おでんがご当地グルメになっている場所と言えば、おでんのメッカ・東京に始まり、静岡、金沢…それから、日本最古の関東煮の店・たこ梅がある大阪もそうですかね。でも秋田にも「秋田おでん」なるものがあるとは、ついこの間まで知らなかったなぁ…
その「秋田おでん」が食べられるのは、秋田市随一の歓楽街・川反の南端にある秋田おでん さけ富(さけとみ)というお店。2018年6月に創業と比較的新しいお店ですが、食べログの居酒屋百名店を2021年から2年連続で受賞中と、今かなりイケイケみたいですよ…
ガールズバーって紹介されるけれど…秋田おでん さけ富はこんなお店
秋田おでん さけ富は、秋田で幅広く飲食店を運営する(株)ドリームリンク社の系列店。ドリームリンク社と言えば、西馬音内そばをウリにした弥助そば 秋田総本店や、秋田の郷土料理を一通り揃えた秋田きりたんぽ屋も系列店。すでにこれらのお店を食べ歩いた僕にとっては、このさけ富もかなり本気度が高いお店だということがよくわかります。
でもこのお店、店名でググるとなぜか「ガールズバー」というキーワードが一緒に表示されるんですよね…
実際、さけ富をガールズバーとして紹介するブログもあるんですが、決してそんなことありませんよ。普通に男性店員さんが複数いましたし、全然チャラチャラした雰囲気のお店ではありませんでした(接客も落ち着いた感じでしたし…)。そうではなくて、雰囲気的にはちょっと高級な居酒屋あるいはバーという感じですね。店内には割とゆったりしたカウンター席15脚に小上がりの座敷席が2卓(個室なし)。一人飲みや、せいぜい2〜3人でしみじみと飲み食いするのに向いているのではないでしょうか。
さけ富の「秋田おでん」って他のおでんと何が違う?代表的なメニューをいくつか頼んでみた
今回僕は秋田おでん さけ富を仲間内の会食に利用しました。なので注文内容は割とスタンダードなメニューが多くなったかなぁ…それはさておき、秋田おでんって他所のおでんと何が違うんでしょうね?きっとこの店でしか味わえない何かがあるはず…
お通し
さけ富のお通しは、このように箱膳のような形で出てきます。お通しというか、お通し×5ですね。どれも本当に質が高く、これだけでも満足度が高いのですが、実はこのお通しだけでお値段 1200円+税かかるという側面も…
一番出汁
注文したおでんが届く前に、まずはさけ富自慢の一番出汁をいただきました。これがとにかく凄かった!基本的には薄味で、ほんのりと塩味と魚介系の旨味を感じる出汁なのですが、数々のおでん種の旨味が溶け込んだ出汁とは対極的に、その透明感が半端ないこと…
なんでも、このお出汁に使われている水は白神山地の伏流水なんだとか。昔どこかのテレビ番組でやってたのですが、白神山地の水って余計なミネラルを含まない「超軟水」らしいです。この水がどれだけヤバい代物か、僕のバカ舌でも一口飲んですぐにわかりました。
女将おまかせ五品盛(大根、こんにゃく、昆布、玉子、がんも)
そんな透き通ったお出汁を汚さないため(?)さけ富のおでんはじっくり煮込まれた状態ではなく、おでん種をさっと出汁にくぐらせた感じで出てきます。なので、お好みに応じて口の中で種と出汁を合わせる感じで食べるのがいいのではないでしょうか。
女将おまかせ五品盛(お値段 1530円+税)で出てきた定番おでん種の数々も、そのまま食べると味付けはかなりあっさり目。別の言い方をすると、おでん種そのままの味を大切に残した感じ。ただ大根だけは例外で、大阪のたこ梅の大根と同じくらいにとろっとろジューシーになっていました。
秋田カニ面
カニの甲羅に男鹿半島産紅ズワイガニ2杯分を詰めておでん出汁をかけた、秋田おでん さけ富の名物メニュー・秋田カニ面(お値段 2610円+税)。おでん出汁がカニ肉の風味を邪魔することなく、控えめに塩味と出汁感を添えるようにして旨味をアドオンしています。このさりげない感じの味の強化も、透明感満点のお出汁ならではのような気がします。お値段高めではありますが、その分心もリッチになれる一品です。
