ある秋の週末、仕事帰りに「久しぶりに一人焼肉したいなぁ…」という気分になって、京都市内では知らない人はいないほどの有名店「京の焼肉処 弘 千本三条本店」に行ったんですよね。事前予約をしてなかったんですが、公式情報で98席もの客席数があるお店だから余裕でしょ…と。でも、夕方の6:30頃に行ってみると全然余裕ではなく、「夜9時過ぎなら予約取れますが…」と店員さんに言われる始末。さすがに2時間半の待ち時間はつらいなぁ…
と、そんな時にふと思いついたのが、今回ご紹介する焼肉処 大翔苑というお店。どうやら長岡京市にある精肉店「肉の大翔」の直営店らしく、2019年7月に創業とまだまだ新しいお店ではありますが、今京都で「本物の肉好きが集まる焼肉専門店」として評価がうなぎ上りの人気店。ソッコーで電話してみると「カウンター席ちょっと狭いですが…」と、本当に運よく席が予約できまして、直ちに京都三条会商店街を後にして、JR二条駅から2駅先の花園駅に向かったわけです…
若い店員さん中心のカジュアルな雰囲気…焼肉処 大翔苑はこんなお店
予約の時間通りに焼肉処 大翔苑へ入店。店内のスペースはこぢんまりしていて、入り口をくぐって左手に4人がけのテーブル席が2卓、右手に掘り炬燵式の座敷席が3卓、その奥に厨房とカウンター席が5脚ありました。まだ新しいお店だけあってあかやしろ本店のような年季の入ったレトロ感は皆無。雰囲気的には大衆居酒屋に近いものがあると感じました。
そんなお店を切り盛りする店員さんも若者が4名。そんなところも居酒屋的雰囲気をさらに強めている一因なのですが…まだ仕事に慣れていないバイトさんのような感じの人がほとんどで、ちょっと仕事にもたつきがあるように感じました。1人めっちゃ仕事ができる風の若者がいて、その人の掛け声ですべてが回っている感じ。この日はたまたまだったのかもしれませんが、自ら「肉人(にくんちゅう)」を名乗る店主は不在だったようです。
こんな感じのお店なので、気難しいところは一切なし。若い店員さん中心のカジュアルな雰囲気なお店で、お一人様焼肉から家族連れでの利用まで、ありとあらゆる用途で気軽に利用できそうです。実際、小さな子供を連れて焼肉を堪能している家族客もいましたしね…また、20人くらい人数を集めれば、お店を貸切にして焼肉パーティーなんかもできそうな気がします。
焼肉処 大翔苑で今回僕が注文した5品のメニューをご紹介…「本当の肉好きが集まる店」の評判は本物か?検証してみた
さて、今回僕が焼肉処 大翔苑で食べた焼肉の数々をご紹介する前に、まずはお店のメニューからご紹介しましょう。下の画像をご覧ください…
店頭にはフード・ドリンク合わせて2枚のメニュー表が貼られています。これを見るとホルモン系のメニューばかりで、赤身肉が全然なさそうですよね?でもご安心を。店内にはこれらと別に…
黒板に書かれたメニューがあって、この黒板メニューは赤身肉中心の構成になっていました。気になるお値段は基本的に内蔵系はリーズナブルなのに対し、赤身系は軒並み1000円超えのワンランク上の価格設定(注:値段は税込)。ちなみに赤身系は仕入れ状況により日替わりなので、別の日に同じ肉が食べられる保証は一切ありません。
このメニューを見て、僕が真っ先に気になったのは「時価」と書かれた本日のおまかせ盛。店員さんに内容を聞いてみると、黒板に書かれた赤身肉系7種類+ハラミの8種類を一枚の皿に盛ったものなんだそうな。希少部位を含めて肉を1切れずつ合計8種類…なんか焼肉矢澤 京都の焼肉ランチみたいですな。気になるお値段「時価」についてはあえてここでは明かさず、お会計時のお楽しみとしましょうか…
本日のおまかせ盛
というわけで、焼肉処 大翔苑のメニューのハイライトとも言える「本日のおまかせ盛」のご紹介。焼肉処 大翔苑では全ての焼肉メニューで塩 or タレの選択ができるのですが、どちらにするか決め切れなかった僕は勢いに任せて「両方1人前ずつ」で注文しました。さあ、この選択の結果、お会計の時に僕はどんな顔をするんでしょうね。歓喜の顔?それとも…
まずは本日のおまかせ盛・塩が目の前に運ばれてきました。右上から反時計回りに特上ロース、ミスジ、ヒウチ、クリミ、マルシン、マルカワ、ハラミ、ランプ厚と並んでいるのですが、最後に…
