名峰・鳥海山の麓にある仁賀保(にかほ)という土地に、湯の台食堂(ゆのだい食堂)という名の行列ができるラーメン屋があります。元々は普通の食堂として営業していたお店ですが、閉店へと追い込まれた時に現店主が引き継いで2017年10月にラーメン屋としてリニューアルオープン。東京の名店・麺や七彩で修行した店主の店としてSNSなどで情報が広まっていき、車がないとまず行けないような不便な場所にあるにも関わらず全国からラーメンオタク(ラヲタ)が集まり、ローソンで秋田限定の中華そば商品や全国販売するカップラーメンの監修を務めるなど、リニューアルからたったの数年で全国的に名前を知られた人気店になっています。
そんな湯の台食堂、僕も前から行きたいなぁ…と思っていて、令和4年9月に秋田に行った時にお店を訪問。でも、この時予想だにしない事態が発生して…
交通不便な立地にある湯の台食堂を訪れるには、実はあまり認識されていない大きなリスクが…
まずは、当時の湯の台食堂のツイッター画像を載せますね…
令和4年9月18日(日曜日)のツイートで「酒田エキスポにてお待ちしております」と書かれていますよね。実はこの日、僕はお店のある湯の台に行ったんです。朝早起きして秋田駅から列車で象潟駅に向かい、そこからタクシーで湯の台食堂まで(移動手段としてコミュニティバスがあるのですが、平日のみ運行なんです)。でも、店頭には…
と張り紙がされていて、愕然としてそのままタクシーで象潟駅まで引き返しました。
僕はこの日の前日夜にお店のTwitterを開いて、臨時休業の告知がないことを確認して訪店しています。しかも、僕がお店に到着した時点でこのツイートはありませんでした。
これはあんまりじゃないですか?この日、僕と同じように臨時休業を知らずに訪店した人がいたかどうかわかりませんが、遠くから車やバイクでやってきたお客さんがいたとしたら、頑張って遠くまでやって来たのに…と、すごくガッカリしたはずです。
今は飲食店のほとんどがSNSアカウントを持っていて、お店の最新情報を日々発信しています。でも、SNSをやっているなら、ちゃんと情報発信しましょうよ。全国からラヲタが集まるお店なんですから…北海道や九州から「このためだけに来ました!」って人がいたら、一体どうするんですか?
令和5年冬に湯の台食堂へリベンジ…道路に雪が残るとある平日、気になる行列の長さや待ち時間はどのくらい?
日を改めて令和5年の冬、今度はツイッターで「通常営業」を確認して湯の台食堂を再訪しました。今回は平日なので、JR象潟駅前からコミュニティバスを利用。あっちこっちと寄り道しながら約1時間、開店時間を30分過ぎた11:30頃に終点の湯の台バス停に到着しました(運賃は片道200円)。
バス停を降りたらお店はすぐ目の前。冬のピークは越えましたが、道路には残雪がしっかりあって、雪国のドライバーでないと運転も難しい時だったので…
さすがにこの時期、しかも平日にラヲタで行列はないだろうし、楽勝で入店できるかも!
