山元麺蔵や岡北とうどんの名店が揃う岡崎道ですが、ちょっと離れたところには行列のできる洋食店も存在します。グリル小宝は1961年に創業した老舗洋食屋で、名物のオムライスが口コミでも高評価のようです…
グリル小宝|名物オムライスでランチタイムに行列をつくる京都の老舗洋食屋
グリル小宝は、地図上山元麺蔵や岡北のあるエリアから1ブロック北に歩いた右側にあります。二条から丸太町という短い距離に複数の行列店をもつ岡崎道…ここは全国的に見てもかなり希なグルメスポットではないかと思うのですが、幸いグリル小宝は他の2店と違って、ランチタイムの行列を外せば、並ぶことなく比較的スムーズに入りやすい感じがします。
店内の中央に大きなテーブルがあり、それを囲むようにして壁際に2〜4人掛けのテーブル席が合計8卓あります。収容人数は30人くらいいけそうでしょうか。テーブル間のスペースが十分に取られているので、窮屈な思いをすることはありません。
お子様ランチが1350円…ちょっと高級路線のグリル小宝、人気の秘訣は約3週間かけてつくる特製ドビソースにあり
席に着いてメニューを眺めると、ほとんどの料理が一品1000円を軽く超える値段設定。中でも、お子様ランチが1350円というのには「高いなぁ〜…」と正直ちょっと驚きました。
グリル小宝のメニュー例(値段は税込)
- エビライス 1200円
- ハムライス 1050円
- 野菜ライス 940円
- 焼き飯 1050円
- カキフライ(冬季限定) 1880円
- カツサンド 2500円
- チキンジクセル 2290円
- フィッシュフライ 1420円
- マカロニグラタン 2500円
- 海老ジクセル 2700円
とは言え、それでもお客さんが多くやって来るのには、何か理由があるはずです。おそらくその理由の1つは、約3週間かけてつくるグリル小宝特製のドビソースにあるのではないでしょうか。
作り方はお店のwebサイトに公開されているので、興味があれば記事最後のリンクをクリックしてください。ブイヨンに牛すじ、玉ねぎ、にんじんを入れてじっくり弱火で煮込み、途中でトマトケチャップとスパニアを投入。ドビソース完成までの過程が1日ごとに画像つきでご覧いただけます。
このドビソースが、今回注文するオムライスにもきちんと使用されています。どんな味がするのでしょうか?興味津々です…
オムライス:酸味が控えめのケチャップライスにからむ濃厚なドビソース…グリル小宝のおすすめメニューはちょっとビターな大人の味
それでは、グリル小宝のおすすめメニューである、オムライスをご紹介しましょう。おむらはうすの創作系オムライスとは違い、グリル小宝のオムライスは昔ながらの正統派オムライスです。サイズが小・中・大の3種類から選べて、お店の人によると小が400g、中が700g、大盛りが1200gくらいのボリュームがあるようです。
1200gくらいなら楽勝♪と、迷うことなくオムライスの大(お値段 1570円)をオーダー(食べ切れなくてもテイクアウトOKらしいです)。注文してから比較的すぐに運ばれてきました。そのスピード感に、ちょっと驚きです…
オムライスの大きさ、この画像で伝わりますか?背後のコップやスプーンの大きさで想像してみてください。端っこが白いお皿からはみ出るくらいの巨大なオムライス。10cmを超えようか…というほどの高さもあり、その存在感は抜群です。その中央にチョコレート色をしたドビソースがひとかけ。卵からはところどころにグリーンピースが透けて見えます。
では、実食…表面の卵は薄く焼かれていて、今流行りのとろとろ半熟卵のオムライスではなく、昔ながらの馴染み深いスタイルです。その中にはケチャップライスがぎっしりと詰まっていて、ただものではない重量感がお皿から伝わってきます。
とは言え、トマトケチャップの酸味が控えめでさっぱりしているので、途中で飽きが来ないでスイスイとスプーンを進めていけます。具材はグリーンピースと玉ねぎ、肉の細切れとシンプルですが、グリル小宝のオムライスには豚肉だけでなく牛肉も使われているところも特徴的です。
そしていよいよドビソースの出番。卵からしたたり落ちたソース貯まりからちょっとすくって口に入れると、デミグラスソースの芳醇さと独特の苦味をあわせ持つ、大人好みのビターな味わい。控えめのケチャップ味に物足りなさを感じたら、このドビソースをかけて口の中に放り込んでみてください。ドビソースでオムライスにしっとり感も加わり、スプーンの動きがさらに加速すること請け合いです(ちなみにこのドビソース、+160円でソースの量を2倍にできるようです)。
