京都の高瀬川沿いに、築100年の京町家を利用したイカリヤ食堂というフレンチ・ビストロがあります。オープンな川床席で鴨川の流れをゆったり眺めながら、美味しいワインや食事をリーズナブルに楽しめるお店として、連日予約が殺到する人気店なのですが…
イカリヤ食堂|開放感あふれる川床席で優雅なランチを…築100年の京町家を利用した河原町のフレンチ・ビストロ
そのイカリヤ食堂を訪れたのは、京都で緊急事態宣言が解除された直後のある土曜日。門から細い路地を進んだ所に入口があって、京町家をリノベーションしてシックな内装になった店内に入ります。
店内には厨房と4人がけのテーブル席が3卓。その奥には鴨川に面した川床席があって、この開放感あふれるスペースに20人分くらいの座席があります。この他、2階にも鴨川を眺望できる客席が22席あるようで、わりと多くの人数を収容できますが、雨の日は川床席が使えなくなるので入店へのハードルは高くなります。
5月末までの期間限定ランチ「2020年初夏限定ランチ」…今しか食べられないパスタとメインがセットの欲張りメニュー
この日のランチメニューは、緊急事態宣言の影響もあってか「2020年初夏限定ランチ(お値段 税込2600円)」の1つのみ。通常イカリヤ食堂では2000円前後のランチメニューを2種類用意していますが、それと比べてちょっとお高めの値段設定です。
でも、その分パスタとメイン料理を一緒に楽しめる内容なので、僕としてはこっちの方が嬉しいかな…ちなみに通常時のランチメニューはこんな感じ。
イカリヤ食堂の通常ランチメニュー(値段は税込)
- 選べるイカリヤパスタランチ 1950円
- 選べるイカリヤメインランチ 2100円
それでは、この日の「2020年初夏限定ランチ」の全メニューを画像つきでご紹介しましょう…
前菜:アオリイカと古代もち米、緑豆のサラダ
もちもちの古代米とインゲン、緑豆を薄切りのアオリイカの身で巻いていただきます。下に敷かれた緑色のソースはえんどう豆のピューレ。素材そのものの味とアオリイカのツルッとした食感、もち米のもちもち感、そしてソースのまったり感を同時に楽しめます。
バゲットとフランス産発酵バター「エシレ」
前菜のサラダを食べ終えた頃に、熱々のバゲット1切れと発酵バターが運ばれてきました。発酵バターはねっとりとした半液体状でバゲットに塗りやすく、程よい塩分と濃厚な脂肪分で美味でした。
パスタ:バヴェッティーニ 真あじとクレソン、フレッシュトマトのソース
トマトソースのパスタの上に真あじの切り身、周りをクレソンで彩ったカラフルな一皿。トマトの酸味に真あじの骨からとった出汁、そしてクレソンの苦味がバランスよく合わさって、大人好みの引き締まった味を作り出しています。
パスタの上にトッピングされた真あじの切り身は、皮目だけをこんがり焼いた半生状態。皮の香ばしさと身の柔らかさを同時に楽しめる上、骨を砕いて炒った香ばしいパウダーが全体に振りかけられていて、真あじを文字通り骨まで食べ尽くす一皿になっています。
メイン:鴨ロースのコンフィ ライムのヴィガラードソース
この日のメインは鴨ロースのコンフィ。Wikipediaによるとコンフィとは「食材の風味を良くしながら保存性を上げることができる物質に浸して調理した食品の総称」とのことで、日本でいう漬け料理に相当するものでしょうか。鴨肉のコンフィの場合、塩、ニンニク、タイムなどの香草をあらかじめ刷り込んでおくのだそうな…
その鴨ロースですが、前の真あじと同じく皮目だけがこんがり焼かれていて香ばしく、中の肉はミディアムレア状態で非常に食べやすい一方で、鴨肉特有の臭いがありません。塩加減も絶妙で、ソースなしでも全然いけてしまいます。
その鴨肉に合わせるソースは、ビネガーをベースにしたヴィガラードソースにライムを加えたもの。嫌味のない酸味とライムの風味で爽やかな味付けになっていて、鴨肉の重厚さを保ちながら口の中にスッキリとした後味を残してくれます。
食後のドリンク
