北海道の海の玄関口・苫小牧市に、たびたびテレビで放映されるマルトマ食堂というお店があります。とてつもなくコスパが良い海鮮メニューが目白押しで、それを目当てにやってくるお客さんで、場合によっては3時間待ちの行列になることもあるのだとか。
そのマルトマ食堂、本来は漁師さん相手に営業している魚市場内の食堂なので、営業開始が朝5時と早く、ランチタイムを過ぎた頃には閉店してしまいます。では、待ち時間を少なくするためには何時くらいに行くのがベストなのか? もしかして開店前からも行列ができているのか?それを検証するために、ある日の朝4時起きして苫小牧漁港に向かったのでした…
苫小牧の超人気店・マルトマ食堂には平日の朝5時から行列ができるのか?検証してみた
マルトマ食堂があるのは、JR苫小牧駅から2.5kmほど離れた卸売市場の中。苫小牧駅近くに宿をとっていた僕は、日の出前の4:30頃に宿を出て、歩いて漁場方面に向かいます。
参考情報:もし早朝ではなく日中にマルトマ食堂に向かうなら、苫小牧駅前からお店の近くまでバスが使えます(22番系統 ぷらっとみなと市場前バス停下車)。でも時刻表を見る限り、1日に数本しか走っていない路線のようですね。なので駅前から長距離を歩くのが難しければ、レンタカーかタクシーが必要です。
少しひんやりした早朝の空気を感じながら漁港に着いたのが、開店10分前の4:50頃。ほとんどの人が布団に入っているはずのこんな時間にも、行列ってできるものなのでしょうか?結果は…
僕の前に先客1人。いるんですねぇ、やっぱり。失礼ながら、その後ろ姿から相当な食いしん坊とお見受けしました。朝から海鮮丼2〜3杯くらいイっちゃうつもりでしょうか?
そして僕の後も、タクシーを使ってやってくる観光客がちらほら…その後10分程で、10人前後の立派な行列ができあがりました。食いしん坊の執念、恐るべし…
さて、朝5時の開店時間になると、お店の人が店内に招き入れてくれます。観光地化された感のある札幌場外市場の北のグルメ亭とは対照的に、何の飾り気もないこぢんまりとした定食屋ですが、壁だけでは足りずに天井まで埋め尽くす有名人のサイン色紙やメディア掲載記事が…マルトマ食堂にそれだけ取材対象となりやすいインパクトがあるのは明らかですね。
ホッキ貝を使用した数々のメニューに新鮮な海の幸を使った海鮮丼がズラリ…しかもお値段は超破格!
そんなマルトマ食堂で食べられるメニューと言えば、まずは代名詞とも言えるホッキカレー(お値段 税込1200円)。ホッキ貝の水揚げ量全国一・苫小牧市のアピールに重大な役割を果たしたこのメニューを筆頭に、ホッキ丼やホッキ貝の刺身などホッキ貝メニューがフルコース状態。
それに加えて、海鮮丼一番人気のマルトマ丼やいくら丼、ホタテ丼、甘エビ丼、サーモン丼など、ヨダレがしたたる海鮮丼メニューもズラリ…しかも、お値段も超破格なんです。なにせ…
生うに丼が千円札2枚でお釣りが返ってくるってあり得ます?「実はウニちょびっとしか入ってないんじゃないの?」と疑ってしまいそうになる価格設定ですよね。
そんなマルトマ食堂の数々の海鮮メニューの中で、僕の目を一際引きつけたのがこちら…
「極上」「特大」という2つのパワーワードがついた最上級の生うに丼。元値が8980円って、一体どんなウニなんですか…もう、僕の好奇心はmaxです。はっきり言って僕の舌にはオーバースペック感が満載ですが、この「極上函館産 特大生ウニ折丼」、いっちゃえ!
