福岡の豚骨ラーメンの聖地と言っても過言ではない、長浜鮮魚市場目の前にお店を構える元祖長浜屋(通称:ガンナガ)。市場の関係者にできるだけ早くラーメンを提供するために生み出された極細麺や、麺だけ追加注文できる替え玉など、今や福岡の豚骨ラーメンではお馴染みとなったこれらの特徴は全てこのお店から始まったものです。
昭和27年に屋台から始まり今年で創業72年…その間に元祖ラーメン長浜家との分裂騒動などピンチもありましたが、今も長浜ラーメンの元祖として抜群の知名度を誇り、連日多くのお客さんでごった返す人気店。そんなレジェンド店に行けるのは、僕としても感慨深いものがありますね。博多に用事で行ったとある日の朝8時頃、泊まっていたホテルのある天神から歩いて元祖長浜屋へ行ってきました。全国的にも有名な長浜ラーメンの元祖、どんな味なんでしょうね?すっごく楽しみです…
店舗を持っても屋台のような雰囲気…元祖長浜屋はこんなお店
元祖長浜屋は以前は本店と支店の2店舗に分かれて営業を行っていたようですが、平成22年に両店舗が統合して現在の場所でリニューアルオープン。ラーメン屋としてはかなりの大型店舗を思わせる立派な外観をしているので、近くまで来たらすぐにお店を見つけられるんじゃないかな…と思います。
入店する前に、店頭にある券売機で食券を購入します。フードメニューはこのようにラーメン(税込550円)一択。あとは替玉(税込150円)と替肉(税込100円)、そしてアルコールという、飲兵衛にはたまらないラインナップとなっています。
店内に入ると、客席は5人まで座れるテーブル席が4卓ありました。テーブルも椅子も移動や取り外しができる簡易なもので、全部取っ払うと客席は本当に何もない空間になってしまいます。なんか、室内ではありながら屋台のような雰囲気を残したお店だなぁ…と感じました。もちろん、テーブル席は全て相席。建物は新しくて綺麗ですが、どことなく昭和のノスタルジーが感じられるような気もします。
地元福岡県民はこうする!元祖長浜屋の注文時に行うカスタマイズのルールについて説明します
元祖長浜屋では、店員さんに食券を手渡すときにラーメンのカスタマイズをお願いすることができます(もちろん無料)。カスタマイズできるのは「油の量」「麺の硬さ」「ネギの量」「肉の量」で、それぞれ…
- 油の量:多い方から ベタ>チョイベタ>普通>ナシ
- 麺の硬さ:硬い方から ナマ(バリカタ)>カタ>普通>ヤワ
- ネギの量:多い方から ネギ盛り(ネギヤマ)>ネギ多め>普通>ネギナシ
- 肉の量:多い方から 普通>ナシ
となっています。これらの単語を組み合わせて、例えば「ナシカタネギ多め(油なし、麺硬め、ネギ多めの意味)という感じで注文します(何も言わないと、全部普通のオーダーになります)。すっかり全国的に有名になってしまった「バリカタ」が「ナマ」になっているなど、用語が他店と少し違うところがあるので、そこは少し注意が必要かもです。まあ、「バリカタ」で注文してもちゃんと通じますけどね…
あともう1つ、替玉の注文方法について。替玉のときには、上の「麺の硬さ」に続いて「タマ」をつけて注文するのがルールになっています。例えば「カタタマ(茹で加減硬めの替玉)」という感じ。どこかの二郎インスパイア系ラーメン店みたいに、コールをミスると店員さんから怒られるようなことはありませんが、できれば僕たち旅行者も注文をスマートにできるようになりたいですよね?
もはやネットを通じて全国的に有名になった元祖長浜屋の「ベタナマ」にトライ!で、食べてみてどうだった?
今回僕が元祖長浜屋で注文したのは、もはやネットを通じて全国的に有名になったラーメンの「ベタナマ」。注文してからほんの1〜2分、本当にあっという間にラーメンが着丼となりました…
丼の縁に沿って油がつながって円になっています。さすがの油の量…こいつは胃の調子が悪いときに食べたら恐ろしい事態を招く食べ物かもしれません。
実際、スープを一口すすってみると、特に一口目はものすごくオイリーですが、スープの味自体はかなりあっさり目。ライトな豚骨風味と軽い塩味。嫌いな人はすごく嫌う豚骨臭も一切なし。油の量さえ調節すれば、市場関係者だけじゃなく僕たち一般人の朝食としても十分に受け入れられる味付けです。
これに対して、「ナマ」で注文した麺の方は、一言で表現すれば読んで字の如く「生」でした。「硬い」のとは違って「生」という感じ。麺が生茹でになった時のもたっとした歯応えがありますね。個人的には正直好みではありませんが、油の「ベタ」と合わせて尖ったものが好きな人のウケがいいのは理解できます。
トッピングには薄切りの赤身肉が数枚入っています。本当にペロリと食べられちゃうので、朝ごはんとして食べに来ても全然苦になりません。肉のおかわりがたった100円なので、何なら朝から替肉しちゃってもいいくらい。仮に替肉3回分追加しても、1000円札でお釣りが返ってくるわけですからね…
正直言って「ベタナマ」は僕の好みではありませんでしたが、元祖長浜屋のラーメン自体はすごく食べやすくて「さすが」の出来栄えでした。派手さはないけれど、誰にでも受け入れられるようなライトな味付け+豊富なカスタマイズの可能性、そして今時1杯たったの550円という価格設定。そりゃあ創業から70年以上続くよなぁ…って印象です。
長浜鮮魚市場へ行く前に朝ラーはいかが?元祖長浜屋へのアクセスは、最寄り駅の福岡市地下鉄空港線・赤坂駅から徒歩11分
こんな感じで元祖長浜屋のラーメンは朝ラーにもピッタリなので、福岡グルメを楽しみたい食いしん坊旅行者には朝の時間の訪店をおすすめします。そうすれば、ランチとディナーは別のお店に行けるようになって、限られた時間を有効に使うことができますしね。特に魚市場での朝活が好きな人にとっては最高のモーニングとなることでしょう。長浜鮮魚市場は開場が朝8時と遅めなので、その前に朝ラーして…という感じで利用するといいんじゃないでしょうか。
それでは、お店の詳細です…
コメントを残す