最近インスタ映えスポットとして人気の高い、エメラルド寺院としても有名なタイの仏教寺院「ワットパクナム(正式名称:プラハマー・チェディマハー・ラッチャモンコン・ワット・パクナム・パシーチャローン)」。タイ語で「河口の寺院」を意味するこのお寺は、近年のSNSの発達により、エメラルド寺院として急激に多くの人に知られるようになりました。
なぜこんな美しいお寺が今まで無名だったのか?その理由は2つ。まずは…
ワットパクナム|MRTの延伸で今までよりずっと行きやすくなったインスタ映えスポット…たった1人でも歩いて行ける、最も簡単な行き方を紹介
この後説明しますが、このお寺の見どころである仏塔が完成したのがつい最近であること。そしてもう1つが、いわゆる三大寺院(ワットポー、ワットプラケオ、ワットアルン)とは違ってバンコク都心から少し離れた場所にあり、あまり良い交通手段がなかったことです。
でも、最近MRTが西に延長したことにより、ワットパクナムは最寄り駅から徒歩圏内になってずいぶんと行きやすくなりました。まだ観光客もそれほど多くないので、静かにゆっくり回りたければ今がチャンスです!
ワットパクナムの歴史:由緒正しき寺院に前国王陛下の誕生日を記念して仏塔が完成
ワットパクナムの歴史は長く、詳細は不明なものの、アユタヤ王朝中期(1488年〜1629年)頃に建築されたと言われています。タイ国王ラーマ3世の時代(1788年〜1851年)には王室寺院に指定された由緒正しき寺院で、前僧正のルアンポーソッド師の功績によって全国的にも有名になったようです。
そんなワットパクナムには、周辺を含めて元々観光名所となるようなものは何もありませんでした。今回の目的地となる大仏塔は、前国王陛下と王妃様の72歳の誕生日を祝う目的で建てられたものです。2004年に建築が始まり2012年に完成したという、比較的新しい仏塔。そのせいか、塔の最上階には今まで見たこともないような独特な世界が構築されているのです。
MRT駅から徒歩圏内になって、もうソンテウもタクシーもバスも必要なし!自分で行けるワットパクナムへの最も簡単な行き方
では、早速その行き方をご紹介します。出発点はバンコクのど真ん中・スクンビット駅。朝9時にここからファランポーン駅方面の地下鉄に乗り、トンブリー地区にあるBang Phai(バンパイ)駅を目指します。
ファランポーン駅を超えて、Tha Phra駅の手前から電車は地上の高架を走っていきます。そしてBang Phai駅到着の直前には、窓越しに建築中の大仏と白色の大仏塔を拝むことができます。
Bang Phai駅に到着。スクンビット駅から乗車時間は30分ちょっと。Googleマップによると、この駅から10分ほど歩けばワットパクナムに到着です。全体の所要時間としても、片道1時間かからないくらいです。
駅のホームから。中央に見える大仏と仏塔を目指して歩いていきます。
念のため、ここからワットパクナムへの行き方をGoogleマップの地図でも載せておきますね。
まずは改札を出て、1番出口から階段を降りていきます。
そのまま道なりに少し歩き、この路地を右前方方向に入っていきます。
ここからはしばらく道なりにまっすぐ。学校のような建物を右手にながめ、このカーブを左に曲がっていき…
風鈴が鳴る寺院を通り過ぎ、ローカルな道をまっすぐ進みます。
しばらく行くとこんな広場に行き当たるので…
広場の右奥方向に進みます。その先にある、こんな特徴のある形の橋を越えて…
さらにもう1つ小さい橋を越えて左へ曲がります。
その先には天井がついたアーケード状の通りがあり…
ここを通っていくと、左手に大きな寺院の入り口が現れます。
この画像の右側に大仏塔の案内が出ているのがわかりますか?目的地までもうすぐです。ここを右に曲がるとすぐに…
日本語で「緑ガラス仏塔 50m」という案内が見えます。ここを左に曲がれば大仏塔に到着です。
これまではBTSシーロム線のタラートプルー駅やウタカート駅からソンテウ(乗合バス)やタクシーを使う行き方が一般的でした。どちらもちょっとばかりタイ語を話す必要があり、それだけで行くのが億劫になったりしていました。
でも、MRTの延長によってバスもタクシーも使わずに自分で行ける条件が調いました。Googleマップと当ブログがあれば、自分1人でも迷わず落ち着いて観光ができるはずです。
ワットパクナムの拝観方法:入場料は不要ですが、服装には気をつけましょう
大仏塔の内部は5階建てになっており(実際はもっと上の階があるようですが、観光客は入れません)、インスタ映えスポットのエメラルド仏塔は最上階の5階にあります。
