宮島と言えば、昔から日本三景の1つに挙げられている日本有数の名勝地。JR広島駅からも1時間ほどで行けて、島内も丸一日あれば主な観光スポットをくまなく回れる、週末のショートトリップに最適の場所でもあります。
今回は地元グルメの食べ歩きをしながら日本有数の観光名所・宮島を1泊2日で回る、ちょっとアクティブなモデルコースをご紹介します。宮島は日帰りでも十分観光できますが、1泊2日ならではの魅力があるんですよ…
目次
まずは、宮島に来たら絶対に外せないローカルグルメ・あなごめしを創業120年超の老舗で味わうべし!
まずは宮島へ渡る前に、宮島観光で絶対に外せないローカルグルメ・あなごめしを食べておきませんか?
JR宮島口駅からフェリー乗り場までの道中にあるあなごめしうえのは、明治34年創業という120年超の歴史を誇る老舗中の老舗。初代店主の上野他人吉氏が駅弁としてあなご弁当を販売したのが宮島名物・あなごめしの始まりとされていて、広島であなごめしを語る上でこのお店を避けて通ることはできません。
あなごめしは宮島内でも食べることができますが、せっかくなら120年続くあなごめしの元祖を味わってみてはいかがですか?宮島内は夜営業をやっている飲食店が少ないので、ここで夕食を終えてから島に向かうのもおすすめです…
宮島口フェリー乗り場:JR西日本宮島フェリーと宮島松大フェリー、どちらのフェリーに乗るべきか?
あなごめしうえので元祖あなごめしを堪能したら、そのままフェリー乗り場に向かいましょう。
宮島口フェリー乗り場から宮島桟橋へ向けて出港するフェリーは、JR西日本宮島フェリーと宮島松大汽船の2社が運航しています。どちらも宮島桟橋までの所要時間は約10分、10〜15分間隔で運行していて、料金も片道180円(子供料金は半額)と変わりません。
ではこの2つのフェリー、どちらに乗ったらよりお得なんでしょう?2つのフェリーの違いとメリットをこれから簡単に説明しますね。
まずはJR西日本宮島フェリー。こちらを選ぶメリットは、宮島松大汽船よりも朝早く・夜遅くまで運航してくれることです。両社の運航時刻表を比較してみれば一目瞭然ですが、宮島松大汽船は朝7:00宮島発のフェリーが始発なのに対し、JR西日本宮島フェリーは朝5:45宮島発が始発です。夜の便も宮島松大汽船は20:35宮島口発が最終なのに対して、JR西日本宮島フェリーは22:42宮島口発が最終です(令和4年11月現在)。そんなわけで、早朝や夜遅くに移動しなければならない場合は、JR西日本宮島フェリーを利用することになります。
また、JR西日本宮島フェリーは、日中の時間帯は厳島神社の大鳥居方面をぐるっと回ってくれるサービス運航をしてくれています(宮島口→宮島運航便のみ)。「海の上から大鳥居を眺めたい!」「写真を撮りたい!」という場合はJR西日本宮島フェリーの利用をおすすめします。
一方の宮島松大汽船、こちらを選ぶメリットは、宮島内で使えるお買い物券や宮島ロープウェー乗車券とセットで購入すると割引が得られることです。少しでも観光費用を安く済ませたい場合は宮島松大汽船の方がおすすめです。
観光の前に宿へチェックイン!宮島内でお得に泊まれるのは…
宮島桟橋に到着したら、観光を始める前にまず宿にチェックインして荷物を置いておきましょうか。
宮島内で宿泊施設が多いのは宮島桟橋周辺と厳島神社周辺。宮島桟橋から厳島神社までは徒歩で10分ほどの距離なので、多少荷物を抱えていても移動はそれほど苦になりません。宮島のメインストリート・表参道は日中の人混みがすごいので、厳島神社方面へは海岸沿いの道がおすすめ。道幅が広く、厳島神社の本殿や大鳥居、五重塔などを眺めながら散歩気分でゆったり歩くことができます。
今回僕が予約したのは、厳島神社の入口から徒歩5分ほどのところにある宮島ゲストハウス三國屋。ドミトリーなら1泊4000円(令和4年11月現在)と格安で泊まれますし、各種アメニティも揃っていて、食事以外は何一つ不自由なく滞在できます。特に僕のようにローカルグルメの食べ歩きも楽しみにしている人にとっては、一泊2食付きの高級旅館よりも、こういう自由度の高い宿泊施設の方が便利ですよね。
ミシュランにも認められた名店・宮島鮨 天扇で瀬戸内海産の新鮮なネタを存分に楽しむ
宿にチェックインをして一息ついた後、夕食のために僕が向かったのは、宮島内で唯一の寿司屋である宮島鮨 天扇。主に地元の瀬戸内海や広島から集めた食材を使った江戸前寿司が楽しめるお店として知られていて、2018年にミシュランガイド広島・愛媛2018特別版でミシュランプレート店として掲載されるなど実績も折り紙付きです。
