新大阪駅方面から梅田へ車で向かうときに、その手前の中津でいつ通っても人だかりができている店があって、ずっと気になっていたんです。パッと見は高級割烹のような外観なのですが、並んでいる人はカジュアルな服装の若者が多くて違和感ありまくり。その場所を通るたびに、頭の中でその違和感が増幅されていきます。
でも後でネットで調べてみて、そこがかの有名なラーメン屋・燃えよ麺助の2号店だと知った途端、すべてが腑に落ちました。こちらの麦と麺助も2020年のミシュラン・ビブグルマンに選出された実力店。「これは生半可な気持ちで行くと痛い目を見るな…」と直感した僕は、意を決して開店時間の1時間前から並んで待つことにしたのです…
開店1時間前には既に先客が…1巡目の入店を狙うなら、開店の30〜40分前から並ぶのが吉
で、Googleマップで調べてちょうど10時くらいに到着するようにお店に向かいました。で、予定通り10時数分前にお店に着きました。まあ、さすがにこの時間から並べば、普通は1巡目を楽々ゲットできますよね。でも、僕は1番乗りじゃなかったんです。僕より先に並んでいたお客さんが1名。ちょっと驚きました。
僕の中では、開店の何分前からお客さんが並びに来るか?というのが、お店の人気度をはかる指標の1つになっているんです。だって、開店1時間前から並ぶって、そんな簡単にできないじゃないですか?別の言い方をすると、開店後に普通にやって来るとそれ以上待つことになる可能性があると判断されているわけですよ。
特に新型コロナ禍の今、そこまでして並んでくれるお客さんがいるというのは、並大抵の人気度ではないと容易に想像できますよね。そこまでのお店って、今までの僕の記憶の中では、京都の山奥にある俺のラーメンあっぱれ屋くらいです。
とは言っても、この日は本格的にお客さんが集まり出したのは10時20分頃からでしょうか。おそらくですが、普通に1巡目をゲットするためなら、開店30〜40分前から並び始めれば十分なのではないでしょうか?
燃えよ麺助との違い:燃えよ麺助の「鴨と貝」に対し、麦と麺助は「鶏と煮干し」で勝負!
この日はラッキーなことに、開店時間の15分くらい前にお店の準備が整ってオープンとなりました。入口左の券売機で食券を購入して、カウンター奥から2番目の席に座ります。
麦と麺助の基本メニューは「蔵出し醤油そば」と「イリコそば」の2種類のみ。これに味玉、チャーシューなどのトッピングを追加して注文を行います。福島にある燃えよ麺助との違いは、燃えよ麺助が「鴨と貝」に対して、麦と麺助は「鶏と煮干し」をテーマにしていること。ちなみに以前はつけ麺もやっていたようですが、2021年7月現在メニューにはありませんでした。
これらの基本メニューに加えて、時々期間限定メニューも数量限定でやっています。お店のツイッターで告知しているので、限定メニュー狙いなら要チェックです!