1階:タイの芸術品と文化遺産が展示された博物館
2階:宗教儀式や瞑想などが行われる集会所
3階:仏像や資料が展示された博物館
4階:タイで新しい座禅方法を説いたルアンポーソッド師の仏像があるスペース
5階:ガラス製のエメラルド仏塔と天井画
大仏塔の外で靴を脱いで、1階または2階から塔内に入ります。塔の最上階へは、階段またはエレベーター(土日のみ)で上がります。拝観時間は平日・土日ともに朝8:00から夕方18:00。入場料を含めて料金は一切かかりませんが、地元の人がお祈りに来て瞑想をする場所でもあるので、拝観マナーを守り、あまりハメを外しすぎないようにしましょう。少なくともTシャツに短パンといったラフな服装での参拝は控えるべきです。
エメラルド大仏塔:ここはプラネタリウム?緑の塔を中心とした内部空間は世界に1つの異次元世界
僕がエメラルド大仏塔を訪れたこの日は土曜日だったのですが、参拝者は地元タイ人以外にはほとんど日本人でした。特に友達同士でやって来る若い女の子が多かった印象です。インスタ映え狙いの日本人が多いのは理解できますが、なぜ日本人だけなのでしょうね…それとも、そのうち他の国の人たちもやって来るようになるのでしょうか…
何はともあれ、最上階にあるエメラルド仏塔はこんな感じです…
非常に幻想的な内部空間の中央に位置するのは、緑色のガラス800枚を精密に合わせて作り上げられた「仏舎利奉安塔」。四方は80頭ものガラス製の竜王で守られて、その頂上には黄金の仏像が収められています。
天井に描かれている、プラネタリウムのような神秘的な仏伝図。それを囲む菩提樹と二十八仏陀は、仏陀の生涯を表しているようです。
天井画の中心。ずっと眺めていると、何だか吸い込まれそうになります…
今まで見たことのないカラフルな仏塔と天井画。暑くなければ、その場でゆっくりとってしばらくじっと眺めていたい気にさせられます。おそらく現時点で世界に1つの異次元世界のような空間は、僕たちの子孫の時代には、新たな仏教芸術の1つとして教科書に載ったりするかもしれませんね。
ちなみに、仏塔の5階からはテラスに出ることができて、全周にわたってバンコクの街並みを見下ろすことができます。仏塔のすぐ隣では巨大仏陀が建設中で、数年後にはもう1つの見どころが完成することでしょう。
こうして、ワットパクナムで約30分ほど過ごして、スクンビットに戻りました。来た道をそのまま戻ってBang Phai駅へ。ここからMRTに乗って、スクンビット駅到着はちょうどお昼の12時頃でした。滞在時間を含めて所要時間は約3時間。朝早く出ればランチには十分間に合いますし、ショートトリップとしては絶好の条件ではないでしょうか。今まではピンクのガネーシャやワットポーなど、他の寺院との抱き合わせのオプショナルツアーに参加する人も多かったはず。でも、これからは散歩気分で1人でも楽勝で来れますよ。
さて、余談になりますが、ワットパクナムからの帰り道でこんなものを見つけました…
今は日本ではほとんど見ない公衆電話。行きでは気づきませんでしたが、最初に渡った橋のたもとにありました。川沿いにあるレトロな電話ボックス…こんなところにも何気なく郷愁をそそられますね。
実は千葉県・成田に日本別院あり!ワットパクナム本院へのアクセスは、最寄り駅のMRT Blue Line・Bang Phai(バンパイ)駅から徒歩10分
それでは、最後にワットパクナムの情報をまとめておきましょう。
ワットパクナム
住所:Soi Pak Nam, Thoet Thai Road | Pak Khlong Phasi Charles, Phasi Charles, Bangkok
電話番号:+66-2-467-0811
営業時間:8:00-18:00
実はこのワットパクナム、千葉の成田市郊外に日本別院があるらしいのです。タイの本院のような観光・インスタ映えスポットではないようですが、タイの年間スケジュールに合わせてイベントやお祭りが行われるようです。こういったつながりがあると知ったら、機会があれば日本別院にも行ってみようかな…と思いますよね。
そんなわけで、日本別院の情報もまとめておきますね。
ワットパクナム 日本別院
住所:千葉県成田市中野294-1
電話番号:0436-73-8090
Googleマップで行き方を調べると、成田国際空港から北へ車で20分程度の距離のようです。近くまで運行している公共交通機関はなさそうなので、近くに住んでいる人でなければタクシーで移動するしかなさそうです。
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