アシェットデセールって聞いたことありますか?アシェットデセールとはフランス語で「皿盛りデザート」という意味で、イタリアンやフレンチのレストランでコースの最後に出されるデザートはこれにあたります。
ある時、このアシェットデセールでコース料理を作ったら?と最初に発想した人がいました。その人が誰なのかはわかりませんが、その人の発想は徐々にパティシエの間で広まっていき、全国各地でポツポツとレストラン形式のスイーツ専門店が営業を始めるようになりました。
今回ご紹介する京都・御所南にあるデザート専門店・未完も、そんなお店の1つ。京都にあるイタリアンの名店・イル ギオットーネでデザート担当を勤めたご主人が5年前に独立し、京都御所の南にカウンター席7脚のみの小さなスイーツコース専門店をオープンしました…
未完のアシェットデセールコースは全9皿でお値段4950円…今ならふるさと納税でコース料金実質タダ!
その未完のアシェットデセールコースは昼の13:00、15:00、夜の19:30開始の3部制。全部で9皿デザートが出てきて、コース料金は税込みで4950円(これにチャージ料500円とドリンク代がプラスされます)。
さて、今この記事を読んでくれているあなたのために、まずお得な情報を1つ。実は今回僕は、この未完のアシェットデセールコースをふるさと納税を使って予約しました。納税額は20000円で、条件さえ満たしていればコース料金とチャージ料が実質タダになります。ワンドリンク制なので完全にタダにはなりませんが、お一人様から参加OKで、ドリンク代だけで出来立てのデザートが9皿も楽しめるのですから、デザート好きにとっては断ることができないほどの魅力的な条件ではないでしょうか?
あいにく、現時点で未完のプランは30組限定なので、あなたがこの記事を見つけた時にはすでに終了になっているかもしれません。でも、他にもふるさと納税で豪華な食事を楽しめるプランがいくつも揃っているので、もし興味があれば下の画像リンクから「ふるなび」のサイトを開いて、「美食体験」と検索してみてはいかがでしょうか?
2021年12月某日の未完アシェットデセールコース全9品をご紹介…で、ぶっちゃけ感想は?
それでは、2021年12月某日夜の未完アシェットデセールコース全9品をご紹介していきます。お店の方では1品1品にネーミングをしていないようで、その分説明が長くなってしまうところがあるかと思います。その点、ご了承を…
1.北海道産百合根の団子
最初の1品は、北海道産百合根を裏漉しして団子にしたもの。百合根はしっかり裏漉ししてあってきめ細かく、ほくほく食感に加えて和三盆の優しい甘味がフワッと感じられます。
この団子にかかっているのは、奈良県吉野産の葛を使った葛湯。これには柑橘系の酸味が加えられていて、和三盆の甘さと一緒になって眠っていた舌の感覚をやんわりと起こしてくれるような味になっています。
2.クレームダンジュ
2品目はクレームダンジュ。いわゆるチーズケーキで、このクレームダンジュにはムース状にした発酵クリームに岡山県産の桃を添えてあります。その上に桃のソースに加えて、新潟県産の非加熱ハチミツを使ったエスプーマがかかっていて、クリームチーズの爽やかな酸味と桃の果汁、そして蜂蜜の甘味の三位一体攻撃で「デザート食べてるなぁ〜」とまったりした贅沢気分にさせてくれます。
3.和歌山産レモンを使ったデザート
3品目は、和歌山のレモンを使った1品。筒の中にレモンのエスプーマやフロマージュブランと呼ばれるフレッシュチーズ等が入っているのですが、これまでの優しい味の2品と対照的にレモンの酸味が強烈!頂上のメレンゲにもレモンの果汁が含まれていて、レモンの酸味で頭までシャキッとなってしまうようなインパクトの強い味になっています。
4.スイートポテトのチップス
4品目はスイートポテトのチップス。鳴門金時と紫色のさつまいもをそれぞれチップスにして、2種類の味と食感を楽しめます。そのまま食べてもよし、下に敷いてあるバニラムースをつけて食べてもよし。前のレモンのデザートからホッと一息…といった感じです。
