰹出汁の風味が加わり、スープがさらに一段味わい深くなります。つけ麺のスープ割って、スープの濃度を薄めて飲みやすくするものと勝手に思っていましたが、山崎麺二郎のつけめんは全く逆で、後半にいくにつれて味を足していくような感じですね。つけ麺といえば濃厚魚介味が世の中の主流ですが、こうした他の選択肢がどんどん出てきてもいいように思います。
ちなみにネット上には、山崎麺二郎についてこんな口コミもありました…
- MOGU食:麺処鶏谷VS山崎麺二郎|デートでも訪れやすい京都西院・円町のお洒落ラーメン店はどっち?!
- プライスレス京都:円町で行列のできるつけ麺といえば山崎麺二郎!麺の食感が絶妙!
- ねこみみLIFE:【山崎麺二郎】ミシュラン店!待ち時間は?京都で安い美味しいラーメン
安くても味は全然負けてない…山崎麺二郎へのアクセスは、最寄り駅のJR山陰本線・円町駅から徒歩3分
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
P.S. 京都で美味しいラーメンをお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄ってみてください…
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