by 大堀僚介
と、決して淡くない期待を持って湯の台食堂に向かいました。その結果は半分期待通りで半分ハズレ。確かに長蛇の行列にはなっていませんでしたが、地元の人だけで常時数名の短い行列ができていたんです。確かにこの辺りはポツポツと民家があるような地域なんですが、それを考えてもすごい人。お店から半径10km以内の人たちがみんな集まったかのような盛況ぶりでした。
関西人には堪える寒さの中、待ち時間約15分で入店。きっと雪が溶けたらものすごいことになるんでしょうね。そんな感じなので、あなたも湯の台食堂に行く時にはかなりの覚悟が必要ですよ。特に冬は防寒対策をしっかりしてから行くようにしましょうね。
名物の中華そばをはじめ、限定メニューもかなり豊富…秋田の人気ラーメン店・湯の台食堂はこんなお店
湯の台食堂では、店内に入る前に券売機で食券を購入するシステムになっています…
周りの雰囲気に似つかわしくない(失礼!)、タッチパネル式の新型券売機。これによると、ラーメンのメニューは醤油味と塩味の中華そばがメイン。標準メニューの「中華そば」と、いわゆるチャーシュー麺の「肉そば」の2×2のメニュー構成になっていて…
- 中華そば(小) 750円
- 中華そば(並) 800円
- 中華そば(大) 900円
- 肉そば(小) 1050円
- 肉そば(並) 1100円
- 肉そば(大) 1200円
こんな感じ。値段は税込で、醤油と塩は同じ料金となっています。この他にも今は味噌味の中華そばもやっていて、季節メニューのタブから食券を購入できます。
また、これらのレギュラーメニューの他にも、限定メニューがかなり豊富に揃っています。この日の限定メニューはこんな感じで…
フランス鴨油そば、鮫のまぜそば、タンメン、秋田牛 牛めし、あぶりチャーシュー飯などなど…他にも、ネットで探すと辛味噌中華そばやばんけ中華そば(「ばんけ」は地元の方言で「ふきのとう」の意味)なんてのもやっていたみたいで、地元組・遠征組に関わらずお店をリピートするための期待感は十分にありそうです。
ちなみに湯の台食堂の客席は、カウンター席が5脚に4人がけテーブル席が2卓、そして小上がりの座敷席が14人分。清潔感はありますが昔の食堂の面影も残っていて、小さな子供連れの家族客でも受け入れられそうな寛容な雰囲気がありました。
肉そば 醤油(大):全国からラヲタが集まる店・湯の台食堂の一番人気メニューを試してみた
今回僕が湯の台食堂で注文したのは、塩味と迷いつつも最終的には基本に忠実に…ということで一番人気の肉そば 醤油(大)。注文してから待つこと約5分、目の前に着丼となった肉そばは…
2種類の分厚いチャーシューで丼の表面が覆われて、中が見えないようになっています。これでお値段 1200円は、都心部ではちょっと考えにくい驚きのコスパだと思います。
早速スープを一口…見た目に反して醤油の味はまろやかで、塩分ではなく醤油の風味が印象に残る感じ。その醤油の風味を壊すことなく動物系の旨味が口の中に一気に広がって、醤油の風味と一緒になって強烈な旨味の記憶を脳に刻み込む一方、後味はスッキリしていて何事もなかったかのようにスーッと喉元を過ぎていきます。他のフードブログなどに書かれているように、確かにこのスープ、旨味が濃厚でさらに深みがあって、非常に完成度が高いと感じます。麺の替え玉ならぬ、替えスープなんてサービスがあればなぁ…お腹いっぱいになるまでスープをゴクゴク飲んでしまうかもしれません。
このスープに合わせる自家製麺は、茹でる前に手で揉み潰されている影響で形はランダムに変化しています。太さも形も不均一、そのランダムさが単に麺に縮れをつけただけの時とは違った食感を生み出し、スープをしっかり吸い上げるとともに口の中で予測不能な刺激を粘膜に与えます。噛めばもちもち食感で小麦の香りも豊か。最後の一本まで食べ飽きることがありません。
でも僕はこの時、実は激しく後悔していたんです。というのはこの肉そば(大)、もちろん大盛りではあるのですが、それにしても麺の量が半端なく多いんですよ。感覚的には麺3玉くらい食べているんじゃないかな…という感じ。もちろん食べきれない量ではなかったんですが、これなら肉そばを小サイズにして、限定メニューのフランス鴨油そばと連食にすればよかったなぁ…と。
実際、お店を後にして画像を整理しているときに、券売機の画像で大盛りは麺330gと書かれているのを発見。小サイズでも麺量が160gですから、都心部のラーメン屋では並サイズ以上のボリュームがあるわけです。普通サイズで麺量220gとかなり多めなので、特に女性の方は気をつけて注文するようにしましょう。