5.長野県産りんごを使ったデザート
5品目は、長野県産のりんごを使ったデザート。りんごをジャムのように甘く煮詰めたものと、発酵バターを使ったパイ生地とさっぱりしたジャスミンティーのアイス、角切りりんごのソテーが添えてあります。一番上の紅葉の葉っぱの形をしたクッキー生地にもりんごの酸味が加わっていて、いろいろな角度からりんごの甘酸っぱさが楽しめる一品です。
6.ブッシュ・ド・ノエル風のデザート
6品目はこのコースのハイライトであるブッシュ・ド・ノエル風のデザート。切り株の中には洋梨やクルミ、チョコレートのムースなどが入っていて、外側をピスタチオのシフォンケーキや白トリュフパウダーなどで彩りを添えています。食べる前に、まずデザインで楽しめますね。
チョコレートもビターなものや少しフルーティーなものなど味の変化を楽しめる上に、ピスタチオや白トリュフで香りも変化をつけられます。個人的には白トリュフパウダーがどハマりで、熱したバターをパワーアップしたような香ばしさがコース終了後もしばらく鼻の奥の記憶に残っていました。
7.白鳥の形のシュークリーム
7品目は口直しのシュークリーム。見ての通り白鳥の形になっていて、食べるのがもったいなく感じます。全コースを通じてこれだけ軽い塩味になっていて、この後のデザートに向けて舌を一旦リセット…という感じでしょうか。
8.焼き菓子の盛り合わせ
最後はデザート2皿が一緒に出てきました。さすがに最後は洋菓子勢揃い!という感じですね。ヘーゼルナッツ入りのシュトーレンにクリームチーズ入りのマカロン、生姜風味のマドレーヌなど、オリジナルの焼き菓子が合計7種類!最後にお菓子好きの人の欲求をきちんと満たしてくれます。
この食後のデザート、紅茶と合わせたらきっと最高だろうな…でも、夜に紅茶飲んだら眠れなくなるしな…そんなジレンマと戦いながらコース終了となりました。
今回アシェットデセール初体験となったわけですが、最初に想像していたのとちょっと違いましたね。もっと洋菓子を前面に出してくるのかと思っていたのですが、実際はデザート食材を使った創作料理でした。なので9品出されても全然飽きないし、甘いものを食べすぎて胸焼けするようなこともありません。フレンチやイタリアンなどよりさらに使える食材が制限される中でここまでやってしまう発想と技術に、ただただ感服といった感じです。
アシェットデセールって海外にはほとんどないらしい…未完へのアクセスは、最寄り駅の京都市営地下鉄東西線・京都市役所前駅から徒歩7分
ところでコースが終了してご主人と話をしている時に聞いたのですが、アシェットデセール専門店ってフランスにはまだないらしいですね。ご主人もはっきりとはわからないとのことですが、アシェットデセール専門店は日本で始まったものかも…と。
もしそうだとしたら、日本からフランスへアシェットデセール逆輸入…なんてめちゃくちゃカッコよくないですか?そして日本のアシェットデセール専門店がいつかミシュラン三つ星を獲得したりして…そんな将来を、僕は本気で期待しますね。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
アシェットデセール 未完 (ケーキ / 京都市役所前駅、神宮丸太町駅、丸太町駅(京都市営))
夜総合点★★★★★ 5.0
住所:〒604-0982 京都府京都市中京区御幸町通夷川上る 松本町583-1 フォルム御幸町 1F
電話番号:050-1106-5646(完全予約制)
営業時間:コース 13:00・15:00・19:30開始、アラカルト 19:00-21:00 LO
定休日:不定休(お店のフェイスブックにスケジュール掲載)
駐車場:なし
クレジットカード払い:可(電子マネーやPayPayにも対応)
P.S. 京都で美味しいフレンチをお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
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