地元民しか通らないようなディープな場所にある京都西陣の小さな洋食店・河村食堂(かわむらしょくどう)が最近かなり人気のようです。ホテルで修行した店主が独立して2012年11月に創業したお店で、あまりにも場所がディープ過ぎて「Googleマップでも一発で出ない発見困難店」として紹介しているブログもあるくらいです(注:今は普通に検索で出てきます)。
そんなディープな洋食堂ではどんな料理を食べさせてくれるのか?興味を持った僕は、とある土曜日の開店前を狙って河村食堂を訪問。「Googleマップでも一発で出ない」という口コミも含めて検証してみることにしました…
3階建ての民家を改装した小さな小さな洋食店…京都西陣の人気店・河村食堂はこんなお店
河村食堂は堀川通の東側にある小川通という小さな通りから、さらにちょっと中に入った場所にあります。この辺りは西陣とは言っても東端に近く、昔の風情が味わえる観光地ではなく正真正銘の住宅地。今はGoogleマップで正しく場所が表示されるのでスマホがあれば迷うことはないと思いますが、「ここは確かに地図がないと見つけられないなぁ」と感じました。
その小川通を歩いていると、こんな小さな看板が出ています。ここが河村食堂の入り口で、ここから細い路地を東に向かって入っていくと、3階建ての民家の1階にお店を見つけることができます。
僕がお店に到着したのが開店時間30分前の11:00頃。無事ポールポジションをゲットして、路地に6脚置かれた丸太の椅子に座って開店まで待機となりました。この日は開店時間の10分前にお店を開いてくれたのですが、開店時で店頭にいたお客さんは僕を含めて7人でした。どうやらこの時間までに到着できれば一巡目で入店できそうですね。また、僕がお店を出る時には店頭に記名帳が出ていたので、仮に満席で入店できなくても長蛇の行列に並ぶ必要はなさそうです。
店内は黄色にペイントされた壁と木材を使ったポップな内装で、店主の奥様と思わしき女性と若いバイトさん1人がフロアを切り盛りしていました。食べログ情報では河村食堂の客席数は10席となっているんですが、その後に改装したんでしょうね…今は2階の半分も客席として使われていて、1階に2〜4人がけのテーブル席が5卓、2階に4人がけのテーブル席が2卓ありました。スペースはかなりこぢんまりとしているので、仲間内で利用するにしても4人までに留めておくほうが良さそうです。また、小さな子供連れでも快く受け入れてくれそうですが、子供用ハイチェアの用意はなさそうなので、その辺りで少し苦労するかもしれません。
ハンバーグ&海老フライ&オムライス:洋食の3大メニューをワンプレートにした河村食堂の豪華ランチ…そのお味はいかに?
それでは、今回僕が河村食堂で注文したハンバーグ&海老フライ&オムライス(お値段 税込2200円)をご紹介しましょう。まずは注文してから約15分、目の前に運ばれてきたカップスープで飢えたお腹と喉を少し落ち着けます…
一緒に出てきた瓶の中身はサラダ用の自家製ドレッシングで、ヨーグルトのようなとろみとフルーティーな甘味が特徴的。これを使えば、野菜嫌いな人でもデザート感覚で食べられちゃうんじゃないかな…という気がします。
そしてその数分後、目の前に待望のハンバーグ&海老フライ&オムライスがワンプレートで登場したのですが…
デミグラスソースがたっぷりとかかったゲンコツ型のハンバーグに中くらいの大きさのエビフライが2尾、そしてその背後に横たわる紡錘形のオムライス…洋食の3大メニューとも言えるこれらがワンプレートに乗った姿を見て食欲を掻き立てられない人って、果たしてこの世に存在するんでしょうかね?