さて、ここでようやくチャーシューの登場。丼表面を覆い尽くすように敷かれた豚バラチャーシューと、その中央にレアチャーシューが3枚トッピング。数えたら、全部でチャーシューが11枚もありました。肉肉しくて、中までしっかり味がしみこんだ豚バラチャーシューと、しっとり感満点のレアチャーシュー…どちらも1枚1枚がかなり分厚くて、チャーシュー好きにとっては歓喜もののボリューム感です。
こんな感じの湯の台食堂の肉そば 醤油、味は間違いなく遠方からでもリピートに値します。ただ僕個人的には、ツイッターの件があるのでやっぱり安心してリピートはできないですね。本当にこれさえなければ…という気持ちです。今後お店には改善を強く望むと同時に、僕たちお客さん側にもリスク軽減のために何らかの対応が望ましいです。
さて、コミュニティバス組にとっての最後の問題は帰りの時間。湯の台バス停発象潟駅行きのコミュニティバスは13:55発で、食後に少し時間が空いてしまいます。もし時間に余裕があれば、向かいの湯の台温泉 鶴泉荘で日帰り温泉をセットで楽しむのがおすすめ。僕はこの日は時間に余裕がなかったので、すぐにタクシーを呼んで帰りましたが…ちなみに、象潟駅までタクシーだと片道2500円くらいです。
おまけ:チャーシュー丼が売り切れで、代わりに注文した限定メニューの秋田牛 牛めし(お値段 税込450円)。しぐれ煮のような色をした牛肉は赤身中心ですが、食べてみると脂の甘味もしっかり感じられます。肉のボリュームもしっかりあって、サイドメニューとしては十分満足できますが、温かいご飯と牛肉の上に乗っていた刻みネギがなぜかキンキンに冷えていたんですよね。個人的にはそのギャップが楽しくもあったんですが…
お持ち帰り用の中華そばや通販用の商品もあり…湯の台食堂へのアクセスは、JR羽越本線・象潟駅から湯の台行きコミュニティバスに乗り換え、終点の湯の台バス停下車徒歩1分
そんな湯の台食堂では、お持ち帰り用の中華そばも店頭で販売しています…
「冷凍煮干し中華」とあるので、お店で食べる中華そばとも少し味が違うんでしょうか。自宅までそれほど遠くなければ、煮干し中華のテイクアウトも試してみたくなりますね。また、楽天市場では湯の台食堂監修の鱈しょっつる醤油拉麺や北限いちじく担々麺といった通販メニューも販売されています。まだお店に行くことができない時は、ローソンで売られているカップ麺やこれらの商品を試してみるのもいいのではないでしょうか?
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
住所:〒018-0151 秋田県にかほ市象潟町横岡目貫谷地1−251
電話番号:非公開
営業時間:11:00-15:00
定休日:月曜日、第3火曜日(臨時休業あり、お店のTwitterをチェック)
駐車場:あり
クレジットカード払い:不可(食券制)
お店の評価に客観性を持たせるために、他のブログの口コミも紹介しておきますね…
味は全体的にあっさりしていました。肉もこれだけ乗っていますが、あっさりとしているので、なんだかんだで全部食べきることができました。
TOHOKU-LIFE:「湯の台食堂」山奥に謎の行列。鳥海山の麓にあるラーメン屋さん
あとから知ったのですが、こちらのラーメンは無化調でした!無化調って聞くと、なんとなくですが、ラーメンを食べてしまった・・という罪悪感が少し薄れる感じがします。
麺は 太麺なのに平打ち的な麺!そして啜りやすい麺に仕上げててこれが喉越し抜群!
しんめんの旅:にかほ市象潟にある『湯の台食堂』さん!期間限定『タンメン』
この麺は、好きな麺ランキングの上位に来るくらいの美味しさ!これは好きになります!
2種類のチャーシュウも、唸るくらいにうまい。
高所恐怖症ライダー.com:湯の台食堂で醤油大と鴨を食べる、極太麺と醤油ダレが絶妙
中太な部分はスルスルと啜り心地よく、極太な部分はモチモチのブリブリ
チャーシューは2種類、炭火の香りが食欲をそそります。
醤油ダレ&油分量も過不足なく馴染んだふくよかなスープです。
豚などの動物系に魚介系を合わせたダブルスープかな〜?
動物系のダシ感に加えて、前に出過ぎない魚介系が調和したバランスがすばらしい!
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