吉本芸人の一言を契機に誕生した大阪の郷土料理・肉吸い。すでにインスタント商品になってコンビニで売られているので、あなたももうご存知かもしれません。
なんばグランド花月近くの老舗うどん店「千とせ」で誕生したこの肉吸い…その実態は「肉うどんのうどん抜き」というシンプルなものでありながら、大阪で肉吸いを提供しているうどん屋さんはそれほど多くないんですよね。おかしいと思いませんか?カップ麺形式で全国で売られていて、ネット上で再現レシピも出ているくらいのメニューなのに、発祥の地・大阪でそんなに広まっていないなんて…
そんな中、今回ご紹介する天満の人気定食屋・一富士食堂さんは、僕の知っている限りでは大阪市内で肉吸いを楽しむことができる数少ないお店の1つ。先日の午前中お隣の南森町で用事があって、その用事を済ませてランチタイムにお店に伺ったのですが…
意外と若者にも人気の老舗大衆食堂…一富士食堂はこんなお店
僕が一富士食堂に向かって天神橋筋方向から歩いていくと、ちょうどお店のあたりに人だかりができているのが確認できました。その人だかりは紛れもなく一富士食堂でランチをするために集まった先客で、僕がお店に到着した11:45頃には先頭から10人くらいの行列になっていました。
この状態から入店までの待ち時間はちょうど30分。まだ12時前なのに、かなりの盛況ぶりですな。ここまでの行列ができるとは正直ちょっと想定外でした。さらに意外だったのが、この時にいたお客さん、店内で飲食していた人も含めて若者が多かったんですよ。この辺りってビジネス街なので、スーツを着たビジネスマンが多いんじゃないかな…って思ってたんですが、実際に行ってみると全然違いましたね。普通に女性1人客もいましたし、誰でも気後れすることなく利用することができそうです。
お店は創業1959年と「老舗」と呼ぶに十分な歴史がありながら、店内はあまりレトロ感を感じさせず、普通に清潔感がある大衆食堂といった雰囲気でした。食べログ情報で一富士食堂の客席数は32席。ただ、テーブルが小さめなので実際の収容力はもう少し少なめかもしれません。また、混雑時は相席も普通に行われるので、プライベート空間を重視する人には少し使いにくいでしょうね。あと、バギーを置くようなスペースもないので、小さな子供連れの場合もちょっとキツいかなぁ…
肉吸い定食+出し巻き:一富士食堂を利用する男性客に大人気の定番の組み合わせ、実際に試してみると…
今回僕が一富士食堂で注文したのは、肉吸い定食と出し巻き玉子のセット(お値段 税込1050+400円)。この肉吸いと出汁巻の組み合わせ、一富士食堂では定番と言ってもいいくらいかもしれません。実際この日にお店を利用していた男性客の7〜8割はこの組み合わせを注文してましたから…
注文を終えてから約5分、まずは出し巻き玉子が先に目の前に運ばれてきました。結構大きくて、居酒屋なら3〜4人でつまむのがちょうどいいくらいのボリューム。もちろん普通に1人前のご飯のおかずとしても成立します。
で、このだし巻き玉子を箸でつまんで…と思ったのですが、想像以上に柔らかくて画像を撮るのに苦労しました。箸でちょっと触るだけでわかるプルプル感、そして断面からジュワーっと溢れ出る透明なお出汁…口に入れるとそのプルプル感がほっぺた全体で楽しめるのと同時に、玉子に閉じ込められていたお出汁が一気に放出されて、口の中全体が心地よい出汁感で満たされていきます。高級感はないのですが、圧倒的なほどの出汁量とプルプル感は大堀史上でも屈指の高レベル。これは確かに、胃袋のスペースに余裕があれば注文必須のサイドメニューかもしれません。
その出し巻きから3分遅れて、目の前に肉吸い定食が運ばれてきました。定食の内訳はメインの肉吸いの他に白ごはんとお新香、小鉢一品。肉吸いのボリュームは十分あるものの、定食としては少し見た目に寂しい気もします。
その肉吸いを実際に食べてみると、お出汁は大阪らしく昆布や削り節ベースの薄味醤油出汁。そこに牛肉の脂が溶け出していて、薄味ながら身体にジワる旨味を携えています。そのお出汁の中にある具材は牛バラ肉と絹ごし豆腐。うどんが入っていない分のスペースを埋めるくらいたっぷり具材が入っているので、肉うどんを食べるよりずっとお得感が高いという噂も…
肉吸いを食べすすめていくと、奥から半熟卵が出てきました。この卵の黄身をうまく活用すれば、すき焼き風にして牛肉を食べられるという楽しみもありますね。
こんな感じの一富士食堂の肉吸い定食、肉吸い単品としてはボリューム満点だし、千とせの肉吸いではオプションだった豆腐がデフォルトで入っていて、これ一品でかなり高いお得感が得られます。ただ、定食にするとお値段増額分と比べてちょっと寂しさが出てくるので、特にご飯を欲してなければ肉吸いを単品(お値段 税込750円)で注文するのがおすすめです。
で、肉吸いで物足りなさを感じる時に、だし巻き卵をセットで注文するのはどうでしょうか?多分、成人男性の胃袋的にも十分満足できるくらいのボリュームは確保できます。この2品でお値段 1000円をちょっと超えるくらいなので、ビジネスマンのランチとして考えてもなかなかコスパの良い組み合わせだと思いますよ。
一富士食堂のその他のメニュー例(値段は税込)
- 親子丼 750円
- 肉うどん 750円
- 日替わり定食(売り切れ御免) 850円
- チキンカツ定食 1000円
- 天丼 1000円
- 焼き肉定食 1200円
- エビフライ定食 1250円
オムライスも名物…一富士食堂へのアクセスは、最寄り駅の京阪電鉄・天満橋駅から徒歩7分
そんな一富士食堂ではオムライスもかなりの人気。実際、このお店では今回ご紹介した肉吸いと出し巻き、そしてオムライスが「三種の神器」と言われていて、ネット上の口コミを見てもオムライスの評判は上々ですね。特にオムライス(大)にすると、ボリュームが半端ないらしいですよ。オムライス好きの方、ぜひ一富士食堂でオムライスを頼んでみてください。そして、その感想を下のコメント欄に書き残していってくれるとめっちゃ嬉しいです。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
JR東西線・大阪天満宮駅(OsakaMetro 南森町駅)からでも徒歩9分で行けます。
P.S. 大阪で美味しい和食をお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
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