かつて「飯炊き仙人」と呼ばれた男性が運営していた定食屋・銀シャリ屋ゲコ亭が大阪府堺市にあります。メディアを通じてその飯炊き名人の炊く銀シャリが絶品との評判が立ち、全国の高級料亭が弟子を修行に出したり、大手炊飯器メーカーも銀シャリの炊き方の秘密を探るために何度も通ったり、さらには中国でも評判になって中国政府に招かれたりと、この飯炊き名人にまつわるとんでもない武勇伝がいくつも残っています。
しかし残念なことに、創業50年を契機に飯炊き仙人は引退を表明し、2013年から (株)フジオフードに経営権譲渡しています。その後もお店は続いているという噂は聞いていましたが、昔とどう変わったのかがずっと気になっていて、ある週末の朝にお店に行ってきたというわけです…
現在の店舗は路地を挟んで旧店舗の斜め向かい…旧店舗をそのまま残してお持ち帰りにも積極的
大通り沿いにあるかつての店舗は、今はお持ち帰り専用のお店として営業しています。店の入り口を開けて困惑している僕に向かって、中のお母さんが「あっち。斜め向かい」と教えてくれたのですが、食堂は大通りから路地を入ったところに移転していて、こちらは相変わらずの大盛況で少し安心しました。
昔の食堂の面影を残した店内はオープンキッチンと客席がほぼ1:1のスペースで、客席には4人がけテーブル席が6卓置いてあります。しかし「そんなの関係ねぇ〜!」とばかりに店内はお客さんで鮨詰め状態。店の外に行列ができるのではなく、店内がカオスになっていました。
メニューも値段も書いてないけれど…ちょっとややこしい銀シャリ屋ゲコ亭の注文方法を完全解説
そんな銀シャリ屋ゲコ亭ですが、入店後のお客さんの流れが独特なので、初めての人はきっと戸惑うと思います。そんな時のために、入店してから料理を注文するまでの流れを一通り解説するので、これから訪問を考えている人はぜひ参考にしてみてください。
まず、店内に入ってすぐ左手にあるレジでアルミ盆を受け取って、おかずを選びに並びます。事前の席取りは禁止です。まず料理を先に注文しなければなりません。
レジ後ろの冷蔵庫から冷奴や枝豆、刺身…そこからカウンターに移って熱々のおでん、海老フライ、カキフライ、鮭の焼き物などなど、順に食べたいおかずを取っていきます。この日のおかずは全部で20種類くらいでしょうか。この辺の流れは他の食堂と同じ。でも、銀シャリ屋ゲコ亭では困ったことに…
んですよね。財布がやせ細っている時は心許ないですが、ここは黙って先に進むしかありません。
そして、最後にご飯と味噌汁を注文するのですが、ここで動きにストップがかかります。客席に空きができるまで、お店の元・お姉さんがご飯とお味噌汁をよそってくれないのです。ここでしばしの待ち時間。空席ができたらご飯の量(大・中・小の3段階)と味噌汁(3種類から1つ)を選んで、最後に席を案内してもらって終了です。
そんな感じなので、基本的には相席です。また、ここまでの流れでまだお金を払うところまでいってません。お値段が気になるところではありますが、後述するのでこのまま続きをご覧ください…
銀シャリ屋ゲコ亭での朝ごはん:飯炊き名人が引退しても銀シャリの質は保たれているのか?
さて、こちらがこの日の朝ごはんに僕が選んだラインアップ…
銀シャリ大盛りに豚汁、だし巻き卵、ポテトサラダ、ぶりの煮付け、ひじき。銀シャリは大・中・小どれを選んでもお値段一緒で、一杯で足りなければおかわりもちゃんとできます(別途料金発生しますが)。
ここはやっぱり、銀シャリの感想を言わなければなりませんよね。正直に言います。最高です。水分が多めなんですが全然ベチャっとせず、一粒一粒がキリッと立ってふっくらしているんです。京都の人気米料亭・八代目儀兵衛の「外硬内軟(がいこうないなん)」とは違う方向性ですが、こちらも炊飯器メーカーが勉強にやって来たというのがよくわかる感激モノの炊き加減です。
噛むとご飯粒が弾けそうなくらいパンパンに膨れ上がっていて、ふっくら柔らかいご飯の食感に加えて、中から自然な甘みがほんのりと…さすが仙人直伝の釜炊きご飯。こんなの自宅の炊飯器で食べたことありません。当然のごとく、銀シャリおかわり!
着席まで少し時間がかかって、最初とろとろだっただし巻き卵に熱が通り切ってしまったのが残念ですが、おかず一品のボリュームもしっかりありますし、十分に充実した朝ごはんを堪能できました。
さて、気になるお値段ですが…食事中にお店の元・お姉さんがこんな伝票を机の上に置いていってくれます。
豚汁一杯200円だけわかっていたのですが、これを見るとぶりの煮付けだけ500円と高めの値段設定といった感じですね。でも、脂が乗って美味しかったからなぁ…地元によくある◯◯食堂と比べると、一品の値段が同じかやや高いくらい。でもボリュームは多めなので、トータルすると銀シャリ屋ゲコ亭の方がお得かも…な感じです。
食事を終えたら、この伝票をレジに持っていって精算。食べ終わった食器はそのまま残していってOKです。
天六や心斎橋、伊丹空港にも同名のお店がありますが…銀シャリ屋ゲコ亭へのアクセスは、最寄り駅の阪堺電気軌道阪堺線・寺地町駅から徒歩2分
そんな銀シャリ屋ゲコ亭、今では天六や心斎橋大丸内、伊丹空港内にも同名のお店があります。(株)フジオフードによるフランチャイズ店ですが、正直、堺の本店を知るとこれらのお店を利用する気にはちょっと…という感じです。
実際利用していないので味についてはノーコメントですが、僕が知っている伊丹空港店は完全にチェーン店感丸出しになっていて、ゲコ亭の魅力が大きく損なわれている気がするので…やっぱり行ける人は堺の本店に行くことを強くおすすめします。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
お店の評価に客観性を持たせるために、他のブログの口コミも紹介しておきますね…
ご飯が美味しくて、オカズも美味しくて ご飯がススムススムお店です。
で結果、千円超のお会計になってしまいますぅ。
テレビで気になったお店や通販やお取り寄せのまとめ
銀シャリ屋ゲコ亭 口コミ 高い!ごはん以外はまずい?普通?大阪府堺市!オモウマい店日本人的な食事の基本を再確認させられます。
他にもブリの照り焼き、豆腐、皿に分けられたおかずの数々がご飯の友としてお腹と舌を満たしてくれます。
グルメ刑事の法則
銀シャリ屋 ゲコ亭おなかが膨らんで皆さんも食った食ったとお店を出ていきます。洋食もいいですが、やっぱり日本人なので上記のような写真の定食を無性に食べたくなるし、食べたら美味しいですよね!!
P.S. 大阪で美味しい和食をお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
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