糸仙|京都の花街・上七軒の京中華…味も接客も上品で予約殺到の広東料理店

By 大堀 僚介

舞妓さんが集まる京都五花街の中でも、祇園を超えて最も古い歴史をもつ上七軒。ここにも京中華を体現する中華料理屋があります。今出川通から細い路地へ入り、古い町屋の間を糸を縫うように進んでいくと、何とも雰囲気のある提灯がかかったお店を見つけることができるでしょう…

広東料理 糸仙|京都の花街・上七軒の京中華…予約で一杯だが一見さんにも親切

糸仙の青いのれんをくぐると、店内は昔ながらのこじんまりした小料理屋のような雰囲気がありました。厨房に沿ってカウンター席が6脚、その後ろに小上がりの座敷席が2卓。2階にも客席があるようですが、店のスペース自体が小さいので一度に多くのお客さんを受け入れるのは難しそうです。

そんなお店なので、ほとんどのお客さんは事前に予約をして来店しているようです。僕はこの日、予約の電話をせず直接お店に入りましたが、入り口で対応してくれたバイト店員さんの手持ちのメモには予約リストがズラリ…僕のようにお一人様ならカウンター席の空きに潜り込めるかもしれませんが、基本的には事前の予約を強くおすすめします。

立地と雰囲気に気圧されそうですが、広東料理 糸仙のメニューは意外とリーズナブル…安心して食べたいだけ注文できます

カウンターの一席に座りメニューを眺めます。広東料理 糸仙には場所柄お値段高めのイメージがありますが、実はどれもいたってリーズナブル。追加で消費税10%発生しますが、すべての一品料理が1000円以下で食べられます。心魅かれる料理名がズラリと並ぶ中、最終的に春巻、酢豚、小海老のチリソースの3品に絞り、ご飯をつけてもらうことにしました。

広東料理 糸仙のメニュー例

  • やきぶた  650円
  • フカヒレのスープ  950円
  • カニの玉子焼  650円
  • かしわの唐揚げ  800円
  • ピーマンと牛肉の炒め  850円
  • 麻婆豆腐  800円
  • あんかけ焼きそば  700円
  • やきめし  500円

春巻:数々の口コミでおすすめメニューに挙げられた一品は、芸者さんの口に合わせてこの上なく上品

注文してから5分ほどでしょうか。最初に目の前に運ばれたのは、数々の口コミでおすすめメニューとなっている、この春巻でした…

糸仙の春巻き

画像では伝わりにくいかもしれませんが…親指くらいの太さの春巻きが2本、それぞれが小さく4つに切り分けられています。量としてはかなり小ぶりで、男性客にとっては物足りない量だと思いますが、これは芸者さんが大きな口を開けなくても食べられるように心配りされたもの。

糸仙の春巻き実食

京都中華ハマムラと同じような、卵の皮でタケノコを巻いて揚げた京中華の春巻き。しかし、京都中華ハマムラの春巻きは焦げ目がつくまでしっかり揚がっているのに対して、糸仙の春巻きは皮が柔らかく繊細な印象があります。

中に詰まったタケノコも非常に細く千切りされていて、シャキシャキ感を残しつつ上品な味に仕上がっています。これほどほっそりとしていて女性的な春巻きを、僕は他に知りません。

酢豚:サイコロ大の豚もも肉にかかった黄金のタレ…余計なものを徹底的に排したシンプルで美しい一皿

続いて運ばれたのが、こちらの酢豚。これほど美しい酢豚も、僕は今まで経験がありません…

糸仙の酢豚

サイコロ大の豚もも肉を油で挙げて、蜂蜜のような色をした特製のタレを惜しげもなくかけて、仕上げにパイナップル2切れをトッピング。これで完成形。ピーマンも玉ねぎも人参も入っていません。でも、だからこそ黄金色のタレに包まれた豚肉が映えて、引き算の美学とでも言うべき美しさが感じられます。

糸仙の酢豚実食

豚肉はこれまた芸者さんに合わせて小さくカットされてあるので食べやすく、脂身のない肉なので後でもたれることがありません。そして、このタレ…とろっとしていて、まったり甘くて、程よく酸っぱい。それ以外の雑味がまったく感じられない透明感あふれるタレ。本当に蜂蜜が入っているかのような錯覚さえ起こしかねない黄金のタレは白ご飯とも相性が良く、大盛りのご飯があっという間に空になってしまいました…

小海老のチリソース:刺激の強い京中華らしからぬメニューも、糸仙が作ると香りと辛さは控えめの上品な一皿に

というわけで、この小海老のチリソースが運ばれてきたと同時にライス大盛りをおかわりしました。下の画像に示すように、これまでの2品とは違って、わりと一般的なエビチリと同じビジュアルをしています…

糸仙の小海老のチリソース

でも食べてみると、やっぱり辛さや香りはかなり抑えられています。舌先に軽くピリピリ辛味を感じる程度で、食べ進めても累積で舌が麻痺したりしません。それでいて、エビチリの味は本格的なのですから、よく研究されているな…と思います。辛いものが好きな人には物足りないかもしれませんが、京中華を体現する糸仙が作ったと考えれば「さすが…」という感じです。

糸仙の小海老のチリソース実食

女将さんの気遣いがありがたい…カウンターから聞こえる京言葉も糸仙の名物の1つ

もう1つ、糸仙の名物とも言える女将さんの京言葉。予約の電話への対応から注文取り、配膳、会計に至るまで、快活な声で周りにいる人を明るい気持ちにさせてくれます。ともすると京都外の人にとっては嫌味に聞こえかねない京言葉ですが、そんな印象は微塵も感じられません。

お客さん1人1人への気遣いも感じられますし、会計が終わった後は店頭までお見送りもしてくれました。一見さんでも 優しく迎えてくれて、美味しい食事をいただけて、最後まで丁寧に送り出してくれる…そんなお店なので、あなたももし気になったらお気軽に電話してみてはいかがでしょうか。

コース料理やお持ち帰りにも対応…糸仙へのアクセスは、最寄り駅の京福電鉄・北野白梅町駅から徒歩10分

広東料理 糸仙では、単品での注文だけでなくおまかせのコースにも対応しています(3500〜5000円+税)。小グループでの宴会などで重宝しそうですね。また、お持ち帰りの注文もできるようなので、お近くにお住まいの場合はテイクアウトして自宅でいただくのもありですね。

それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…

糸仙

広東料理 糸仙(食べログのサイトにつながります)[star rate=”5.0″]
住所:京都府京都市上京区真盛町729-16
電話番号:075-463-8172
営業時間:17:30-20:30 LO(ランチ営業なし)
定休日:火曜日、第3水曜日
駐車場:なし(近隣のコインパーキングを利用)
クレジットカード払い:不可(現金払いのみ)

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大堀 僚介

学生時代からバックパッカーとして、主に東南アジア諸国を歩きまわる。これまでの訪問国数は20カ国以上。現在も出張を口実に国内外へ旅行して、ローカルフードを食べ歩くのを趣味としている。

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