最後に自家焙煎のブレンドコーヒーまたはフレーバーティー(アイス or ホット)がついてコース終了。別料金で各種デザートもつけられます。
こんなイカリヤ食堂のランチメニュー…ガッツリ昼食を摂りたい男性の方にとっては、ボリューム的にあまりおすすめできません。でも、川床席を事前予約しておいて、パートナーと2人でワインを開けながらゆっくり食事…なんて場合には最高のロケーションだと思います。
夜も大人気のイカリヤ食堂…名物のココットスフレフロマージュを食べたければ早い時間の予約が必須
そんなイカリヤ食堂、端から見ていると新型コロナの影響も無関係かのようにいつもお客さんで一杯。予約なしでお店に飛び込もうとしても、撃沈される可能性が非常に高いのでご注意を。
とは言え、閉店時間に近い夜の9時以降なら飛び込みで入店できる可能性がなきにしもあらず。特に僕のようなお一人様ならチャレンジしてみる価値はあるんじゃないでしょうか。
さて、イカリヤ食堂の夜メニューには、名物ともいえる超人気メニューが2つあります。その2つとは、ココットスフレフロマージュと丸鶏のコンフィ。特にココットスフレフロマージュの人気は高く、僕の訪店時も当然のように売り切れていました。もしこの超人気メニューを食べたければ、夜早めの時間の予約が必須です。
それでは、この日の僕のオーダーを順にご紹介しましょう…
前菜:鮮魚のカルパッチョと柑橘のガスパチョ
まずは前菜から、鮮魚のカルパッチョと柑橘のガスパチョ(お値段 1180円)を選択。野菜のエキスが凝縮したガスパチョの中から、ハマチの切り身が島状に迫り上がっています。
柑橘系の爽やかな酸味も効いて、夏の暑い日には絶好の前菜です。ほんのちょびっとだけ辛味が効いていて、続いて出てくる料理に向けての食欲も刺激されます。
このタイミングで、ランチタイムと同じようにバゲットとバターが運ばれてきます。ディナータイムではバゲットはオプション(お値段 500円)のようで、いらない時には断ることもできるのでご安心を。
パスタ:本日の冷製パスタ
2品目のパスタは本日の冷製パスタ(お値段 1480円)を選択。フレッシュトマト風味のソースにマダコとたっぷりのバジルでいただきます。
バジルの爽やかな香りに加えて、絶妙なバランスのトマトの酸味と塩加減。パスタも細麺ながらしっかりコシがあり、夏バテ気味の胃袋でもスイスイいけてしまいます。
メイン:丸鶏のコンフィ
そしてメインはイカリヤ食堂の名物料理の1つ、丸鶏のコンフィ(ハーフサイズ、お値段 1280円)。もも肉とむね肉が1切れずつドン!とお皿に乗って、オレンジ色のソースが2つの肉塊をつなぐかのように隙間を埋めています。
相変わらず皮目がパリッと焼かれていて、口の中で心地よい感触を楽しめます。もも肉はそのままでもジューシーですし、むね肉も肉の旨味が凝縮した濃厚ソースでしっとりといただけます。
以上の3品(+バゲット)でチェックアウト。フレンチですが京町家風で雰囲気が落ち着いていますし、お客さんも大人の方が多いので、僕のように一人フレンチでも全然周りから浮いた感じがなく気持ちよく食事できますよ。
期間限定・川床席もあり…イカリヤ食堂へのアクセスは、最寄り駅の阪急京都線・京都河原町駅から徒歩3分
1つ言い忘れましたが、今回ちょっとだけご紹介したイカリヤ食堂の川床席、毎年5月1日から9月30日までの期間限定(昼の部は5月、6月、9月のみ)になっています。さすがに日差しの厳しい真夏の昼や、極寒の冬の夜の利用は厳しいようです。詳しくは予約の時にスタッフにお尋ねください。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
P.S. 京都で美味しいフレンチをお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
P.P.S. ディナーであれば、イカリヤ食堂の近くにこんな雰囲気の良いお店がありますよ…
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