生駒山の高台にある山岡ピザ(YAMAOKA PIZZA)…いつからあったんでしょう?このお店。食べログの口コミを探すと、一番古いので2007年5月の書き込みがあるので、少なくともその前から営業していたんでしょう。全然知らなかったなぁ…
2014年に火事に遭ってお店が消失したものの、旧店舗のすぐ上にあった建物を増築して2015年3月に再開。今や関西の食いしん坊であればおそらく知らない人はいないであろう、ミシュランのビブグルマンも獲得した人気イタリアンレストラン。しかし、山奥というか相当山の上の方にお店があるため、訪店にはかなり高いハードルを越えなければならず、その知名度に反して意外と訪れたことがある人が少ないお店でもあります。
今回はその山岡ピザに、夏休み真っ最中のある日曜日を使って子連れ(+犬連れ)で行ってきた時の話。噂には聞いていましたが、行くのはやっぱり大変でした…
良い子は絶対マネしないでね…ラッキーガーデンさんがおすすめする一番安全な行き方をたどって、歩いて山岡ピザに行ってみた
この日の僕は家族と別行動で、同じく生駒山の高台にある人気スリランカカレー店のラッキーガーデンさんがおすすめする行き方をたどって、近鉄生駒線の一分駅から歩いて山岡ピザに向かいました。その道中をビデオにまとめたので、実際にお店に行く前に一度見ておいてください…
このビデオの始点である壱分IC北交差点からお店まで、僕の足で約30分の道のり。でも平地の徒歩30分とは訳が違います。最後まで道路は舗装されてはいるものの、途中からは歩くというより登山に近い登りのコース。真夏の日差しをモロに浴びながらのプチ登山(しかも、ビデオ撮影の妨げになるため飲水なし)は、予想以上に身体にこたえましたね。実際、翌週に僕は体調を崩して寝込んでしまいましたから…
ただ、このコースは確かに全体的に道幅が保たれていて、車なら(大型車でなければ)対向車が来てもそれほどストレスなく運転できそうに感じました。別部隊の家族はカーナビを頼りに車で山岡ピザに向かいましたが、途中車1台がやっと…という狭さの道を抜けてきたそうです。生駒山の反対側・東大阪方面から行く場合も暗峠経由の国道308号線を使うことになりますが、このルートも所々にかなり道が狭い場所があります。そう考えると、車ならやっぱりラッキーガーデンさんが推奨するこのルートで行くのがベストではないでしょうか。
まあ、それでも大変は大変ですよ。特に後半は生駒版のベタ踏み坂がずっと続きますしね。馬力のない車で人や荷物をたくさん乗せて行こうものなら、アクセル踏んでるのに車が坂を登らない…なんてこともあるかもしれません(その危険性をわかっている地元の人は、軽自動車の所有率が異常に高い)。なので、車で山岡ピザに向かう場合も、荷物を最小限にして極力軽量化してからの方がいいですね。
というわけで、徒歩でも自家用車でも、山岡ピザに行くにはそれなりに大変です。自転車なんて、競輪選手並みの脚力とスタミナがないとまず無理でしょうね。バイクはいいですね。お一人様ならバイクがおすすめです。もし複数人数で行くなら、僕の一番のおすすめは生駒駅からタクシーですね。生駒駅から山岡ピザまで少し距離はありますが、大人4人でワリカンすればなんとかなるでしょ…
苦労して訪店したあなたには最高のご褒美が…山岡ピザはこんなお店
事前に電話で予約していたランチタイムの12時過ぎに、家族全員で無事入店となりました。山小屋のような木造の建物に店内席とテラス席があって、ネット情報では総席数が30席。山岡ピザのテラス席はペット同伴可で(大型犬は厳しそうですが…)、犬同伴の我が家はダンディーなオーナーさんからテラス席へ案内されました。
ここまで来るのに苦労したけれど、ここまで来たからこそ得られたものがありました。まず、山登りしたのとコンクリートからの照り返しがない分、気温が少し低くなった気がしますし、やっぱり空気が澄んでいます。街中の騒音は一切なしで、住宅地から歩いて30分ほどしか離れていないのに、まるでリゾート地にいるかのような静けさです。そして何より、この絶景…
この時間帯に雲がかかってきたのが少し残念ではありますが、こんな感じで生駒の街並みを数百メートル上から見下ろせるって、本当に気持ちが良いものですなぁ。頑張って来店した人たちへの最高のご褒美ですね。想像するに、暗くなる直前の夕焼け時なんかは写真映えしそうな絶景が目の前に現れそうです。山岡ピザはディナータイムも営業しているので、帰りの運転に自信がある方は、夜景を楽しみにディナーでの訪店も考えてみるといいと思います。
ただ一つだけ注意点。山岡ピザは完全予約制なので、仮に店内に空席があっても予約なしでは入店できません。どうやらお店では予約の入った分だけ食料や燃料を準備しているようで、そうなると当日予約も期待できないでしょうね。
予約の手段は電話のみで、月初めに翌月末までの予約が取れるようになります。例えば6月中のどこかに予約を取る場合、5月1日から予約の受付が始まります。特に週末の予約は早く埋まってしまうので、予定が決まり次第早めの予約が望まれます。営業中はなかなか電話が繋がらないので、お店の休憩時間に電話をするのがベターですね。
意外と豊富な山岡ピザのメニューを前に、我が家の食いしん坊達も何を注文しようか右往左往
それでは、ここらで山岡ピザの気になるメニューをご紹介しましょう。フードメニューをざっと並べると…
こんな感じで、ピッツァとパスタを中心として、アラカルトも意外とメニューが豊富なんですよね。おかげで我が家の食いしん坊達も何を頼もうか迷ってしまってました。お値段は一部の前菜を除き軒並み1000円超えとちょっとお高めですが(値段は税込)、街中のイタリアンレストランでもこのくらいの値段がするところはたくさんありますし、これで味が伴っていれば全然文句をつけるところではないと僕は思います。
あと、ここでも一つ注意なのが、山岡ピザはワンドリンク制をとっているということ。フードメニューの注文とは別に、1人1つはドリンクを注文しなければなりません。ドリンクもソフトドリンク500円からとちょい高めではありますが、そこは景色代として割り切ってしまいましょう!
