2015年3月のオープン以来、金閣寺奥の交通不便な場所にありながら連日ものすごい行列を作っていたミシュラン掲載店・らぁ麺とうひち(藤七)が、2022年4月にラーメン激戦区・一乗寺エリアに移転しました。新しいお店があるのは一乗寺エリアの北端・修学院で、最寄りの駅やバス停から徒歩1分という利便性抜群の場所で営業しています。
僕は移転先の新店舗にはまだ行ったことがなくて、ある日のお昼過ぎに北大路付近に行く用事があった時に「ひょっとして行けるかも…」とふと思い立ってお店に足を向けました。食べログラーメン百名店WEST選出常連でもある人気店にとって、唯一の弱点とも言えたアクセスの悪さが改善されて、さらに行列が半端なくなってしまっているかもしれませんね…
かつて2号店のらぁ麺すぐるがあった場所…新しいらぁ麺とうひちはこんなお店
実は、移転する前のらぁ麺とうひちは修学院に2号店・らぁ麺すぐるというお店も運営していました。こちらは本店の鶏に対して豚をメインの食材に扱っていたお店で、本店と同様かなりのお客さんを集める人気店だったのですが…本店の移転に伴い、2号店のらぁ麺すぐるは残念ながら閉店となってしまいました。その閉店となった2号店の店舗をそのまま使っているのが、今のらぁ麺とうひちというわけです。
その悲しい事情はさておき、僕がらぁ麺とうひちに到着したのがちょうど午後の1時頃。まだまだランチタイムの後半と言える時間帯、かなりの待ち時間を覚悟してお店に向かったのですが、ラッキーだったことに店外に並ぶ先客は4人だけ。しかも、店内からゾロゾロとお客さんが退店していくタイミングだったので、待ち時間5分ほどであっさり入店となりました。
北区大宮にあった旧店舗と比べて、店内のスペースはややこぢんまりとしましたかね…ただ客席はL字カウンターが8脚と4人がけテーブル席が2卓のmax 16人分あり、昔の店舗と比べて席数にほとんど変わりはありません。僕がお店を利用した時には店主不在で、若い店員さん数名でお店を切り盛りしていました。お弟子さんの接客は全く問題なく、これならいつ来ても気分よくラーメンをすすれそうです。
らぁ麺とうひち新店舗のメニューは旧店舗とほぼ同じ。でも、味は密かにバージョンアップしているらしい…
さて、らぁ麺とうひち新店舗の気になるメニューは…
こんな感じで、メニュー構成は旧店舗とほぼ変わりません。値段は前と比べるといくらか値上げされていますが(こちらのブログ記事に移転前の店舗の情報を掲載しています…)、最近のご時世を考えると「仕方ないな…」と思える程度です。値上げ後でも一杯1000円以内で食べられるラーメンがいくつかあるので、むしろ良心的な値段と言ってもいいかもしれません。
でも、変わったのは値段だけではありません。どうやららぁ麺とうひちのラーメン各種、内容がかなりバージョンupされているようなんです。それなら値上げを受け入れやすくなるし、何より昔食べたラーメンとどう味が変わったのか、リピートして確かめたくなりますよね。次に訪店する機会があれば、看板メニューの鶏醤油らぁ麺が前からどう変わったのかを試してみようかな…
らぁ麺とうひち新店舗のラーメンメニュー(値段は税込)
- 鶏醤油らぁ麺 1000円
- 鶏醤油つけそば 1200円
- 鶏油まぜそば 850円
- 鶏白湯らぁ麺 950円
- 煮干魚介らぁ麺 900円
これらのグランドメニューに加えて、限定メニューをお店のツイッターで告知しています。
鶏醤油つけそば:らぁ麺とうひちの昆布水つけ麺が見た目以上にヤバかった…
今回僕がらぁ麺とうひちで注文したのは、前からずっと食べてみたいと思いつつも機会がなかった鶏醤油つけそば。注文してから待つこと約10分、目の前に鶏醤油つけそばが着丼となりました…
冷たい昆布水に浸かった中細麺と薄切りチャーシューが浮いた醤油ダレ、そして別皿で沖縄産ぬちまーす塩、わさび、青さのりがついてきます。この見た目だけでいろいろな味が楽しめそうで、ご飯3杯くらいいけちゃいそうな気がします。
まずは麺を浸けている昆布水から…とレンゲを中に入れたところで、この昆布水が「ただ昆布から出汁をとっただけの水」ではないことに気づきます。というのは、昆布の表面についたねっとりした粘液が大量に入っているんですよね。それによって、昆布の出汁がしっかり出ているのはもちろん、物理的にとろっとした粘度の高い液体になっています。その粘液が麺の表面に絡みつくことで、一般的なつけ麺とは違った味わいを出せるというわけです。
実際にこの中から麺を引っ張り上げて口に入れてみると、とろみのついた昆布水が麺のツルツル感を大幅に高め、麺のすすりやすさや喉越しを異次元レベルに高めています。改めて言うまでもなく、昆布の出汁も濃厚。その昆布水の中の麺も見た目に反してかなりコシが強く、小麦の香りも豊かな自己主張の強い麺。味そのものは上品系でありながらインパクトは大という、言葉にすると大きく矛盾するようなところを突いてきています。
で、この薬味もいいんですよね。粉雪のようにサラサラのぬちまーす塩を箸でちょいと摘んで麺と一緒にすすってみると…呑兵衛さんなら「左手に日本酒があれば…」ってきっと思いますよ。わさびも同様。青さのりだけハマりが今ひとつなように感じましたが、これはつけダレに投入する方がいいのかな?