さて、この3つのうち、どれから食べ始めましょうか…しばし考えた結果、今回はエビフライから手をつけることにしました。このエビフライ、見た目ではわからなかったんですが、かなり実が太くてプリッとしていて驚きました。あと、これにかかっているタルタルソースが甘口だったのも印象的でしたね。めっちゃ子供が好きそうな味のように感じました。
そのエビフライの下に横たわるオムライスは、卵の外殻がしっかり厚めで、中に鶏肉入りケチャップライスが入ったオーソドックスなタイプ。ケチャップライスがベトつかず口の中ではらっと解れ、トマトの酸味が舌に伝わるのと並行してバターの香りがふわっと鼻に漂ってきます。
そして最後のハンバーグは、箸で突くとかなり硬めの感触が伝わってくるハードなタイプ。肉洋食オオタケのハンバーグのように箸が折れそうなほど硬くはないですが、小ぶりながらかなりの食べ応えがあるんじゃないか…と、その感触から想像させます。
で、その硬めのハンバーグに箸入れをした途端、予想外にも箸の側から勢いよく肉汁が…こいつは予想外、危なかったなぁ。下手したら、肉汁で服を汚してしまうほどの勢いで出てきましたよ。もしあなたも河村食堂でハンバーグを注文することがあったら、大事な服を汚さないようにちょっと気をつけておくほうがいいですね。
さて、肝心のハンバーグのお味ですが…佐賀牛A5ランクと山形豚のミンチは粗めでゴロっとした食感があり、そのミンチの隙間からじんわりと滲み出てくる肉汁と共に肉肉しさを存分に楽しめます。その肉肉しさを出すために、丸太町の人気店・グリルデミと同じようにわざわざ塊肉からミンチを作ってハンバーグのタネにしているようですよ。つなぎも極力少なめにしているとのことで、上質な牛と豚の旨味をそのままに近い形で味わうことができます。
そして、その上にたっぷりとかかったデミグラスソースは、溶け込んだ野菜の存在を感じられるような舌触りで、野菜と一緒に煮込んだ牛すじ肉の旨味がしっかり乗り移った濃厚な味。このソースの舌触りだけで、時間をかけてじっくり煮込んだ手間暇が伝わってくるかのようです。その一方でワインの風味や苦味はほとんど感じられず、子供を含めて幅広い層に受け入れられそうなソースになっています。このソース自体は上質で美味しいものなのですが、個人的にはどちらかというとワイルド系のハンバーグとのギャップが少しあるように感じました。
こんな感じの河村食堂の豪華ランチ・ハンバーグ&海老フライ&オムライス、全体的に味付けが甘めの設定になっていて、特に女性や子供には喜ばれそうな印象がありました。一方で、男性には物足りなさが残るかもですね。男性目線からしたら、2200円のランチならもう少しボリュームも欲しいな…と感じるところではないでしょうか。
あと1つ気になったのは、料理が出来上がるまでの時間。僕は今回ポールポジションをゲットしたわけですが、その僕の料理が完成するまでに注文してから約20分かかっています。これが2番目、3番目、それ以降となると…何となく想像出来ますよね?おそらく厨房では店主1人で調理と盛り付けを頑張っているのでしょう。そんなわけで、河村食堂でランチをする時はそれなりに時間的に余裕をもって訪店するほうが良さそうです。
河村食堂のその他のメニュー例(値段は税込)
- お子さまハンバーグ 1100円
- トマトオムライス 1200円
- 海老フライ3尾 1450円
- ハンバーグ&エビフライ&クリームコロッケ 1850円
- オニ玉ハンバーグステーキ 1500円
- チーズハンバーグステーキ 1700円
- 贅沢ハンバーグステーキ 1800円
この他、気まぐれランチプレートというのもありました…
お弁当のテイクアウトもあり…河村食堂へのアクセスは、最寄り駅の京都市営地下鉄烏丸線・今出川駅から徒歩7分
そんな河村食堂では、お弁当のテイクアウトにも対応しています。お弁当メニューはイートインのメニューとはメニュー内容が違っていて、しかも弁当のお持ち帰りなら夕方の時間帯も利用できるのが嬉しいです。お弁当なら事前に電話予約もできるし、待ち時間も最小限で済ませられると思うので、特にあまり時間がない時にはお弁当のお持ち帰りにする方が賢い使い方と言えそうです。特にお店の近くにお住まいの方、テイクアウトの利用も考えてみてはいかがでしょうか?
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
河村食堂 (イタリアン / 今出川駅)
昼総合点★★★★☆ 4.0
住所:〒602-0942 京都府京都市上京区元町 誓願寺下る靱屋町499-23
電話番号:075-200-5578
営業時間:11:30-14:30
定休日:日曜日(臨時休業あり、お店のインスタグラムを要確認)
駐車場:なし(近隣のコインパーキングを利用)
クレジットカード払い:可(電子マネーや交通系ICにも対応)
JR京都駅からであれば京都市営バス9番系統・西賀茂車庫前行きに乗って一条戻橋・晴明神社前バス停で下車、徒歩4分で行けます。
P.S. 京都で美味しい洋食をお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
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