福島三大ご当地ラーメンの一角に数え上げられながら、全国的に有名な喜多方ラーメンや、とら食堂に代表される白河ラーメンと比べて知名度の弱い郡山ブラック。その郡山ブラックの元祖と言われるますや本店には、郡山に着いたら真っ先に行くと決めていたんです。
福島空港からリムジンバスに乗って郡山駅前に着いたのが午後1時頃。そこから本店であるますや本店 台新店までは、路線バスに乗り換えて約20分の距離。やはり地方都市、バスの本数が少なくて(加えて途中の渋滞もあって)お店への到着が遅くなりそうですが、ちゃんと定休日は外してあるし、昼夜通し営業であることも食べログで確認済み。バスの車内で「これで郡山ブラックにありつける〜!」と喜んでいたところ、現地に着いたらまさかまさかの売り切れ閉店。後でネット検索すると、台新店は現在昼のみ営業という情報も…
そんなわけで、失意のまま郡山駅までUターンしてきたのですが…これぞ不幸中の幸い、駅前の飲食店エリアの中に夜のみ営業のますや本店 駅前店があるのを発見!もしかして、「昼は台新店、夜は駅前店」という営業スタイルなのでしょうか?それはさておき、とりあえずコンビニで空腹を満たし、ホテルにチェックインして夕方にこの駅前店で郡山ブラックを試してみることにしたのです…
意外なことに超がつくほどの老舗…郡山ブラックの元祖・ますや本店はこんなお店
郡山ブラックの元祖と言われるますや本店ですが、そのルーツは明治元年創業の「ますや食堂」に行き当たります。
店名の「ますや」は創業者の柴原マスさんの名前をとったもので、郡山駅前で創業したこのお店は平成15年に一旦店を閉じることになります。しかし、ますやの味が失われることに危機感を覚えたご主人(マスさんのひ孫にあたる方です)が、新たにますや本店としてラーメン屋をオープンして今に至ります。
今回ご紹介する郡山ブラックは、前身のますや食堂で昭和20年頃から提供されていたようですね。つまり、この郡山ブラックだけでもすでに80年近い歴史があるということになります。
このますや食堂の味がベースとなって郡山市内のラーメン店にブラックラーメンが拡散(以前は親族営業の「ますや分店」という名のお店もあったそうな)。その特徴である「真っ黒な醤油スープ」をメディアが「郡山ブラック」として紹介したことから、郡山市のご当地ラーメンとして注目されるようになったというのが、郡山ブラックについての簡単な歴史です。
さて、その元祖郡山ブラックの味を引き継ぐますや本店 駅前店は、15人ほどの客席をご主人1人で切り盛りしている小さなお店。ここで食べられるラーメンは…
- 伝(いわゆる郡山ブラック) 770円
- 新(鰹節と豚骨の合わせスープ) 770円
- 煮干し中華そば 750円
の3種類(値段は税込)で、おそらく台新店では食べられるはずの「元(昭和初期に作られていた鰹節系スープのラーメン)」はこの日のメニューにありませんでした。メニューに「元」がなかったのはちょっと残念でしたが、元々僕は「伝」を食べるつもりで来てますし、「元」の方は次に郡山に来た時の宿題とすることで一件落着。
ますや本店が作る元祖郡山ブラック「伝」は、今まで食べてきたブラックラーメンの中でも…
それでは、ますや本店が作る元祖郡山ブラック「伝」をご紹介しましょう。画像はこちら…
黒々とした醤油スープの色は、今まで食べてきたブラックラーメンと比較しても遜色ありません。
では、スープを一口…ブラックラーメンのスープって、見た目は濃そうだけど飲んでみたらあっさり!ってパターンが多いのですが、ますや本店の元祖・郡山ブラックは僕が今まで食べてきたものの中でも一番醤油味は控えめですね。その一方で鶏ガラベースの出汁や脂のコクは濃厚で、その旨味が割としっかり舌の上に残ります。
あっさり過ぎず、尖り過ぎず、昔ながらの鶏ガラ醤油ラーメンのようでいて、でも旨味が強化されていて何かそれともちょっと違う…言葉で表すのは難しいのですが、全体的にはバランスが取れていて、多くの人に受け入れられやすい味になっていると思います。
これに対する麺は、注文時にちぢれ麺とストレート麺のどちらかを選択できます。今回は人気のあるちぢれ麺を選択しましたが、さすがにスープの吸い上げは良いですね。口の中に動物系の旨味が広がります。麺そのものはやや加水率が高めな感じですが、プリプリでももちもちでもなく、素朴な感じというか、ちょっと存在感控えめな印象です。
トッピングは薄切りロースチャーシュー2枚に刻みネギ、ほうれん草、ナルト、メンマとオーソドックスですが、チャーシュー1枚が丼の表面を横断するほど大きいです。昔ながらのチャーシューで懐かしく食べられるのですが、ラーメン一杯の値段から考えるとこのサイズのチャーシュー2枚はお得感がありますね。
こんな感じで、それほどインパクトは強くないんだけど、やっぱり普通とは違う…昔ながらの中華そばの味を守りつつも、さりげなく個性を加えて味を進化させた感じの一杯になっています。インパクト重視の都心部のラーメンと比較して、悪い意味ではなく地方の素朴感のようなものがありますね。何回食べても食べ飽きない、普段使いに適したラーメンのように感じます。
ちなみにネット上には、ますや本店 駅前店についてこんな口コミもありました…
元祖・郡山ブラックは通販でお取り寄せ可能!ますや本店 駅前店へのアクセスは、最寄り駅のJR東北本線・郡山駅から徒歩2分
そんなますや本店の郡山ブラックは、Amazonや楽天の通販でもお取り寄せが可能です。また、お土産用として郡山市内の百貨店などでも売られているので、ラーメン好きの友人へのお土産として買うのもいいかもしれません。下に通販ページへのリンクを貼っておくので、興味があれば一度お試しください。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
P.S. 郡山にはこんなラーメン屋もあって驚きました。都心部のラーメン屋に負けないくらいの相当な人気店のようです…
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