そんな宮島鮨 天扇で注文した夜のおまかせコースは、握り12貫に巻き物、牡蠣汁、お造りなどがセットになって、お値段 税込17,000円。高級ネタのオンパレードなのはもちろん、口の中でふわっとほぐれていく繊細なシャリの握り加減も特筆もの。宮島内には夜営業を行なっている飲食店が少なく、外食の選択肢が非常に限られるのですが、このお店が開いていれば悲しむ必要なし。予約で一杯になることも度々あるので、宮島訪問前に忘れずに予約をしておきましょう…
宿への帰り道で厳島神社や五重塔のライトアップを楽しむべし
宮島には夜遅くまで開いているお店はほとんどないし、夕食を終えたら翌日の観光に備えて宿へ帰りましょう。
でも、ただ真っ直ぐ帰るのではつまらないので、夜の厳島神社に立ち寄ってみてはいかがですか?厳島神社では毎日日没後から夜11時頃まで、本殿や大鳥居、五重塔、参道脇の灯籠などのライトアップをやっています。日帰り観光客がいなくなって、すっかり静かになった厳島神社で、ライトアップされた建物や対岸の夜景などを眺めてしっぽり佇むのもいいですよね。
また、時期が合えば紅葉谷公園や大聖院で夜間の紅葉ライトアップもやっています。大聖院の方は有料ですが、紅葉谷公園では無料で楽しめますので、紅葉のシーズンが近づいたら詳しい情報をネットでチェックしてみてはいかがですか?
宮島観光のハイライト・厳島神社へは朝一番で参拝すべし
さて、2日目の朝は宮島観光のハイライトである厳島神社への参拝から始めましょう。厳島神社は元日を除いて毎朝6:30から開門していて、島の活動が本格化する前に静かに参拝することが可能です。
その日の朝を神社への参拝から始めるって、なんか日本人らしくてカッコよくないですか?朝の空気は清々しくて、日中の参拝以上に心も身体も清められる感じがするし、そして何より、この時間帯は島外からやってくる日帰り観光客がゼロ。何せ、宮島口発フェリーの始発が朝6:25分。その10分後に宮島に到着するとして、どう足掻いても6:30には間に合いません。
日中になると大勢の観光客で大混雑になるところが、運が良ければ独り占めでゆっくり参拝できるわけですから、もしあなたが宮島で一泊されるのであれば、朝一番で厳島神社に参拝しない手はないと僕は思いますよ…
厳島神社参拝の流れでそのまま弥山登山を開始!運が良ければ頂上からの絶景を独り占めできます
厳島神社参拝を終えたら、そのままの流れで宮島の最高峰・弥山登山へ行っちゃいましょう。ちょっと体力と気合が必要ですが、紅葉谷ロープウェーが運行開始する前に登頂してしまえば、運が良ければこれまた頂上からの絶景を独り占めすることが可能です。
弥山山頂へのアクセスは紅葉谷コース、大聖院コース、大元コースの3つのルートがありますが、今回僕が登りに選んだのは大聖院コース。頂上までの所要時間が短めなのと、道中のランドマークが多くて退屈しなさそうなのが主な理由。でも実際登ってみたら、別の意味でこのコースを登りで選んでよかったなぁ…と思いました。
その理由は、斜面がかなり急なこと。道は登山道として一応整備されていて、頂上までの道のりで迷うことはありませんが、アスファルトで舗装されているわけではなく足場は結構悪いです。さらに、印象としては道中の8〜9割は登り階段。そんな登山道なので、もちろん登りは結構ハードなのですが、逆に降ることを考えたらこのルートは結構危ないんじゃないか…と感じました(滑って転んで頭をぶつけた…とか、本当に勘弁)。
三國屋のオーナーさんによると、一般登山客の人気は紅葉谷コースで登って大聖院コースで降るルートらしいのですが、紅葉谷コースの方が随分と歩きやすいので、僕は逆ルートの方をおすすめしたいです。
厳島神社から弥山展望台までは、僕の足で所要時間は約60分(途中10分間の休憩あり)。里見茶屋跡で一服し、賽の河原を抜けて仁王門まで辿り着いたら、あとは山頂までもう一息。気合を入れ直して、展望台まで一気に駆け上がりましょう。僕が山頂に到着した7:40頃は展望台に先客ゼロ。約10分間という短い間でしたが、たった1人の静かな時間を絶景と共に楽しめました…
弥山登山の注意点は2つ。まずは頂上までトイレはないので、事前にトイレを確実に済ませておくこと。そして、登山中の飲み物を持参することです。山頂付近まで行けば飲料の自動販売機があるので(平地で買うよりちょいと高いですが)、登りの間にその飲み物を全部飲み切ってしまっても大丈夫です。
頂上で一息ついたら、周辺にあるこれらのスポットにも参拝してみてはいかがですか?
