創業昭和32年、味噌だれ餃子の名店として名高いぎょうざの店ひょうたん。旧満州から引き上げてきた創業者が始め、その子供たちが店を継いで元町と三宮で仲良くやってきた家族経営のお店に、新型コロナ禍真っ只中の令和2年に転機が訪れました。
餃子の製造を一手に担っていた責任者が病気で倒れ、設備も老朽化していることから、家族会議の末やむなく閉店の決断へ。プロサッカー選手のキングカズなど数多くの著名人が通った老舗の餃子専門店は、多くのファンに惜しまれつつ同年6月に暖簾を下ろしたのです。
しかし、それでもお店を諦めきれなかった三代目がお店の再会を模索していたところ、とある企業が再建の手伝いを申し出ることに。その結果、閉店後1年も経たない令和3年2月に元町店、三宮店共に復活…のみならず、支援企業の方針でひょうたん餃子の味を広めるべく、神戸市各地に全部で7店舗ものお店ができてしまいました。
さて、ある日のお昼時にたまたま神戸三宮にいた僕は、ランチするお店を探すべくスマホをいじってました。ラーメン、ビフカツ、定食…と頭の中を巡らせている中でふと…
と思い至ったんですよね。で、今までにピックアップしていた神戸のお店のリストから今回選んだのが、ぎょうざの店ひょうたん 元町店というわけです…
フードメニューは餃子のみ…ぎょうざの店ひょうたん 元町店はこんなお店
というわけで、今回僕はほとんど前情報なくぎょうざの店ひょうたん 元町店を訪問したのですが、実際に行ってみると想像していたよりずっと小さいお店で驚きました。間口が狭く、店内に入ってもぎりぎりのスペース幅で厨房と客席が奥に向かって伸びています。客席数は食べログ情報で8席とありますが、この日はカウンターの前にスツールが7脚。どうやら僕はこの日の一番乗りだった模様で、奥側のカウンター席に案内されて腰を下ろしました。
さて、元町駅前にある餃子の店・ひょうたんには、フードメニューが餃子1つしかありません。店内に貼ってあるメニューはこんな感じで…
ぎょうざ1人前(7個) 400円(値段は税込)以外にはビール、紹興酒、泡盛…とドリンクメニューが数種類。その隣に(光で反射してしまってますが)…
と書かれた張り紙がされていて、「これはガチの餃子専門店だな…」と感じましたね。同じスタイルの餃子専門店だと、僕の中で思い出されるのは大阪で一番という口コミの多い丸正餃子店でしょうか。1人前のお値段も同じくらいだし、ちょうど良い比較対象になりそうです…
キングカズが愛した神戸名物・ひょうたん餃子を実食レビュー。昭和32年から守られてきた伝統の味噌だれ餃子の味は…
今回僕は、ぎょうざの店ひょうたん 元町店で餃子2人前と烏龍茶(小瓶1本250円)を注文。どうやらここでは餃子を注文してからの待ち時間が10分ほどかかるようで、スマホを眺めながらゆっくり餃子の焼き上がりを待つことにします…
注文してから待つこと約15分、目の前に運ばれてきたひょうたん餃子はこんな感じ。皮の焼き色は控えめにこんがりしていて、きっと弱火でじっくり火を通されたんだな…という印象を与えます。
中の餡は、パッと見で豚肉と野菜が2:1という感じでしょうか。そのまま何もつけずに食べると、肉汁のジューシーさはありませんが、豚肉の旨味がギュッと詰まっている感じはします。一方、ニンニクやニラなどの香味野菜の香りはほとんどしませんね。これなら、人に会う前に大量に食べても相手に不快な思いをさせる心配はなさそうです。
これに対する皮は、側面には滑らかさが残っていたのですが、頂上の皮が合わさったところは水分がなくなってパリッとした状態でした。なので、餡も皮も結構ドライな状態。京都にある泉門天の餃子のように、おつまみ感覚でビールが進む餃子…そこを目指してじっくり時間をかけて餃子を焼いているのかな?と、この時の僕は想像してたんです。