創作系おでん(きりたんぽ袋、ハタハタさつま揚げ、比内地鶏つくね)
追加で注文したおでん第二陣はきりたんぽ袋(460円+税)、ハタハタさつま揚げ(580円+税)、比内地鶏つくね(460円+税)の創作系おでん三品。比内地鶏はつくねにしても肉の弾力すごいですね。一方、ハタハタはさつま揚げにすると風味減かなぁ…まあ、この頃になるとかなりお酒が入っていたこともあるんですけどね。
ハタハタ寿司
秋田名物のハタハタを使ったハタハタ寿司(お値段 690円+税)。米麹がとろっと柔らかく、口の中に入れるとハタハタの旨味と共に、ふわっとした甘味とほのかな酸味を感じます。一方で、すでにアルコールが入っていたからなのか、ハタハタ寿司独特の臭いは全然気になりませんでした。巷で売られているハタハタ寿司と比べて、初めての人でもかなり食べやすいんじゃないかな…と思います。
おでん茶漬け
そして〆に注文したおでん茶漬け(お値段 580円+税)。透明感満点のお出汁をしっかり堪能できる、最後に注文必須の鉄板メニュー。このお出汁と一緒にご飯をサラサラと喉に流すの、最高ですわぁ…この出汁の余韻を楽しむために、この後何も口に入れたくなくなります。
こんな感じで、さけ富の提供する秋田おでんは、他処で食べられるおでんとは全然路線が違う食べ物でした。お出汁の味を染み込ませた煮込み料理ではなく、おでん種の味をそのまま味わう方にフォーカスされた感じ。それは裏を返せば「おでん種それぞれの質が高くないと成り立たない」ということも意味します。そういう意味では、この秋田おでんを一言で表せば「高級路線のおでん」ということになりますね。
以上、秋田カニ面だけ3人でシェアしましたが、これらの品と秋田の地酒を思う存分堪能して、気になるお会計は1人8〜9000円くらい。一般的なおでんの値段感覚からすると、さけ富のメニューはどれも「高いな…」と感じるのではないでしょうか。おでん種、安いものでも1つ300円くらいはしますしね…他のメニューをもっと楽しむために「お通しの品数を減らしてもっと安くして欲しい」と思う人も多いはず。
まあ、お通しについては僕も同意見なのですが、おでんの価格設定に関しては僕は全く文句ないですね。おでん種だけじゃなく、お出汁の値段も合わせて…と解釈すれば、むしろこのお値段で食べられるのは安い方かもしれません。一般のおでんのように「煮込まれた感」がないので好みが分かれる可能性はありますが、新感覚のおでんという意味でも一度試してみる価値は十分にあるのではないかな…と思います。
ネット予約も可能…秋田おでん さけ富へのアクセスは、JR奥羽本線・秋田駅から秋田中央交通バス新屋線で大町五丁目下車、徒歩1分
そんな秋田おでん さけ富はネット予約にも対応しています。この記事であなたもこのお店のことが気になったら、下に貼ってある予約リンクから予約を取ってみてください。全国でもここでしか食べられないものがあるのですから、全国の食いしん坊は要注目。おでん以外に秋田の郷土料理メニューも楽しめるので、秋田観光中の夕食としてもおすすめです。
予約するそれでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
お店の評価に客観性を持たせるために、他のブログの口コミも紹介しておきますね…
友達がお勧めと聞いてチェックしてくれていたおでん屋さん。すでに1軒目でおなかも膨れていたのと私はおでんそんなに好きではないのでw、いぶりがっこクリームチーズとをいただく。クリームチーズも炙られていてしかもたっぷり入っていて美味しい・・・!
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