特選蔵出し醤油そば:醤油のまろやかな甘味に濃厚な鶏の脂…想像を超えて重厚な味の一杯
それでは、麦と麺助が提供する2種類のラーメンをご紹介しましょう。まずは鶏の方、蔵出し醤油そばから。こちらはトッピング最強の特選蔵出し醤油そば(お値段 税込1280円)にしてもらいました…
3種類のチャーシューにワンタン、メンマ、味玉で丼の表面が覆い尽くされています。中央に鎮座しているブロック肉は、高級フレンチで使用されるホロホロ鳥というキジの一種。童話・桃太郎に出てくるキジさんをラーメンで食すのは初めてですね。
それでは、まずスープからいただきます…第一印象は、しっかり熟成された蔵出し醤油の甘味と鶏の脂から感じる濃厚なコク。醤油の甘味が活かされたラーメンと言えば、僕の中で真っ先に思いつくのが人類みな麺類のらーめん原点なのですが、それと比較しても特に鶏のコクが強くて、想像していたよりはるかに重厚な味のスープになっています。
食後に画像を見返してみると、醤油スープの表面に黄金色の液の層があるのがわかります。これ全部鶏の脂でしょうか…そうだとすると、この一杯を食べ切ると摂取カロリーは恐ろしい数値になるかもしれません。それでもしつこさは感じられず、美味しさを感じながら最後までスープを飲み干すことができます。この辺は最後に振られた最高級ブラックペッパーやゆず皮がいい仕事をしていますね。
これに対する麺は、ツルッとした食感の自家製ストレート麺。濃厚な鶏の脂のおかげかしっかりと麺にスープの味が乗り移り、口の中で小麦の香りとともにスープの旨味を一挙に放出します。麺はもちっとした食感がありながら歯切れがよく、喉越しも気持ち良いです。
そして特製蔵出し醤油そばのラスボス的存在のホロホロ鳥ブロック。こいつがものすごい脂を蓄えていたんです。スープの濃厚なコクの正体はコイツか?と思うくらい。でも、その脂の量に反して全然しつこくないんですよね。鴨肉のようなクセもないし、とても食べやすいです。さすが高級食材。これがラーメンの具材になるなんて、一昔前には誰が想像できたでしょうか?
というわけで、醤油ラーメンの部類でもかなり濃厚な味に仕上がっている特選蔵出し醤油そば。もしかしたら脂っこいのが苦手という人には合わないかもしれませんが、肉の旨味を堪能したいタイプの人には特におすすめです。
イリコそば:オリーブオイルにプチトマト…和風テイストにイタリアンな要素を取り入れた遊び心を感じる一杯
そしてもう一品・イリコそば(お値段 税込900円)のご紹介。こちらは香川県伊吹島産の最高級煮干しを使った和風テイストの一杯と思いきや…
仕上げにオリーブオイルを回しがけし、プチトマトがトッピングされているイタリアンな要素もある塩ラーメン。こういう遊び心、僕は好きですが、肝心のお味はどうなっているのでしょう…
というわけで、まずはスープを一口。煮干しの旨味と昆布の上品さを感じる和風スープに、オリーブオイルのフルーティーな香りとコクが合わさった過去に経験のない味。煮干しのえぐみは一切なく、出汁の旨味だけ上手に抽出した和風スープは、おそらくそれだけでも身体にしみ入る上質なスープとして機能することでしょう。でもそこにあえてオリーブオイルを足すことで、パスタソース寄りの雰囲気を出した挑戦的な味になっています。
もちろん、自家製ストレート麺との絡みも問題なし。小麦の香りとともに、フルーティーなオリーブオイルの香りと最高級煮干しの香りがしっかりと口から鼻へ広がります。
さらにトッピングにある小さな花…これは紫蘇の花で、紫蘇の葉と同じような上品な香りが楽しめます。このように、味はもちろんさまざまな香りを楽しむように作られた計算高い一杯、典型的なあっさり塩ラーメンではありませんが、そんなラーメンを期待する人にも一度は試してもらいたい一杯です。
JR大阪駅からも徒歩圏内…麦と麺助 新梅田中津店へのアクセスは、最寄り駅の大阪メトロ御堂筋線・中津駅から徒歩3分
そんな麦と麺助、最寄り駅は梅田から1駅北にある地下鉄御堂筋線の中津駅ですが、JR大阪駅からも徒歩15分と(ちょっと遠いですが)徒歩圏内にあります。梅田エリアでのランチ候補の1つとして、選択肢の1つに入れてみてはいかがでしょうか?
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
麦と麺助 (ラーメン / 中津駅(大阪メトロ)、大阪梅田駅(阪急)、中津駅(阪急))
昼総合点★★★★☆ 4.5
住所:〒531-0072 大阪府大阪市北区豊崎3丁目4−12
電話番号:06-6452-2101
営業時間:平日 11:00-15:30(土日は16:00まで営業)
定休日:火曜日
駐車場:なし(近隣のコインパーキングを利用)
クレジットカード払い:不可(食券制)
P.S. 大阪で美味しいラーメンをお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
P.P.S. 麦と麺助の店主の弟さんがやっているこのお店もお忘れなく…
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