ピッツァはオリジナル食感、パスタは本格派…山岡ピザで注文した5品のお味はいかに?
今回我が家が山岡ピザで注文したのは、ピッツァ2種類とパスタ3種類の合計5品。それぞれ配膳された順にご紹介すると…
まずはピッツアのド定番・マルゲリータ。フレッシュトマトは他店のマルゲリータと比較すると少なめですが、モッツァレラチーズがとろっとろで、口の中で焦げた生地の香ばしい香りとバジルの爽やかな香りが混じり合って、ふんわりと鼻に漂ってきます。
続いてピッツァの2品目・クアトロフォルマッジ。生地の上でとろけた4種のチーズがクリーミーかつ濃厚で、ブルーチーズ系の独特の香りがクセになってついつい次の一口をパクついてしまいます。うちの食いしん坊どもはこれに蜂蜜をたっぷりかけて、あっという間にペロリでした。
3品目はシンプルトマトソースにペコリーノチーズのパスタ。読んで字の如く、口の中で感じるのはあっさり目のトマトの酸味と塩気を伴ったペコリーノチーズのコク、that’s all!という感じ。本当に素朴な味で、そこが逆にパスタとしては新鮮な味に感じます。
4品目はいのししのボロネーゼ。ボロネーゼとは言いながら、直前のトマトソースのパスタよりもトマトは薄味で脇役的。濃厚な旨味がありながらしつこさを感じない猪肉の脂がソースのメインといった感じです。猪肉はよく豚肉に例えられますが、今回いただいたのは豚肉よりも牛肉に近い食感でした。心配される臭みは全然なく、これまた我が家の食いしん坊どもペロリでした。
最後に出てきたのがきのこのクリームパスタ。濃厚なクリームにきのこの粘り気が乗り移って、さらにねっとり濃厚なソースになっています。クリームの中から立ち上る穏やかな土の香りが大人好みな感じでしたが、これもうちの子供たちはあっさりペロリでした。
こんな感じの5品ですが、山岡ピザのピッツァ・パスタ共に他のイタリアンレストランとは一味違う特徴がありました。
まずはピッツアの方。画像を見返してもらえるとわかると思いますが、生地がかなり分厚く見えませんか?実際生地はかなり厚いのですが、中に空気がたくさん入っているんでしょうね…噛んでも全然抵抗感がなく、エアリーでサクサクふわふわな食感なんです。
ナポリピッツァのように薄くてもちもちでもなく、アメリカ系ピザのように分厚くて重厚な生地でもなく、山岡ピザオリジナルの生駒系ピッツァとでも言いましょうか(あくまで僕の知る限りでの話ですが…)。ピザ生地だけでもスナック感覚で食べられる気がしますし、とっても軽くて全然胃にもたれないので何枚でも行けちゃいそうです。
一方のパスタですが、おそらく一般的に日本人がイメージしているアルデンテよりは結構硬めの茹で加減になっています。でも、僕の少ない経験での話ですが、ローマで食べたパスタはどこも同じくらいの茹で加減だったので、むしろ山岡ピザのパスタこそが本物のアルデンテなのかもしれません。
麺の硬さにはそれぞれ好みがあると思いますが、最近はラーメンでも麺硬めを注文する人が増えているので、パスタでも(特に若者には)こちらの茹で加減のほうが好まれそうですね。時間が経っても麺がクタッとならないし、僕もイタリアで食べた最初の頃は違和感が強かったですが、慣れるとこちらの方が食べ応えがあって食後の満足感が上のように思います。
以上5品、燃費最悪かつ好きなものしか受け付けない我が家の食いしん坊どもが、5品ともペロリと平らげました。これにドリンク4杯で、気になるお会計は1万円をわずかに超えたくらい。4人で割れば1人2500円程度ですし、十分お腹も満たされたので、後で振り返ってみてコスパ的にも優れているように感じます。難点は本当にアクセスだけですが、僕と同じくらいの食いしん坊のあなたなら、結局その問題をもろともせずにお店を訪問することになるのではないでしょうか。
行くのは大変、でも行く価値満点!山岡ピザへのアクセスは、生駒ケーブルカー・宝山寺駅から徒歩35分
こんな感じの山岡ピザ、お店に入る前は正直「こんなに大変ならもう二度と来たくないなぁ…」と思っていたんですが(そもそも無謀なことをした自分が悪いのを棚に上げて)、お店を出る頃には「またいつか来たいなぁ…」に気持ちが変わっていました。公共交通機関で行くのはかなり大変ですが、マイカーがあるならば休日に1日かけて生駒に遊びに来てはどうでしょう?すぐお隣にはこれまたおしゃれな山小屋カフェ「おと。」があるので…
ランチの後も引き続きゆったりリラックスタイムを継続できますしね。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
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