弥山本堂
弥山本堂は正式名称を多喜山水精寺 弥山本堂と言い、唐から帰国した弘法大師(空海)が霊地を求めて宮島に立ち寄り、大同元年(西暦806年)に開基したと言われています。その空海が修行の時に使ったとされる火が今まで一度も消えずに残っていて、本堂向かいの霊火堂でその火を使って献灯することができます。
また、この霊火堂の脇には弥山頂上エリアでは貴重なドリンクの自動販売機があります。山頂滞在中の水分補給の場としても押さえておく必要がある場所です。
御山神社
御山神社は平清盛が厳島神社の奥宮として建立した神社で、宗像三女神である市杵島姫命、田心姫命、湍津姫命を祀る社殿がちょうど漢字の「品」の字のように並んでいます。
御山神社は宮島内でも屈指のパワースポットとして知られていて、大正時代に当時皇太子だった昭和天皇も参拝されたとか。加えて、弥山から巨大な岩が迫り出したような断崖絶壁の上にあることから天空の神社とも呼ばれていて、神社の正面からは心が洗われるような瀬戸内海の絶景を見下ろせます。山頂の展望台と比べて圧倒的に参拝者の少ない御山神社ですが、山頂からそれほど距離は離れていないし、参拝せずに下山するなんてすごくもったいないですよね?
奥の院
仁王門から山頂方向へ向かわず、南側へ山をしばらく下ると見えてくるのが奥の院。ここでも弘法大師が修行を行っていたとされていて、一番奥には弘法大師が祀られている本堂があります。
弥山山頂から距離があり、しかもロープウェー乗り場とは逆方向にあるため、さすがに奥の院まで足を伸ばす登山客は稀なようです。しかし、だからこそ静寂と霊気をしっかり感じられるとの口コミもあり、時間と体力に余裕があれば参拝しておく方がいいスポットです。
弥山から下山したら、食べ損ねた朝食も兼ねて早めのランチ。宮島名物の牡蠣とあなご、あなたはどちらを選びますか?
弥山から下山したら、厳島神社周辺の飲食店がぼちぼちオープンする時間帯になっているはず。一旦宿に帰ってチェックアウトを済ませたら、食べ損ねた朝食を兼ねて早めのランチはいかがですか?
