沖縄県民にとって、ステーキは僕たちとはちょっと違った立ち位置の食べ物です。アメリカ統治時代に営業していた飲食店の中で、アメリカ文化を取り入れた店がステーキを提供。本土と比較して輸入牛肉に対する関税が低かったこともあり、リーズナブルなステーキが沖縄県民に広まったとされています。
そんな沖縄県で、ステーキと言えば真っ先に名前が上がってくるお店。ジャッキーステーキハウスとは、戦後間もない1953年創業の老舗ステーキハウスです…
ジャッキーステーキハウス|那覇でNo.1のステーキハウス…回転の早さとソースのバリエーションが人気の秘訣
ジャッキーステーキハウスは昭和28年に、米軍基地のある嘉手納にオープン。その後昭和36年に那覇市に移転してきた歴史があります。「A サイン」と呼ばれるアメリカのレストラン基準を満たした認定証を、沖縄のステーキハウスで最初に獲得。現在も沖縄人の間でNo.1の人気を誇り、特に週末のランチタイムやディナータイムには並ばないことで有名な沖縄人で長蛇の行列ができてしまいます。
実際、僕がジャッキーステーキハウスを訪れたのが、ある土曜日の14時頃。大阪から2時間半の空の旅を経て店の前に到着した時には、もうランチタイムが終了に差し掛かっているにもかかわらず、まだ20人弱くらいのお客さんが入店待ちをしていました…
そして店頭には、こんな信号機を真似たランプが掲げられています。これもジャッキーステーキハウスの名物の1つ。青が「空席あり」、黄色が「やがて空席」、赤は「只今満席」と、お店の混雑状況が一目でわかります。比較的空いている時間は、やはり平日のランチを過ぎた時間帯でしょうか。混雑時間で赤ランプがついていたら近くのステーキハウス88に流れる…そんな心の準備をしておくのもありかもしれません。
店内のウェイティングリストに名前を書いてから、待ち時間20分ほどで席に案内されました。食べログやフードブログにもあるように、確かにお客さんの回転は早いです。
店内はどことなく古き良きアメリカをイメージさせる雰囲気。4〜6人掛けのテーブル席でぎっしりしていて、客席は全部で80人分くらいの席があるでしょうか。お一人様から赤ちゃん・子連れの家族客まで、雑多なお客さんでワイワイがやがや賑わっています。
3種類のステーキ以外にもランチセット、タコス、フライライス、ヤキソバ、スキヤキ…多国籍で豊富なメニューはテイクアウトもOK
そんなジャッキーさんのメニューですが…まずは下の画像をご覧ください。
ステーキハウスなのでステーキがあるのは当然として、ポークチャップ、カツレツ、タコス、スパゲッティー、ヤキソバ、フライドライス…まさに多国籍メニューです。スキヤキっていうのもありますね。
これらがメニューに組み込まれた背景や、実際どんな料理が出てくるのか、非常に興味深いところです。ステーキも含めて同料金でテイクアウトができるので、特に近くにホテルを借りている場合などで利用価値が高そうですね。
ジャッキーステーキハウスのメニュー例(お持ち帰り可、税込)
- テンダーロインステーキ(ヒレ):S 2200円、M 2500円、L 2800円
- ニューヨークステーキ(ロース):S 1800円、L 2000円
- ハンバーガーステーキ:S 850円、L 1000円
- Aランチ:1150円
- Bランチ:900円
- Cランチ:500円
- タコス:700円
- チャップステーキ:1300円
- ヤキソバ:700円
- スキヤキ:800円
- フライライス:700円
- 味噌汁:450円
- ステーキサンド:900円
- ハムエッグ:650円
テンダーロインステーキ:豊富な調味料で自分好みの味が楽しめる、ジャッキーステーキハウスの最上級メニュー
何はともあれ、最初は無難にステーキといきましょう。僕が注文したのはテンダーロインステーキのLサイズ。焼き加減は…
レア >> ミディアムレア >> ミディアム >> ミディアムウェル >> ウェルダン
の5段階。ただジャッキーさんのレアは一般的なステーキハウスのレアとは違って、なんと片面焼きだそうです。普通のレアを頼みたい人は、ミディアムレアがちょうどいいでしょうか。
まあ、僕の場合は新し物好きでもあるし、店員さんの心配の声をよそにレアで注文しました。オーストラリア産チルドビーフ肉のヒレ肉が250グラム。この量のヒレ肉がライス、スープ、サラダ付きで2800円ですから、コストパフォーマンス的にもお得感はあります。
注文を終えてからほんの数分、まずはコールスローサラダとスープが運ばれてきました。お客さん他にも大勢いるのに、料理が出てくるの早いです。
これらの前菜…サラダは普通のサラダですが、ジャッキーステーキハウスのスープはかなり特徴があって…
お店の人いわく、豚骨をベースにしたミルクスープだそうです。ネットでも賛否両論のスープ。一体どんな味がするのでしょうか?
