ピパーチ。
沖縄特産の香辛料で、別名「島こしょう」。普通の胡椒と同じ辛味成分・ピペリンを含みながら、シナモンと八角を混ぜたような甘い香りが特徴的なスパイスで、沖縄そばやゴーヤチャンプルーなど沖縄料理との相性が抜群のローカルスパイスです。
その沖縄特産スパイス・ピパーチを店名に掲げたカフェレストランが、今回ご紹介するピパーチキッチン(Piparchi Kitchen)。ピパーチをはじめ沖縄県産の食材やハーブを使った料理の専門店として、主に地元民の間で人気を博しています…
ピパーチキッチン|本土では食べられない沖縄特産の食材やハーブを使った料理で、心身ともに休まる那覇のカフェレストラン
2012年12月にオープンしたピパーチキッチンは、ぱっと見どこにでもあるようなちょっと可愛らしいカフェのようなお店。でも、店内の内装は仲間内だけでリノベーションし、オーナー自らが焼いて作った陶器を食器として使い、オーナー夫人作のエプロン他布製品を店内で販売するなど、デザイナーが作った店と違って素人感というか、自然体な雰囲気をすごく感じます。
店内は奥に細長く、左手に厨房があって、カウンター席が5脚。テーブル席を含めると、全部で30人くらいのお客さんが入れるでしょうか。癒し系のゆるいBGMが流れ、沖縄らしくゆったりと時間が過ぎていきます。
ランチメニューは沖縄産の食材を使用した6種類…ディナータイムも同じ料理が楽しめます
ピパーチキッチンのランチメニューは、沖縄県産の食材をふんだんに使った全6種類。この6種類は今のところランチ限定ではなく、夜に来店しても食べられるようです。
ドリンクメニューをみると、ゴーヤを使ったドリンクやハイビスカスティーなどにまぎれて、原田マハの小説にもなって話題となった、さとうきびを原料としたラム酒「コルコル」の名前も。本土では受け入れが難しそうなランチタイムのアルコール提供も、何とも沖縄らしい感じがします。お子様用の椅子もありますし、子連れでも全然OKです。
ピパーチキッチンのランチメニュー6種類
- 県産魚のソテー 850円
- 焦がしチーズのピパーチハンバーグ 910円
- 県産豚の厚切りステーキ 970円
- やんばる鶏ハムと大麦のサラダ
- イカライス 810円
- オムライス 810円
ランチのセットドリンク(ランチに+150円)
- 沖縄セラードコーヒー(アイス or ホット)
- ハイビスカスティー(アイス or ホット)
- カルピス
- 炭酸水
ピパーチキッチンのアルコールメニュー
- オリオンビール(500ml) 580円
- ハートランドビール(500ml) 580円
- グラスワイン(白 or 赤) 480円
- シークァーサーワイン(白 or 赤) 580円
- 請福梅酒(泡盛で仕込んだ梅酒、ロック or ソーダ割) 580円
- コルコル(25度、ロック or ソーダ割) 580円
ピパーチキッチンのデザートメニュー
- タピオカ黒糖ミルクパン 280円
- 黒糖バナナケーキ(バニラアイス乗せ) 330円
- 大人のティラミス(南大東島のラム酒・コルコル入り) 330円
- 本日のチーズケーキ 330円
これらのメニューの中から、僕が注文したのはピパーチキッチンのおすすめメニュー・焦がしチーズのピパーチハンバーグ。食後にホットコーヒーをつけてもらうことにしました。これでお値段 1060円(税別)。
注文を終えてからしばしの待ち時間。仲間同士でおしゃべりもいいですが、1人でぼんやりするのも沖縄ならではの楽しみ方。空想にふけったり、文庫本を持ち込んで読書なんかには最適です。一方で、本土のみんながスタバでやっているような…
Macを持ち込んでの仕事アピールは絶対に場の雰囲気に合わない
のでご注意を。
その待ち時間の間、僕は机に備えつけのこの調味料が気になって、何度か手に取って口に入れてみました…
粗挽きで形も大きさも不揃いの粉末状ピパーチ。においを嗅いでみると、苦手な人も多い中華食材・八角の香りはしませんでしたが、どことなく酸っぱい匂いがします。口に入れるとピリリと辛く、例えるならば七味唐辛子のようなスパイス。確かに沖縄そばの薬味には絶好かもしれません。
焦がしチーズのピパーチハンバーグ:見た目も華やかで心身満たされる、ピパーチキッチンのおすすめメニュー
さて、注文して15分くらい経ったでしょうか。焦がしチーズのピパーチハンバーグが目の前に運ばれてきました…