と、店員さんから嬉しい一言が!ホントは僕、この後に特上タン(お値段 税込1980円)と特上ハラミ(お値段 税込1880円)の追加を考えていたんですが、どっちも追加する必要がなくなっちゃいました。
このおまかせ盛、希少部位をたくさん出してくれるのも嬉しいんですが、僕的には「近接部位の食べ比べができる」ように盛り合わせメニューを選定しているところに「凄いな…」と感じましたね。ミスジとクリミは繋がっているし、マルシン・マルカワ・ヒウチはシンタマと呼ばれる塊肉の構成部位だし…部位的には近い場所にあるこれらの肉ですが、サシの量や肉質の柔らかさ、赤身の濃厚な旨味…実際に食べ比べをしてみると確かに味が違うんです。
まあ、この日がたまたまそういうメニュー構成だっただけかもしれませんが、かなり玄人好みの選択に「さすが精肉店直営店」という感じがしました。これだけで「本物の肉好きが集まる店」という口コミが本物なのがよくわかります。僕は焼肉マニアではないですが、この盛り合わせで食べ比べをしているうちに何だか嬉しくなってきましたしね…この盛り合わせを食べたことがきっかけで焼肉マニアに転じる人がいても、決して不思議ではありません。
塩の盛り合わせを食べ切って、今度はタレでもう一周…なんと贅沢な夜なんでしょうか。つけだれは甘口でニンニクの香りが効いていて、脂のしつこさを抑える一方、オン・ザ・ライスでご飯と一緒にかき込みたくなるような逆らい難いほどの魔力を肉にアドオンします。肉そのものの旨味をダイレクトに味わうか、白ごはんとともにガッツリ消費するか、そこはあなたの選択次第。僕としては、部位別の味の違いがわかりやすい塩の方がおすすめかなぁ…
ホソ・赤セン
赤身肉系の盛り合わせを食べ終えた後は、ホルモン系のホソ(小腸)と赤セン(第4胃)を注文(両方タレで)。それぞれお値段はホソが580円、赤センが680円と、赤身系と比べてかなりリーズナブル。このお値段で食べられるのは、値上げが続く今のご時世、本当に嬉しいことですよね。家の近くにもこんなリーズナブルなホルモン焼肉を楽しめるお店があったら…って、ビール好きのおっちゃん達はみんな考えているんじゃないでしょうか?
脂でプリップリのホソと、肉厚でコリコリ食感の赤センを一緒に無煙ロースターへ…どちらもビールのお供としてはうってつけで、この一皿だけで中生ジョッキ3杯は軽くいけちゃいます。他店と比べてボリューミーで、特に赤センは焼肉江畑のギアラネギよりもかなり肉厚にカットされていて噛み応えがハンパないです。
一方のホソを口に入れると、脂とタレが融合してできた猛烈な甘味のジュースがドバッと口の中に放出されると共に、脂が焦げた香ばしさが鼻に漂ってきて味覚と嗅覚がガッツンガッツン刺激されます。ビールのつまみにもいいですが、タレをたっぷりつけてオン・ザ・ライスでがっつくのもたまらなく美味いと思いますよ。
ハラミユッケ
ここでメニューを見た時から目をつけていたハラミユッケ(お値段 税込1080円)を注文。ユッケと名のつくものは少し前に群馬県のホルモンしま田で食べてますが、この時のユッケは肉全体に少し熱が加わっていて、生肉感はあまり感じられなかったんですよね。なので、刺身のような生肉感のあるユッケは本当に久しぶり。ユッケを出してくれるお店が最近本当に少なくなったし、その意味でも京都の肉好きにとってこのお店が貴重な存在であることがよくわかります。
ローカロリーであっさり系のハラミがたっぷり。このお肉を卵黄、青ネギ、玉ねぎと一緒にかき混ぜて口の中へ放り込みます…やっぱりユッケは生肉感が命ですな。熱を通したものとでは、肉汁の旨味と食感が全然違います。これに甘口のタレと卵黄のコクが加わったねっとり濃厚な旨味を楽しめて、さらにネギのシャキシャキ感がそこに加わって…もうね、あとはご想像ください。昔のように気軽にユッケを食べられる時代は戻ってこないのかなぁ…そんな日が来るまで、焼肉処 大翔苑さんにはずっと頑張ってもらいたいものです。
冷麺
そしてこの日の〆に注文した冷麺(お値段 税込880円)。この冷麺のために、僕は白ごはんを追加したい欲求にずっと耐えていたんですよね。僕、時々冷麺を無性に食べたくなっちゃうんです。それにしても、焼肉屋での冷麺って、デザートと一緒で別腹って感じしませんか?