でも過去の口コミを見ると、「ジューシー」「もちもち」といったキーワードが出てくるんですよね。今日の餃子と全然違うじゃん。ということは、昔と味が変わった?もしくは、焼き加減のムラ?今日は若いバイトさん風のお姉さんが焼いていたし…そこは普段使いしていない僕には判断できませんが、パリパリドライなひょうたん餃子もビールに合うことだけは間違いなさそうです。決して「まずい」わけではないので、そこは勘違いのないように…
さて、ここで話は変わって、今度は味噌ダレの話。タレについては店内にこんな案内が貼ってあって…
これに従ってタレの味の変化を楽しんでいくことにします。まずは味噌ダレをそのままで…
赤味噌を調味料で引き伸ばして滑らかにし、ひき肉を足したようなぎょうざの店ひょうたんの特製味噌だれ。味噌だれと言うより、肉味噌と言ってもいいかもしれません。味はちょいと甘口で味噌のコクが濃厚、味噌だれの元祖である元祖ぎょうざ苑のピリ辛味噌だれとは明確な違いがありますね。餃子のタレとしてだけでなく、肉味噌として白ごはんに乗せて食べても合いそうな感じ。
続いて、この味噌ダレに醤油:酢=2:1を注ぎ込んで、味噌ダレをさらに引き伸ばします。油そばの時と同じで、酢を入れると不思議と味がまろやかになるんですよね。
ここにラー油を投入すると、甘口な味噌だれの味がシャキッと引き締まる感じ。元々の味噌ダレが濃厚なので、辛さや香ばしさを効かせるにはそれなりの量のラー油を必要とします。
そして最後におろしニンニク…やっぱりにんにくは餃子に合うと再確認。味噌だれも単体から徐々に味が複雑になっていって、最後にようやく完成形という感じになりました。でも、ちょっとにんにく入れすぎたかも?まあ、午後は仕事ないし、いいか!
こんな感じのひょうたん餃子、餃子をつまみにビールを軽く一杯…という気分の時には完璧に欲求を満たしてくれるお店だと思います。餃子1人前から注文できるし、丸正餃子店とは違って餃子の追加注文ができるので(焼き時間はかかりますが…)、お腹が満足するまで気軽に餃子を楽しめるのも嬉しいところです。
ただ、今回の餃子の焼き加減が昔の口コミとは大きく違っていたのは気になるな…これについては、日を改めてお店を再訪することで確認することにしましょうか。
ひょうたん餃子をご飯と一緒に食べたい人はテイクアウトか通販でどうぞ…ぎょうざの店ひょうたん 元町店は、最寄り駅のJR神戸線・元町駅から徒歩1分
こんな感じのひょうたん餃子、やっぱり白ごはんと一緒に食べたい!という人、いませんか?ご安心を。ぎょうざの店ひょうたんでは、もちろん餃子のテイクアウトもやっています。お持ち帰り用の餃子が1箱2人前、14個入りでお値段 税込830円。もちろんお店特製の味噌だれもついてきます。また、楽天の通販で冷凍餃子のお取り寄せもできるので、気になったらぜひ一度ご自宅で試してみてください。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
ぎょうざの店 ひょうたん 元町店 (餃子 / 元町駅(阪神)、旧居留地・大丸前駅、元町駅(JR))
昼総合点★★★★☆ 4.5
住所:〒650-0022 兵庫県神戸市中央区元町通1丁目11−15
電話番号:078-391-0364
営業時間:11:00-22:00
定休日:無休
駐車場:なし
クレジットカード払い:可(電子マネーや交通系ICにも対応)
JR神戸線・三ノ宮駅からだと徒歩10分で行けます。
P.S. 兵庫で美味しい中華料理をお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
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