真っ白で中が見えないスープに、にんじんとマッシュルームが浮かんでいます。スプーンにすくって口に運ぶと…これといって味がしません。舌の上でとろみは感じられますが、それ以外に伝わってくるものがないのです。
正直、昔文房具屋で売っていたヤマトのりを思い出して「えっ、糊?」と思ってしまったのですが、後から豚骨味が追いかけてきました。一応スープとしては成立しますかね。でも、意見が分かれるのもよくわかります。
そのスープを半分ほど飲み進めたところで、メインのテンダーロインステーキが運ばれてきました。注文を終えて10分も経っていません。このスピード感、半端ないです。
確かにレアで注文すると肉は片面焼きです。だから出てくるのが早いのか?鉄板に肉をのせて火にかけて、ジューッと音がしたらすぐに提供…みたいな感じかな。そりゃ早いはずだわ…
何はともあれ、片面焼きのステーキは僕も初体験。どんな味がするのでしょうね。もしこれを知らずにレアを頼んで、後で「こんなはずじゃなかった…」と思ったら、すぐに肉を裏返せば鉄板の余熱でミディアムレアくらいまでは熱が通ります。
ナイフを入れて、断面を見てみるとこんな感じ…
確かに片面焼きですが、肉の厚みがそれほどないので、分厚いレアステーキをそのまま半分の薄さにしたと考えればこんなものかな…と思います。
では、実食…といく前に、ジャッキーさんがおすすめする食べ方をご紹介します。
僕もこの順番にならってステーキを食べ進めることにします。まずはそのまま、塩胡椒もなしで。鉄板と反対側の表面は生焼けに見えますが、肉が薄めにカットされているので、熱は届いていて温かいです。生焼けの心配はありませんが、分厚いステーキ肉をガッツリ…という楽しみ方はできません。
味は、本当に生肉そのもの…というか、赤身肉の鉄分の味そのままです。ここに塩胡椒をすれば、本来のヒレステーキの味…という感じですね。
続いて肉にソースをかけて食べてみます。ジャッキーさんではこのようにソース類も多数揃えているので、自分好みの味にステーキをアレンジしやすい、というところも選ばれるポイントのような気がします。
ただ、ジャッキーステーキハウスのソースもネットでは賛否両論。その理由は、このNo.1ソース。ハマる人にはハマる一方、これが苦手な人からはジャッキーさんのステーキは美味しくない、まずい…とネットで言われるほど罪造りなソースです。
実際ソースをつけて食べてみましたが、ケチャップが味の70%といったところでしょうか。その他ほんのり果実っぽいところがあったり、ちょびっとスパイシーな部分もあったり。好みというほどではありませんが、僕はこのソース全然OKでした。
そして最後に、店員さんに持ってきてもらったガーリックパウダーとおろしニンニク…
ニンニクを使うときには、食べた後のことも考えなければなりません。頭の中ではわかっているのですが、やっぱりニンニクの魔力は恐ろしい…おろしニンニク、どハマりです。数ある味変アイテムの中で、これが一番ジャッキーさんのステーキに合っているような気がします。
というわけで、残りの肉はすべておろしニンニクをたっぷりかけて、ペロリと完食。帰りの飛行機で隣に座る人、ごめんなさい!お店の滞在時間は待ち時間含めて35分くらいでしょうか。想定していたより早く食事を終えることができました。
国際通りにも近く沖縄観光中の食事におすすめ…ジャッキーステーキハウスへのアクセスは、最寄り駅のゆいレール・旭橋駅より徒歩6分
そんなジャッキーステーキハウスですが、お店があるのは那覇市の交通の中心地・旭橋駅から徒歩6分。ジャッキーステーキハウスから国際通りまで車で10分弱の距離ですし、ジャッキーステーキハウスまで歩いてもそんなに遠くありません。夜遅くまで営業しているので、沖縄観光中の食事に一度利用してみるのをおすすめします。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
P.S. ジャッキーステーキハウスの近くには、那覇で絶大な人気を誇るもう一店舗のステーキハウスが…
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