特大生ウニ折丼:函館産雲丹を使った最上級うに丼、明らかにオーバースペックでレビュー不能に陥る
というわけで、目の前に登場した極上函館産 特大生ウニ折丼。名前に「折」とついているように、普通のうに丼とは違ってこんな感じで出てきました…
折の中に大粒の生ウニが6×8=48粒!整然と並んでいる姿は圧巻です。これ、お持ち帰りでお土産にしたら絶対喜ばれるやつですが、保存の効かない生ウニですからね…大変残念ですが、ここで食べ切るしかありませんね♡
まずは折から雲丹をすくい出して、ご飯の上にトッピング。これ、やってみて初めてわかったのですが、綺麗に盛り付けるには技術が要りますね。隙間の全くない折の中から雲丹を取り出すのに、相当上手にやらないとせっかくの雲丹が潰れてしまいますし、表面に凹凸があるご飯の上に見栄え良く並べるのも一苦労…僕の技術ではインスタ映えしそうな盛り付けにはなりませんでしたが、牛丼大盛りサイズある丼一面を黄金色に覆い尽くすことはできました。
では、念願の実食!生ウニと白ごはん、お好みでわさび醤油。以上。こんなシンプルな食べ物が、どうしてこんなに美味いんでしょうか?うにの芳醇な旨味と濃厚な甘味、そこに少量たらしたわさび醤油の鮮烈な香りとほのかな塩分が口の中でマリアージュ…雲丹好きのあなたには、もうこれ以上の言葉はいりませんよね?
ただ、1つだけちょっと残念なお知らせ。「特上」と銘打ったこの生ウニですが、保存のためにミョウバンが使われています。
そのため、もしあなたが美味しんぼの主人公・山岡士郎クラスの鋭敏な舌をお持ちなら、ミョウバンの苦味なんかが感じられるかもしれません。まあ、普通の舌しか持っていない僕なんかには、その味の違いは全然わからないんですけどね。えっ、「だったら特上にしないで普通のうに丼でいいじゃん?」ですって?それはごもっとも…
ホッキカレー:高級食材・ホッキ貝がたっぷり入ったマルトマ食堂の看板メニュー、ただデカ盛りなだけではなく…
そしてもう一品。こちらがマルトマ食堂の看板メニュー・ホッキカレー。看板メニューと言ってもマルトマ食堂のオリジナルというわけではなく、元々苫小牧では一般家庭のカレーにホッキが入っていたそうな。
昔の苫小牧では肉よりホッキ貝の方が安く手に入ったのがその理由。そのホッキ入りカレーをご当地B級グルメとしてアピールしたのがマルトマ食堂の先代店主で、それ以来「ホッキカレーと言えばマルトマ食堂」というイメージが全国に広まったのでした。
それはさておき、アルミ製の大きなお皿にデカ盛りのホッキカレーが運ばれてきましたよ…
お断りしておきますが、大盛りではありません。普通盛りです。そしてカレーの量もすごいですが、ルーに入っているホッキ貝の量も半端ないです。ホッキ貝って、一応寿司では高級ネタの1つなんですけどねぇ…
では、実食とまいりましょう。カレールーはほっこりしたお家カレー風で、想像していたよりかなり甘めの味になっています。でも、実はこれは元々甘い味付けをしているのではなく、ホッキ貝から出てくるエキスの甘さのせいなんです。
ルーそのものにはそれなりにスパイスが効いていて、おそらく中辛くらいの辛さに調整されている気がします。言ってみれば、大阪発の甘辛カレーに対して、北海道版の甘辛カレー。でも甘味の質が全然違って、フルーティーで舌に残る甘味ではなく、より爽やかでキレの良い甘味…といった感じです。
そしてホッキ貝ですが、身にあまり熱が通っていないのが分かるクニュクニュしこしこの食感…これは並ぶ覚悟でわざわざ漁港にやって来た人への特権でしょうね。そして貝の身を噛めば、そこから新たに貝の旨味がじわ〜っと…もう、ホッキ貝が好きな人にとっては天国でしょうね、きっと。
ホッキカレーは通販でお取り寄せできます!マルトマ食堂へのアクセスは、最寄り駅のJR室蘭本線・苫小牧駅から徒歩30分
最後にマルトマ食堂のホッキカレーは、レトルト版がAmazonや楽天の通販で購入できます。苫小牧で生まれ育ったご当地シーフードカレー、いつもと違ったカレーを食べたくなった時、1回試してみてはいかがでしょうか?
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
P.S. 北海道で美味しい海鮮丼をお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
P.P.S. もう一つ、苫小牧で有名なご当地グルメをご紹介…
コメントを残す