一方、そのつけダレの方はおそらく鶏醤油らぁ麺のスープと共通の鶏清湯スープ。生揚げ醤油がキレッキレなのに加えて鶏の風味もめっちゃ出ていて、かつて白河ラーメンの総本山・とら食堂で食べた時のような「身体中に出汁がしみ渡っていく感覚」を体感できます。
このスープに昆布水がコーティングされた麺を投入してすすると、鶏スープのイノシン酸と昆布水のグルタミン酸が手をつないで口の中で旨味を爆発!ここまで強烈な旨味を放つつけ麺は、そう滅多にお目にかかれるものではありません。これを「まずい」なんて言う人、いるのかなぁ…もはや「京都のつけ麺の代表格」と言ってもいいくらいなんじゃないでしょうか。
さて、このつけ麺には1枚だけ「小麦一反モ麺」と名付けられた超ワイドな麺が添えられています。極薄でヒラヒラしていて、昆布水コーティングの効果もあって昇天もののツルツル感を楽しめます。これ、本当に気持ちいいです。昆布水のままでもスープに浸けてでも、お好みの味で極上のツルツル感をお楽しみください。
こうして麺を食べ切ったら、最後は器に残った昆布水を鶏清湯スープに投入して、スープ割(?)として残ったスープをいただきます。これも昆布水を加えるごとに旨味が増していき、さらにスープにとろみが加わっていくという、過去のつけ麺スープ割にはない体験に「おおっ!」と感激してしまいました。
というわけでこの鶏醤油つけ麺、らぁ麺とうひちのメニューの中でも僕個人的にかなりおすすめの一品です。ただ1つだけ残念だったのが、昆布水を加える過程で旨味が格段にupしていく反面、スープがだんだん冷めていくんですよね。このスープ割を温かいまま飲み干せたら最高なんだけどなぁ…お店の方、この記事を読んでくれていたら、店内に電子レンジの配置など一度考えてもらえませんか?
通販でラーメンのお取り寄せも可能…らぁ麺とうひちへのアクセスは、最寄り駅の叡山電鉄・修学院駅から徒歩1分
さて、そんならぁ麺とうひちはネットショップも開設していて、日本全国どこにいても通販でラーメンのお取り寄せが可能です。
通販のラインナップは看板メニューの鶏醤油らぁ麺他、鶏油まぜそばとオリジナルTシャツの3種類。別途送料はかかりますが、ラーメン1杯から注文できますし、賞味期限も製造日から1ヶ月と長めなので、京都になかなか訪れる機会のないラーメンファンにとってはかなりお得な商品じゃないかな…と思います。らぁ麺とうひちの醤油ラーメンが気になっているあなた、これを機会に上のリンクから通販で試してみてはいかがですか?
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
らぁ麺とうひち 5点満点中
住所:〒606-8007 京都府京都市左京区山端壱町田町8−6 京福修学院マンション 1F
電話番号:075-721-6556
営業時間:11:00-14:30、18:00-21:00
定休日:火曜日
駐車場:4台分あり
クレジットカード払い:不可(食券制)
バスでお店に向かう時は、京都市営バス5番系統・岩倉操車場行きバスで修学院道バス停下車が便利です。
P.S. 京都で美味しいラーメンをお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
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