山形で寿司と言えば…山形市のいしやま寿司、鶴岡市の八方寿司と並んで寿司好きの食いしん坊の間で必ず名前が上がってくる、山形県酒田市の寿司割烹こい勢(こいせ)。漁港がある酒田市のお店なので、いつ訪れても新鮮な地魚を中心とした魚介が楽しめるのはもはや確定事項と言ってもいいくらいなのですが…
実際利用してみると食べログやフードブログなどの口コミ以上に凄かったんです。何が凄かったのかはこの後のお楽しみ。ぜひこのまま記事を読み進めていってください…
最近高級感ある新店舗にリニューアル!酒田の名店・寿司割烹こい勢はこんなお店
寿司割烹こい勢は創業1971年の老舗で、東京で修行を積んできたご主人による江戸前寿司を提供するお店。以前は地域密着型の寿司屋のような店舗で営業していましたが…
つい最近、隣の敷地にできた高級感あふれる新店舗へ移転したようです。通りからちょっと奥まったところにあるので、旧店舗に気を取られていた僕は新店舗に気づかずに通り過ぎてしまいました。
お店に入って奥に続く通路をまっすぐ進んでいくと、左手にL字型のカウンター席が9脚ありました。他にも奥に小さな座敷、多分2階にも宴会用のスペースがあるっぽく、比較的大人数にも対応できそうなお店です。カウンターで寿司を握るのはご主人1人。寿司屋の大将って威勢が良くて怖いイメージがありますが、こい勢のご主人はすごく物腰柔らかい人なので、カウンターでの寿司が初めて…という人でも安心して利用することができます。
こい勢では全メニュー値段表記で明朗会計!予算に合わせて安心して寿司をつまめます
そんな寿司割烹こい勢のメニューは…
全メニュー値段表記で明朗会計!このメニューを見ながら注文すれば、その日の予算に合わせて安心してお寿司をつまめるのが嬉しいですよね。しかも、1品1品のお値段も東京や京都、大阪ではあり得ないくらいの激安価格!そりゃあ人気出ますよ、このお店…
ただ1つだけ注意が必要なのは、昼夜問わず事前予約すると「特選 旬のおまかせ握り」の注文が必須となります。とは言っても、おまかせ握り10貫でお値段3300円(値段は税込)って都心部の高級店の4分の1くらいの値段ですからね。それを考えれば回らない寿司でこのお値段、全然恐るるに足らずでしょ!
特選 旬のおまかせ握り:こい勢の予約客には注文必須のコースは確かに満足度高かった。でも、もっと凄かったのが…
というわけで、今回は寿司割烹こい勢の特選 旬のおまかせ握りをご紹介。全部で10貫の江戸前握りを順にご紹介していきますね…
スルメイカ
最初の1貫は柚子塩で味付けされたスルメイカ。細切りにされたイカの身が口に入るとシャリと共にほどけていって、ねっとり舌に絡んで濃厚な旨味をダイレクトに伝えてきます。
ノドグロの炙り
続いてこい勢の一番人気とご主人が謳うノドグロの炙り。やっぱり脂の乗りは半端ないですね…口に入れるとその脂が焦げた香ばしい香りがふわっと鼻に抜けていき、舌の上では濃厚な脂と塩が一体となって悶絶ものの旨味を放ってくれます。
イシナギ
3貫目はイシナギ。聞き馴染みのない魚で、僕も今回食べるの初めてなんですが、Wikiで調べてみるとスズキの仲間なんだそうな。どことなく鶏肉のような食感があり、身からはほんのりと甘みを感じます。味付けは柚子胡椒ポン酢で、ノドグロの後に口の中をさっぱりさせてくれました。
鯛の湯引き
4貫目は鯛の湯引き。固い皮が湯引きで柔らかくなって食べやすくなり、表面は熱が通り中はレアという、刺身とは違った鯛の食感を楽しめます。ネタが厚めにカットされていて、歯応えも十分に楽しめました。
鱈の昆布締め
鱈の昆布締めは胡麻や梅肉などでカラフルな見た目で登場。見た目はちょっと回転寿司の創作系っぽいのですが(失礼!)、味はやっぱり回転寿司とは別物で、昆布締め効果で身の水分が抜けて旨味が凝縮し、噛み締めていくと後から昆布の出汁感がじんわりと舌に広がっていきます。
ガサエビ
