京都の観光名所・北野天満宮の鳥居前に「とようけ茶屋」という豆腐料理店があります。このお店の母体は、明治30年の創業のとようけ屋 山本という老舗豆腐店。その伝統ある豆腐店が遠方から来たお客さん向けに、その場で食べられる飲食店をオープン。その結果、毎日お昼頃になると店頭に長い行列ができるんだそうな…
全国的に思いっきり冷え込んだある日のお昼頃にとようけ茶屋を訪問。コロナ禍に加えてとにかく寒い日で、コートを着ていても身体の芯から冷たくなってしまうような日だったのですが、そんな寒さにも関わらず10人くらいが並んでいました。
みんなブルブル震えているのがコート越しでもよくわかります。そんな寒さを我慢してまで並ぶ理由は、おそらくみんな一緒でしょう。それは何かというと…
湯豆腐がとにかく安い!人気メニューの生湯葉丼も一緒に頼んで2000円以下と破格の安さ!だけど…
冬の京都といえば、やっぱり湯豆腐。でも湯豆腐の名所である南禅寺や嵐山周辺で湯豆腐食べると、たいてい軽く2000円を超えてしまいます。というか、その辺りって南禅寺順正や西山艸堂のように、ちょっと格式高そうなお店しかないんですよね…
その湯豆腐が、とようけ茶屋では単品でなんとお値段600円(税別)。それも、スーパーで売っているような豆腐ではなく、創業100年以上の老舗の豆腐ですよ。これをお得と言わずに何というんでしょうか?
そしてもう一品。とようけ茶屋と言えば、数々の口コミやフードブログで絶品と評判の人気メニュー・生湯葉丼も忘れてはなりません。こちらは単品でお値段960円(税別)。湯豆腐と両方頼んでも2000円行かないって嬉しすぎ〜!と舞い上がった挙句、金欠状態にも関わらず両方注文してしまいました。
まず突き出しとして出てきたのがこちら。奴豆腐の上に、トマトベースのドレッシングがかかっています…
この奴豆腐、絹ごし豆腐のようにきめ細かいのに、箸でつまんでも型崩れしないしっかりした豆腐なんです。さすが専門の豆腐屋さん。その辺で買える豆腐とはわけが違います。舌の上で潰してみると、苦味はなくクリーミーな感じで、そのまま食べても全然美味しくいただけました。ドレッシングがかかっているため豆腐サラダ的な突き出しになっていますが、僕はそのままの味の方がいいかな…と率直に思いました。
その後、メインの湯豆腐と生湯葉丼が同時に運ばれてきました。まずは湯豆腐から…
熱々に煮えたぎった湯豆腐…寒い中並んでまった努力が報われた瞬間です。土鍋の中には大きな豆腐のブロックが6〜7個。値段は安くても、全然ケチる様子は見えません。
砂糖の混ざった濃いめの醤油出汁をかけて口に放り込むと…突き出しの奴豆腐とは違って大豆の風味が口いっぱいに一気に広がっていきます。とにかく濃厚。そして喉を通ると、食道を中心に放射状に熱が広がり、冷えた身体が一瞬で生き返ります。
そして生湯葉丼のほうは…
このように、丼の表面を見ただけでも湯葉が惜しみなく入っているのがわかります。
丼にたっぷりとかかった餡は、甘味と生姜の風味が効いていて、京都としてはやや濃いめの味付け。その中に溶け込んだ生湯葉は、とろっとした部分としっかりとした部分の相反する二面性があって、とろとろだけではなく本来の生湯葉の食感も楽しめるようになっています。
この二品でしっかりお腹も満たされてお会計。これで千円札2枚でお釣りが返ってくるって幸せだなぁ…と喜んで店を出たものの、財布の中に残ったお金を見てその喜びはしゅんと萎んでいき、帰りに夕食用のカップラーメンを買うハメになってしまったのでした…
次から湯豆腐食べたくなったらまずここかな…とようけ茶屋へのアクセスは、最寄り駅の京福電鉄・北野白梅町駅から徒歩5分
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
P.S. 京都で美味しい湯豆腐をお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄ってみてください…
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