このドビソースを使ったハンバーグ、絶対美味いだろうな…そう遠くないうちに、ハンバーグ目的の再訪がありそうな予感です。
ハンバーグステーキ:肉汁を蓄えた弾力のある肉塊がドビソースとの相乗効果で旨味を増幅
そんなわけで、ドビソースのかかったハンバーグを求めてグリル小宝を再訪。夕食時真っ最中で混雑していましたが、幸い直前に食べ終えた人の席が空いていたので、テーブルを片付けてすぐに案内してくれました。
濃厚でちょいとビターな大人の味…ドビソースのかかったハンバーグステーキは、税込でお値段 1880円。注文してから10分ちょっとで、ライス(お値段 300円)とともにやってきました…
セロリの香りを放つドビソース。よく見ると、ハンバーグの表面から肉汁があふれ出して、ドビソースと混ざっていくのが見えます。
ナイフを入れようとすると、押し返してくるような弾力のある肉の塊。断面からはお約束の肉汁がじわり…
そして実食…いや〜、とにかく肉の旨味がすごいです。断面から肉汁とともに旨味が外に逃げてしまい、中身がスカスカになるハンバーグもありますが、このハンバーグは肉汁を外に放出してなお充分すぎるほどの旨味を中に蓄えています。
そのハンバーグとドビソースが合わさると、ドビソースの苦味がサーっと消えて、両方の旨味だけが残るから不思議です。まさに、お互いの旨味を増幅しあっているかのような格好の組み合わせ。これは、ハンバーグ好きならちょっと高いお金を払っても食べる価値のある一皿です。
どんな料理かすごく気になる…ジクセルとは何ぞや?そして、そのお味は?
ところで、ジクセルという名の料理、どんなものかあなたは知っていますか?グリル小宝のメニューに載っている料理なのですが、ジクセルという名を聞いた記憶がない僕は、初訪店の時から頭にずっと引っかかっていたんですよね。
なので、その頭のモヤモヤをスッキリさせるべく、ジクセルを注文しようと3回目の訪店となりました。
早速ウェイターさんに質問。どうやらジクセルは、卵で包んでフライパンで焼く料理のことのようです。その中身が鶏肉であればチキンジクセル(お値段 2290円)、エビであればエビジクセル(お値段 2700円)となるわけです。
実際どんなものか?というと、こちらがこの時注文したチキンジクセル。平皿一杯にジクセルが横たわって、かなりボリュームがあります…
断面もお見せしましょう。このように、中心部では一部卵が半熟状態でとろとろですが、基本的には分厚い卵焼きに包まれた鶏肉…という感じです。
では、実食…表面をしっかり焼かれた卵はこんがりしていて、若干ですが舌先に胡椒の刺激も感じます。今流行りのふわとろ路線ではなく、どちらかというとパンケーキの食感に近いです。
そして、この中に包まれている鶏のもも肉…卵に脂を吸われているせいか、比較的さっぱり食べられます。ソースも特製ドビソースではなく、ちょっと薄めのトマトソースで昭和の洋食的な味付けでした。
食べ終わった感想としては、「こんな料理もあるんだな…」という感じ。味がどうこうではなく、そのスタイルがあまり日本人好みではないように思います。ヨーロッパの人なんかが好んで食べるのでしょうか?まあ、1つ知識が増えて勉強になりましたし、良しとするか…
ウェイターさんの水の注ぎ方にも注目!グリル小宝へのアクセスは、最寄り駅の京都市営地下鉄・東山駅から徒歩15分
ちょっと余談になりますが、グリル小宝のウェイターさん。コップにお冷やを注ぐ時の動作に特徴があります。コップよりかなり高いところから水を注ぎ、最後に水の切れを良くするためか、中の氷がガシャっ!と音を鳴らすくらい勢いよく給水ポットの傾きを元に戻します。わざわざネットで広めるほどのものではありませんが、もしグリル小宝に行くことがあれば、そんなところにも注目してみてください。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
P.S. 京都で美味しい洋食をお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
P.P.S. グリル小宝の近くには、こんなお店もあります…
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