6貫目は日本海側でしか獲れない幻のえび・ガサエビ。身はプリップリで、甘エビを上回る濃厚な甘みを持っています。関西では滅多に食べられない希少なネタに歓喜したのは言うまでもありません。その上、卵をつけてくれていてさらにお得な気分…
ウマヅラハギ
ウマヅラハギの握りは上にもみじおろしと肝を乗せてポン酢で味付けしたオーソドックスなスタイル。身は歯応えがありながらあっさり淡白系。ウマヅラハギで気になる臭いは全く感じず、肝の濃厚な旨味とポン酢の爽やかな香りが口いっぱいに広がっていきます。
イワシ
イワシには赤酢のシャリを使用。ネタの鰯は肉厚で脂も濃厚。イワシ独特の臭いは赤酢と生姜で中和されていて、かつ赤酢のまろやかな風味が身の旨味をしっかりと引き立ててくれています。
近海本まぐろ
そろそろラストに近づいてきた9貫目は近海本まぐろ。見た目にもしっかり脂が乗っているのがわかりますよね。口に入れるとマグロの身はスーッと溶けてなくなっていく感じで、脂の甘みと赤酢のまろやかな酸味が幸福体験として口の中の記憶に残ります。
バフンウニ
ラストの10貫目は橙色に輝いたバフンウニ。ムラサキウニよりもねっとり濃厚な甘みがあって、喉元を通り過ぎた後もしばらくその余韻を楽しめます。ウニの量も十分すぎるくらいあって、ウニ好きには歓喜ものの一貫。これが最後に出てきたら、幸せ気分のままコースを終えられること間違いなしです。
これにエビで出汁をとったお味噌汁がついてお値段 税込3300円。江戸前寿司の基本に忠実な「仕事」がそれぞれのネタに施されていて、ネタによっては赤酢のシャリを使ったりと、酒田にいながら江戸前寿司の魅力は十分に堪能できます。ノドグロや本鮪、ウニなどの高級ネタもちゃんとコースに含まれていますし、それぞれ単品で注文するよりもお値段的にお得。このコースなら「注文必須」になっても僕は全然苦になりません。
でも、寿司1貫のサイズが他店の2/3くらいで小さめなので、このコースだけだと女性でもお腹いっぱいにならないんじゃないでしょうか?燃費の悪い僕なんか言わずもがなで、コースもう一周くらい余裕でできそうだったので、ご主人にお願いして追加で握ってもらいました。
というわけで、ここからはあくまでコース外の追加注文だということをご了承ください。でも、この追加注文からご主人の仕事が一気にスピードup。なんか僕、ご主人のやる気に火をつけちゃったみたいです。しかも、出てきたお寿司もさらにパワーアップ。ひょっとして今までのおまかせ握りは前座?って感じでした…
名残りのズワイガニ
2巡目の始まりは名残りのズワイガニから。ほぐした身を蟹味噌と混ぜ合わせてあるので、本来の身の濃厚な甘みと旨味に蟹味噌のコクが加わって、言葉では言い表せない強烈な旨味のインパクトを放ちます。
鱈の白子の炙り
ここで山形の冬の名物・鱈の白子が登場!今回お酒飲まないし…と我慢してたやつ。まさか握りで出してくれるとは…
ここは余計な言葉はいりません。ご想像通り、とろっとろでクリーミー。表面の炙りも効いていて、口の中に入った瞬間、香ばしさが心地よく嗅覚を刺激します。これが食べられるなら、僕は痛風になっても本望ですわぁ…
本カワハギ
一般的にはウマヅラハギより高級とされる本カワハギ。そもそも仕事が違うので比較はしませんが、こちらもぷりぷりの身にクリーミーな肝の食感の組み合わせがいい感じ…
青柳
青柳とはバカガイの足の部分。江戸前寿司の定番ネタで、独特のクニュッとした食感が特徴。このクニュッとした食感が好き嫌いをはっきり分けるところですが、味自体は優しい甘味があって、変なクセもなく食べやすいです。
ホッキ貝
青柳に続くホッキ貝。寿司ネタの中では高級食材とされるものの1つで、肉厚な身の中に芳醇な甘味を含んでいます。そのホッキ貝の自然な味を楽しむために、味付けは少量の醤油のみ。そういえばホッキ貝を食べるの、苫小牧のマルトマ食堂以来だなぁ…
鮑の炙り
さらに高級食材が続きます。鮑の炙りは身がコリコリで、炙り効果で香ばしく、上に乗った肝で磯の香りもアドオンされて、この上なく「海」を感じる一握り。
サヨリ