麺は極細ながら、ラーメンの麺とは比較にならないくらいの強烈なコシが「冷麺すすってるなぁ…」という気持ちにさせてくれていいんですよね。スープが冷たくてあっさりしているのも、焼肉の脂まみれになった身体を綺麗に洗い流してくれる気がするし…そうそう、ちょっと上の画像でわかりにくいのですが、焼肉処 大翔苑の冷麺にはコリコリ食感の牛タンローストが3枚トッピングされていました。そんな焼肉屋さんならではのトッピングのアレンジもいいなぁ…と思いました。
こんな感じで、盛り合わせを含めて全5品を完食。さすが精肉店直営店、牛肉のクオリティは文句なしで、京都の肉好きが焼肉処 大翔苑に集まるのも「当然でしょ!」と感じましたね。焼肉好きの人には間違いなくおすすめできるこのお店…でも、肝心のお会計はどうなんでしょうね?特に今回「時価」のおまかせ盛を2人前注文しているし、軽々1万円超えどころか、高級寿司店でおまかせを注文するのと同じくらい請求されても全然不思議じゃないわけで…
でもね、お値段もすごかったんです。上記5品に烏龍茶2杯(お通しなし)で驚愕の1万円切り!各メニューから逆算すると、この日のおまかせ盛は、希少部位盛りだくさんだったにも関わらず、1人前がたったの3060円!凄すぎません?単純比較が好ましくないのは重々承知ですが、金銭感覚的に焼肉矢澤 京都のランチコースの半額以下ですよ…請求額を見て、僕も本当に驚きました。このお値段でたらふく美味しいお肉を食べられて、さらにユッケも食べられて…もう、このお店はリピ確定ですな。
焼肉処 大翔苑のその他のメニュー例(値段は税込)
- ごはん(中) 200円
- サンチュ 300円
- キムチ盛り合わせ 680円
- ビビンバ 680円
- テールスープ 1080円
ちなみに焼肉処 大翔苑は、デザートメニューもしっかり揃えています…
祇園で肉の大翔/祇園大翔苑も営業中…焼肉処 大翔苑へのアクセスは、最寄り駅のJR山陰本線・花園駅から徒歩2分
そんな焼肉処 大翔苑は、祇園でも焼肉専門店「肉の大翔/祇園大翔苑」を運営しています。食べログによると、祇園の店では個室が用意されていたり、前日までの予約で「肉人コース」と名付けられたコースを注文できたり…と、花園の店とは違った用途で焼肉を楽しめるお店みたいです。
祇園で美味しいお肉をたらふく食べて、それで1人1万円でお釣りが返ってくるって凄すぎません?焼肉好きな友人や知人を連れて行ったら、絶対に喜んでくれると思いますよ。祇園なら接待なんかにも使えるかもしれませんしね…京都の焼肉好きなら、花園のお店と並んで祇園の支店の存在も覚えておいて決して損はないはずです。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
P.S. 京都で美味しい焼肉をお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
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