レストランやカフェの紹介でよく「隠れ家」という言葉が使われますが、多くのお店ではブランド構築のために「隠れ家」が使われていることに違和感を感じていたのは僕だけでしょうか?大抵の場合、ネットで検索してお店を訪れると普通の居酒屋だったり、わざと客席数を少なく絞った高級店だったり…僕の経験上、ネットで「隠れ家」と書かれていて本当に隠れ家だったお店って、ほとんど記憶にないくらいなんですよね。
そんな僕が「これこそ隠れ家!」と認定する数少ないお店の1つが、今回ご紹介する膳途洋々というお店。単に隠れ家というだけでなく、大阪では数少ない中華モーニングをやっているお店として貴重な存在でもあるんです…
普通に歩いていたら見つからない…それこそ本当の「隠れ家」。注意してないと、きっとあなたも膳途洋々を通り過ぎます
今回ご紹介する中華料理店・膳途洋々は、JR環状線・天満駅南東側にある少し下町的な雰囲気のあるエリアにあります。低層かつ年季の入った雑居ビルがいくつか並んでいて、通勤ラッシュの真っ只中の朝7:30頃、駅の近くなのに人通りもまばら。静かすぎて、逆に人を寄せ付けないような雰囲気すら感じます。
そんなエリアにある膳途洋々を、Googleマップを頼りに探します。地図を見ながら左右をウロウロ。確か、この辺にあるはずなんだけど…と、そこまで注意してお店を探したにも関わらず、1回目はあっさりとお店を通り過ぎてしまいました。
なぜ通り過ぎてしまったのか?それは、お店がほぼ完全に周囲に溶け込んで同化してしまっているからです。下の画像をご覧ください…
これが膳途洋々のエントランス。本当にこれだけなんですよ、お店の存在を表すものって。しかも、扉が通りから少し奥まったところにあるので、この画像の右側から歩いてきたら立て看板も含めて何も見えないわけで…かなり注意を払っていないと、きっとあなたもお店の存在を見落としてしまうことでしょう。これぞ本当の意味での「隠れ家」。その辺の自称「隠れ家」レストランとは格が全然違います。
女性店主が1人で切り盛りするカウンター席7脚のみの小さなお店…なのに朝から「予約席」の札が立っている「知る人ぞ知る」実力店
膳途洋々の店内に入ると、外観とは打って変わってシンプルながら清潔感のある空間に気持ちが落ち着きます。奥に細長いスペースにカウンター席が7脚のみ。人が1人歩けるくらいの狭い厨房で女性店主が1人で調理・配膳・会計のすべてをこなしています。
この日のお客さんは僕も含めて3人ほど。ご主人もお客さんも、BGMを聴きながらみんな寡黙にそれぞれの時間を過ごしています。そんな感じのちょっと変わったお店ですが、一番奥側のカウンター席2席分には朝から「予約席」の札が立っていました。朝早くから予約して来るお客さんがいるなんて、このお店に相応の実力があることの何よりの証明じゃないでしょうか?
膳途洋々で朝10:30まで提供される朝ごはんメニュー3種類:どれもワンコインで食べられてとってもお得
膳途洋々では、開店時間から朝の10:30までの間で中華風の朝ごはんを提供しています。主なメニューはこちら…
気になるメニューは中華粥と汁そば、麻婆豆腐の3種類。これらの他にチャーシューやえび蒸し餃子、焼売などの点心系もいくつか用意されています。驚きなのが、これらのメニュー全てがお値段 500円以下(税込)とワンコインで食べられる激安価格。さらに、中華粥と汁そばには4種類のトッピングから1つを無料でつけることができます。これなら、通勤途中に立ち寄って朝ごはんを食べよう!という気になるのではないでしょうか?
それでは、膳途洋々が提供する朝ごはんメニュー3品を順番にご紹介していきましょう。どれもしっかりボリュームがあり、朝の仕事でスタートダッシュをかける活力を生んでくれますよ。
朝の中華粥(お値段 400円)
まずは中華料理の朝の定番とも言える「朝の中華粥」。無料トッピングは温泉卵と少し迷いましたが、やっぱり中華粥らしい雰囲気を出したくて蒸し鶏を選択しています。
日本のお粥と違って、ご飯粒が崩れて花開くまで煮込まれる中華粥。干し貝柱の出汁にとろみがついて、栄養のあるお米スープを飲んでいるような感覚に。口の中で干し貝柱がふわっと香り、喉元を過ぎて胃袋に収まると、お粥のもつ熱がじんわりと身体を中から温めてくれます。
寒い冬の朝にこのお粥を食べるの、たまらないでしょうね。身体への負担が少ないので、病み上がりや二日酔いの朝でも美味しくいただけると思います。
朝の汁そば(お値段 500円)
続いてご紹介するのが「朝の汁そば」。無料トッピングは海老を選択しています。
見てください。たったの500円なのに、普通のラーメン丼で出てきましたよ。「朝からこんなに食べられるかなぁ…」と心配になるくらい。逆にこれが朝しか食べられないのはちょっと罪な気すらします。
で、肝心のお味は?というと…見た目通りの鶏ガラスープで、眠った身体に出汁がじんわりしみ渡る…だけじゃないんですよ。歯応えが残る程度に少し硬めに茹で上がった麺からも、ふわっと胡麻の香りが…ひょっとして、麺に胡麻油混ぜてます?さらに薬味の生姜を入れると、また一段階スープの風味が変化するし…ホントに「500円しか払わないのに、ここまで楽しませていただいていいんでしょうか?」って感じです。
朝の麻婆豆腐(お値段 400円)
そして最後は「朝の麻婆豆腐」。これだけ他の2品と違って刺激系の朝ごはん。ただ単品ではライスはついてなく、別に白ごはんを注文しなければなりません(お値段 プラス200円)。
味は甜麺醤系の少し甘味のある味噌味に少し遅れて、軽くじんわりと山椒の辛さがやって来る感じ。さすがに朝食ということもあってか、中国菜オイルのようなガッツリ辛味を効かせた麻婆豆腐とは違います。ボリューム的にもたった400円でサワダ飯店のランチくらいあり、木綿豆腐がゴロゴロあって食べ応えバッチリ、朝ごはんとして十分満足できる量がありますね。
ただ1つ残念だったのが白ごはん。この日はたまたま運が悪かっただけなんだと思いますが、少しべちゃっとした炊き上がりでした。あと、メインがワンコイン以下という激安価格と比較すると、ライス200円が高く見えちゃいます…あっ、すみません。さすがにそれは贅沢というものですよねぇ。
ランチやディナーの営業もやってます!膳途洋々へのアクセスは、最寄り駅のJR環状線・天満駅から徒歩2分
そんな膳途洋々、もちろんランチとディナーの営業もやっています。朝ごはんとは違ってメニュー豊富で、どれを頼んでもリーズナブルな上に、お一人様や女性でもいろいろ楽しめるようにハーフサイズでの注文もOK。その辺の中華料理店よりも安い値段でいろいろ楽しめちゃう、とってもお得なお店なのです。
幸か不幸か、今はまだそれほどお店の知名度が高くないので、「本当は教えたくないとっておきのお店」として知り合いに教えるとすごく喜ばれるんじゃないでしょうか。ただ、夜の閉店が20時とかなり早めなので、その点だけはご注意を…
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
大阪市営地下鉄堺筋線・扇町駅からは徒歩3分、天神橋筋六丁目駅からだと徒歩9分でで行けます。
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