インパクトの強い鮑の炙りから転じて、ここで上品系の魚・サヨリの登場。半透明の身はツルッとしていて、淡白でありながら噛み締めると後から青魚系の旨味がじんわりと広がってきます。上に生姜がチョンと乗っていてここで一旦口の中をフレッシュな状態に…
穴子
穴子はこのように半分に割って、詰め醤油と塩の2つの味つけで出してくれました。身はふわふわでありながらわずかに噛みごたえがある硬さで、小さいながらも「穴子食べた!」という感覚を残してくれます。元々身を甘く煮付けてあるのですが、サヨリとの対比効果もあって甘味がさらに濃厚に感じられました。
車海老
車海老も穴子と同じく、半分に割って醤油と塩の2つの味付けで出してくれました。身がぷりぷりなのは言わずもがな。まろやかな赤酢の酸味が車海老の旨味を一層引き立てています。
しめ鯖
しめ鯖はネタが長く尾をひくようなスタイルで出してくれました。身は厚く歯応えがしっかりとしていて、程よい酸味が鯖の独特なクセを完全に中和してさっぱりといただけます。
トラフグの白子
そしてご主人が「これで最後でいいですか?」と出してくれたのがトラフグの白子。「海の宝石」とまで言われる高級食材をここで出してくれるとは…もう、目から汗が吹き出しそうになりましたね。
表面を焦げ付かない程度に炙ってあって、見た目マシュマロのような質感があります。その見た目に違わず口に入れるとふわふわ食感で、中から濃厚なクリームが溶け出してくるかのような旨味の洪水が…もう「ヤバい」としか言いようがありません。まだまだ厳しい寒さが残る東北の冬ですが、こんなものが食べられるなら「頑張ってこの時期にやって来て良かったなぁ…」と思えます。
トラフグの白子の後に玉が出てきて2巡目のコース終了。まさかコース2巡するとは思いませんでしたが、それも1巡目のコースに満足だったからこそ。2巡目突入で全体的にネタがグレードアップしたのも嬉しかったですが、まさか2種類の白子を寿司で食べ比べできるとは思いませんでした。これだけいろいろな味を楽しめたのですから、寿司1貫のサイズが小さめなのはむしろ喜ばしいことなのかもしれません。
あと1つ、これも言っておかなければなりません。それはこい勢のシャリの凄さ。米粒1粒1粒が過去に経験がないくらい筋肉質というか、大きくてぎゅっと詰まっている感じなんです。なんでも、こい勢ではシャリに地元酒田産の完全無農薬ササニシキを使っているんだそうな。その完全無農薬ササニシキを使ったシャリにはネタに負けない重厚なインパクトがあって、今までに食べてきた寿司と比べて別次元の存在感を感じられました。
さて、そろそろ気になるお会計を発表しましょうかね。いくらだったと思います?おまかせコース3300円に寿司11貫追加して、ドリンクは烏龍茶1杯、これで総額8000円をちょっと超える程度でした。凄すぎません?寿司のサイズを差し引いて考えたとしても、都会の高級寿司店なら平気で20000円超えると思いますよ。これに1泊分のホテル代を追加しても都会の寿司屋より安いんですから、もはや全国の高級寿司屋さんのライバルと言っても差し支えないでしょうね。実際、こい勢は食べログの寿司百名店EASTにも選出されているし、全国各地からこのお店目当てに訪れる観光客も少なくないんじゃないでしょうか。
ネット予約も可能!寿司割烹こい勢へのアクセスは、最寄り駅のJR羽越本線・酒田駅から徒歩5分
そんな酒田の名寿司店・寿司割烹こい勢は、なんとネット予約にも対応しています(予約は利用日の1ヶ月前から)。この記事を見てお店のことが気になったあなた、下にネット予約用のボタンを貼っておくので、このままポチッとしちゃってくださいな。えっ、山形に住んでないって?そんなの気にしない。こい勢の常連さんの半分は県外の人らしいですし、寿司好きならきっと後悔しないと思いますから…
予約するそれでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
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