橿原に鮮魚が旨いと評判の店があると聞き、奈良で仕事が入った日に合わせて1週間前に予約の電話をします。そのお店の名は「美食酒房 如意(にょい)」。電話越しにすでに予約客で一杯といった雰囲気が伝わってきますが…
ちょっと狭いですが、カウンター席が1人分空いてましたんで…
by 店員さん
と、店員さんから気持ちの良いお返事が。きっと満席のところを1人分空けてくれたんだろうな…と、行く前から感謝の気持ちで一杯になりました…
美食酒房 如意|奈良で魚を食べるならここ!橿原にある居酒屋の名店は料理だけでなく気配りも最高級
1週間後…予定通りに仕事を終えて、Googleマップで「美食酒房 如意」を目的地に設定して、足取り軽く近鉄線に乗り込みます。そして、あまりに意気込みすぎて、店に着いたのが予約の30分前…う〜ん、気合い入れすぎたな。さすがに早すぎるし、どこかで時間潰そうと歩き始めようとしたところ、中から店員さんが出てきてくれたのです。事情を話すと、一度店内を確認して「大丈夫ですよ!」って…こんな対応、よほど周りに気を配っていないとできませんよね。
店内の様子ですが…本当に普通の居酒屋という感じです。右手奥の調理場を囲むようにL字型のカウンター席が10脚ほど。入って左手には小上がりの座敷席が3卓。全部で20数人分の客席は、夕方6時前なのにすでに満席状態でした。
僕はL字型カウンター席の、ちょうど角の部分に案内されました。目の前の鮮魚のショーケースの上にはオレンジ色の巨大な岩?が…岩塩でしょうか。岩塩を使った料理、どんな味になるのか興味津々です。
美食酒房 如意の誇る豪華お造り…海のない奈良県で食べる高級魚の刺身はどれをとっても鮮度抜群
では注文…鮮魚が美味いと評判の店なので、やはり刺身は外せません。美食酒房 如意ではお造りの盛り合わせを5種類用意してあって、どのメニューにも高級魚の名前が入っていてかなり心踊らされます。今回お得度に負けて七種盛り(お値段2100円)をオーダーしましたが、後になって一番豪華な「極ウマ五種盛り」にすべきだったと、ちょっと後悔…
とは言え、七種盛りが決して味に劣るわけではありません。キングサーモンに新サンマ、真鯛の昆布〆、活カンパチ、戻りガツオ、甘エビ、明石の湯だこというラインアップの刺身は、どれも色がツヤツヤしていて、箸でつかむのが困難なほど身が大きいのです…
早速、左奥のキングサーモンから実食…脂がしっかりのっていながら臭みが全く感じられず、とろサーモンの名に違わず口の中でとろ〜っととろけていきます。他の刺身も鮮度が高く、海のない奈良でこのような魚を揃えるお店の強い熱意を感じます。普通の居酒屋と比べると値段はちょっと高めですが、こんな刺身を独り占めできるのですから、贅沢以外の何物でもありません。
牡蠣に白エビにあおさ海苔…酒飲みならきっとハマる店員さんのおすすめメニュー3品
刺身をすべて平らげたところで次の注文。もちろん、刺身だけで終わらせるつもりは毛頭ありませんが、メニューを見て一気に思考停止状態に陥ってしまいました。下の画像でおわかりのように、ものすごい種類のメニューがあるのです…
A3大の紙を2つ折りにして、その両側に小さな字でびっしりと書かれた各種メニュー(実は、これ以外にもまだまだあります)。片面だけでも十分すぎるくらい豊富で、この中から何を頼めばいいのか全くわかりません。というわけで、店員さんに教えてもらったおすすめの品の中から、僕の好みで3品注文しました。
まずは北海道の仙鳳趾という場所で採れた牡蠣をつかったかき酢(お値段960円)。仙鳳趾とはどこぞや?とググってみると、釧路から海沿いに東へ行ったところ、牡蠣の名所・厚岸の近くみたいですね。
この箸でつまんだ牡蠣の大きさ…ずっしりと重い感触が右手に伝わってきます。画像で伝わりますか?こんな大粒の牡蠣が2つ。歯を入れると牡蠣の中からジュワーっと牡蠣のミルクがあふれ出てきます。このミルクに程よい酸味のポン酢ともみじおろしのピリ辛が合わさって…う〜ん、飲み助にはたまりませんな。
つづく2品目は、白エビの素揚げ(お値段700円)。ご覧のように、ビールを片手につまむにはもってこいのおつまみです…
お皿からふわ〜っと立ち込める海老の香り…一つつまんで口に運ぶと、歯が海老の殻を突き破ったプチッという音を合図に、一気にエビの風味が口から鼻へ広がります。ほんのり塩味も効いていて(例の岩塩でしょうか?)、エビの出汁と相まって箸をどんどん引きつける、悪魔級の魅力をもった一品です。
そして3品目の、あおさ海苔の出汁巻(お値段500円)。店員さんに教えてもらって、「あっ、なるほど〜」と思いました。あおさを混ぜた出汁巻を他店でお目にかかった記憶はありませんが、味噌汁の具材として使うあおさ海苔ですから、出汁巻と合わないわけがありません…
当初の想像通り、口に入れると鰹だしの風味とあおさ海苔の風味が混然となって嗅覚を刺激します。本当に想像通りの味です。ここに醤油をかけた大根おろしをのせて…自宅でも試してみたくなりますね、これ。
クエの濃厚雑炊:プリプリのクエの身がたっぷり入った、濃厚かつボリューミーな〆の一品
ここまで食べて、いい感じにお腹がふくれてきました。というわけで、そろそろ〆の一品を…これは最初にメニューを見たときから決めていました。クエの濃厚雑炊(お値段1250円)。めったに口にすることのない高級魚クエを具材にした贅沢な雑炊…海鮮尽くしの夜の〆にはバッチリな一品です。その雑炊ですが…
画像では伝わりにくいと思いますが、女性なら2〜3人でシェアしてもいいくらいの量があります。このボリュームはちょっと嬉しい想定外。鍋から立ち込める湯気と半熟状態のとろとろ卵に食欲をそそられ、おたまで鍋の中の雑炊をすくいにかかります…
おたまにクエの身がすくわれているのがわかりますか?申し訳程度のクエではなく、どこをすくっても身がついてくるほどクエがたっぷり入っているんです。白身魚の淡白さと脂の旨さ、プリプリとした食感をあわせ持ったクエの身が食感のアクセントとしても働き、これまた濃厚な出汁とともに口の中で圧倒的な存在感を発揮しています。
雑炊を次々と小椀に移して、卵の上に刻み海苔を散らして、口の中へ一気にかきこみあっという間に完食。大満足でお店を後にしました。このお店、家の近くにあったら最低週一で通うレベルです。閉店時間までゆっくり飲んで食べて…こんな店がある橿原市民がうらやましい…
海のない奈良県でこれだけの魚は食べられません!美食酒房 如意へのアクセスは、最寄り駅の近鉄大阪線・大和八木駅から徒歩3分
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
P.S. 奈良県で美味しい和食をお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
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