ハンバーグと同じプレートに、島野菜を使ったおかずが4品。これに分づきごはん(大盛り無料)、エノキのスープがセットでつきます。
早速、ハンバーグを実食…口に入れた瞬間、ピパーチ独特の風味をほんのり舌の上で感じます。でも、チーズやトマトケチャップで辛味は抑えられて、それ以上の刺激はありません。
それよりも、その後に押し寄せてくる肉の旨味がものすごいです。ピパーチが旨味を増幅している?と思うくらい、ピパーチの風味に少し遅れてど〜っと一気に押し寄せてきます。断面からは肉汁がじわじわ湧き出てきますし、口の中で噛むごとに広がる肉の味が半端じゃありません。焼き上がりは比較的ふわっとした感じなのですが、肉の味のインパクトが強いため食べ応えもしっかりあるハンバーグです。
そして、ハンバーグを取り囲む野菜もたっぷりで、とっても健康的。生野菜サラダにもずくの味噌和え、島豆腐のそぼろ、ビーツの輪切り、にんじん、ピクルスなどなど…見た目が華やかなだけでなく、身体が欲する栄養満点のランチ。心も身体も満たされます。これで、那覇に来たときの楽しみが1つ増えました。
完食してまったりしたところで、食後の沖縄セラードコーヒー…
まず、この手作り感満点のカップとソーサーが印象的です。飲み口が分厚く不均一な黄土色のカップに、マグカップのように持てる妙に大きな取手がついています。これもオーナー自ら焼き上げたカップなのでしょうね。沖縄ののんびりした雰囲気には、こういうのがすごく合っています。
ほんのり苦味があって、クリーミーな一杯をじっくり楽しんでお店を退出。帰りの飛行機に余裕があれば、もっとゆっくりしていたい居心地良いお店でした。
イカライス:沖縄の新B級グルメを目指して開発されたメニューは、見た目に反してエスニックな味
ピパーチキッチンのランチメニューから、もう1品ご紹介しましょう。その名もタコライスならぬイカライス(エノキとアーサの味噌汁付き、お値段 810円)。でも、イカライスという名前に反して、この料理にイカは一切入っていません。沖縄を代表するB級グルメの1つであるタコライスに対抗して、新たな沖縄名物を目指して開発されたメニューとして「イカ」の名前がつけられたそうなんです…
ランチのセットドリンクとして、アイスハイビスカスティーを一緒にオーダー。先に出てきたハイビスカスティーを飲みながら待っていると、大きな器でイカライスが運ばれてきました…
このように、こんもりと盛られたレタスの中央に、沖縄県産の鶏むね肉のミンチとチーズが載っています。このむね肉の下にライスが隠れていて器の端っこにのっている調味料(ひよこ豆のマヨネーズと玉ねぎのピクルス)と一緒に全体を混ぜていただきます…
見た目にもヘルシーで、さっぱり優しそうな味をイメージしがちなイカライス…実は食べてみると、結構スパイシーです。昔中央アジアを旅した時に食べたような、エスニックな辛さ。なんでも、鶏むね肉のミンチをグリーンカレー風に味付けしているようなのです。
しかし、ただ辛いだけではありません。細かく刻まれたチーズと砕いたナッツがミンチの辛さをマイルドにしつつ、味にまろやかさとコクを与えます。加えて、付け合わせのレモンを絞って酸味を加えると、イカライス全体が爽やかで、かつ奥行きのある味に…
うんうん、このイカライス、確かに面白いです。あとは街の至る所でイカライスを食べられるようになれば、沖縄の新しいB級グルメの誕生!と言えるのではないでしょうか。
那覇空港からレンタカーでやって来ても大丈夫!ピパーチキッチンへのアクセスは、最寄り駅のゆいレール・旭橋駅から徒歩10分
最後に、那覇空港からレンタカーでお店に来る場合の駐車場について説明しましょう。ピパーチキッチンには専用駐車場はありませんが、そばにあるジスタスというフィットネスクラブの立体駐車場を利用できます。
駐車チケットを持参すれば、90分間無料で駐車できるようです。駐車場の入り口など詳しい情報は、上の画像をご参照ください。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
旭橋駅のお隣、県庁前駅からも徒歩15分。那覇市で有名なパワースポット・波の上宮からも徒歩10分程度と近いみたいです。波の上宮へのお参りの後にランチで立ち寄るのもありですね。
P.S. ピパーチキッチンの側には、那覇で大人気のステーキショップが…
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