牡蠣屋
宮島内での必食グルメといえば、どちらも宮島名物の牡蠣とあなごめし。もしあなたがすでに穴子飯を体験済みであれば、宮島で人気の牡蠣料理専門店・牡蠣屋での牡蠣づくしランチがおすすめです。
牡蠣屋の名物・牡蠣屋定食は焼き牡蠣、カキフライ、牡蠣のオイル漬け、牡蠣飯、牡蠣の赤だし、牡蠣の佃煮、そして牡蠣のドレッシング付きのサラダが一度にまとめて出てくる、牡蠣好きにとっては流涎ものの牡蠣盛りだくさん定食。広島産牡蠣の中でも最高級の地御前産かきを思う存分に楽しんで、お値段 税込2365円は明らかにお得。ワインも多数取り揃えてあるので、牡蠣をつまみに優雅なひとときを楽しむのもいいかもしれません。
一方、あなごめしがまだの場合は、宮島内であればあなごめし和田とあなごめしふじたやの2店がおすすめ。ともにミシュラン掲載店で、開店前からものすごい数の観光客が集まることで知られています。
あなごめし和田
あなごめし和田のあなごめしには瀬戸内海産の穴子を使っていて、身がしっかり引き締まった穴子に甘口の醤油だれをサッとくぐらせて焼いた上品な味付けになっています。これに合わせるご飯は、穴子に合わせるために選ばれた南魚沼産コシヒカリ。アナゴとご飯だけというシンプルな料理でありながら、他店のあなごめしとの違いをしっかり感じさせてくれる一杯に仕上がっています。
あなごめしふじたや
一方のあなごめしふじたやでは地元宮島産の天然穴子にこだわり、独自の焼き方で時間をかけてふっくらした焼き上がりに仕上げます。焼き上がった穴子の身からは脂の旨味がじんわりと感じられ、この一杯で天然アナゴそのものの味を思う存分堪能できるようになっています。
同じあなごめしでも、お店によって焼き加減や味付けは様々。胃袋に余裕があれば、あなごめし和田とあなごめしふじたやで食べ比べをするのもおすすめです。
ランチを終えたら、午後はこれまでの活動の疲れをとるべくまったり休憩。宮島内でおすすめの休憩スポットは…
ランチを終えたら、午後はこれまでの活動の疲れをとるべくまったり休憩といきましょう。
牡蠣祝
宮島内の休憩スポットとして僕がおすすめする場所が2カ所あります。まずはあなごめし和田のちょうど真上あたりにお店を構える宮島随一の絶景カフェ・牡蠣祝。開放感のある客席のどこからでも五重塔と瀬戸内海を見渡せて、めっちゃ贅沢なひとときを満喫できます…
インスタ映えも間違いなしの牡蠣祝で、瀬戸内海を臨む絶景を前にまったり休憩しませんか?ここなら、都会のカフェではまず得られない至福の時を過ごせると思いますよ。
千畳閣(豊国神社)
もう1カ所おすすめなのが、これまたあなごめし和田のすぐ近くにある千畳閣(豊国神社)。豊臣秀吉が1598年に建設を命じた千畳閣、残念ながら秀吉の死後は未完のままになってしまいましたが、その千畳閣にはなんと畳が857枚も敷けるほどのスペースがあり、宮島内でもNo.1の大きさを誇る建造物として今に残ります。
それほど広大なスペースがあるのですから、1人や2人床で大の字になって寝ていたってどうってことないわけです。まあ、本当に昼寝してしまうのは常識的にどうかな…と思いますが、少なくとも床に座って足を伸ばす程度なら全然問題ありません。
入場料たったの100円(小中学生 50円)で時間制限なく思う存分休憩できるのですから、歩き疲れた時にここを利用しない手はないですよね。また、厳島神社を見下ろす位置にある千畳閣からの眺めもなかなかのものですよ…
大聖院:帰りのフェリーに乗る前に確実に行っておきたい宮島最古のパワースポット
ゆっくり休憩して体力と気力を回復させたら、帰りのフェリーに乗る前にもう一カ所立ち寄ってみませんか?
大聖院は大同元年(西暦806年)に空海が開基した、真言宗御室派の大本山。本堂が鳥羽天皇の勅願道場として創建されたことから皇室との関係が深く、また豊臣秀吉が茶会を開いたこともあるという格式の高い寺院です。
この大聖院は宮島最古のパワースポットとしても知られていて、地元の人は厳島神社を通り過ぎて大聖院へお参りに行くそうな。一番奥にある大師堂の裏には、ここにお参りすればたった1つだけどんな願いも叶うと言われている一願大師が祀られているので、参拝に来たら絶対に参拝するようにしましょう(そういう僕は、一願大師の存在を知らずにスルーしてしまったんですけどね…)。
一方、大聖院は「寺院のテーマパーク」としての顔も持っていて、500体ものお地蔵様がズラリと並ぶ「五百羅漢園」や遠くの壺に投げ入れられると願いが叶う「ねがい玉」、狭くて暗い本堂地下を手探りで通り過ぎる「戒壇めぐり」など見どころが盛りだくさん。帰りのフェリーに乗る前に必ず訪れておきたい、宮島内の定番観光スポットです。
帰り道の宮島表参道商店街でお土産購入を忘れずに…
宮島観光の最後は、表参道商店街でのショッピングで締めましょう。約70店舗が軒を連ねる宮島のメインストリートでは、定番のもみじまんじゅうから宮島内でしか購入できないものまで、ありとあらゆるお土産用商品が販売されています。友人・知人の顔を思い浮かべながらお土産を選ぶのも旅行の楽しみの1つ。思う存分買い物も楽しんで、満足感をmaxまで高めてから帰りのフェリーに乗り込むことにしましょう!
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