京都にある鶏料理の名店として名高い、丸太町の八起庵と西陣の鳥岩楼。ともに1人で気軽に行ける店ではありませんが、ランチタイムは話が別。特に今回ご紹介する鳥岩楼は、格式の高い店で絶品の親子丼が食べられると若者の間で評判になっています…
鳥岩楼|歴史ある格式高い水炊き専門店…ランチメニューの親子丼を目当てに、開店前の行列には修学旅行の学生さんも
鳥岩楼は戦前に創業して以降、京都で鳥を専門に扱って来た水炊き専門店。僕が鳥岩楼を訪れたのは、太陽が高く上がった夏真っ盛りの週末。開店の15分前に店に到着すると、すでに20人ちょっとの人が行列をつくって入店待ちをしていました。
並んでいるお客さんの年齢層は、夜にはとてもやって来ないような若者や小さな子供を連れた家族客、中国語を話す観光客…後から並ぶお客さんの中には、学生服を来てタクシーで乗りつけた修学旅行の学生グループもありました。なので、ランチタイムならあなたも気後れする必要は全くありません。
さて、開店時間になって、行列の前の人から順に店内に案内されます。鳥岩楼の建物は京都らしく奥に長い構造になっていて、のれんをくぐって少し進んだところの玄関で靴を脱いで上がります。
その奥には古風な中庭があって…
その奥にある階段で2階に上がったところが客席です。
ディナータイムはわかりませんが、ランチタイムの客席はこの座敷席のみ。全部でお客さんが30人くらいでしょうか。問答無用の相席で、それでも入りきらないお客さんは玄関のところで待機することになります。
鳥岩楼のランチメニューは親子丼一択、お値段900円…中には2人前、3人前頼む人もいるらしい
そして、メニューもランチタイムは親子丼一択(お値段 900円)です。店員さんが注文を取りにくるようなことはありませんし、お茶もセルフサービスです。入店の順番に親子丼が次々と配られていきますので、座布団に座ってお茶をすすりながら、自分の番が来るのをじっと待つのです…
席に座って15〜20分くらい経ったでしょうか。ようやく僕の前に親子丼が着丼となりました…
白く飾り気のない丼は、片手サイズの小さなもの。蓋を取ると、中から山椒の香りがふわっとひろがります。粉山椒が振りかけられた卵とじから顔をのぞかせる鶏肉、丼の頂上にうずらの生卵…見た目も派手さはなくシンプルそのものです。
では実食…鳥岩楼の親子丼は卵にしっかり熱が通った状態になっているので、流行りのとろとろ半熟卵の親子丼とは一線を画します。とは言え、程よい柔らかさを残した卵は出汁をしっかり吸っていて、口の中で卵がほぐれると同時に甘い出汁の風味が口いっぱいに広がり、上にかかった山椒の香りが鼻から頭へ突き抜けていきます。
画像では伝わりにくいと思いますが、この中に鶏肉も結構入っています。感覚的には、卵と半々くらいでしょうか。女性の一口サイズにカットされた鶏肉はプルプル弾力があって柔らかく、鶏の旨味が中からじわーっと滲みでてきます。そのまま食べてもいいですが、黄身をほぐしたうずらの卵につけて食べるのも格別です。
そして忘れてはならないのが、こちらのスープ…
湯のみほどの大きさの器の半分ほど、鶏ガラを長時間煮込んですくった白濁スープが入っています。わずかに塩をふって味を整えたスープは雑味がなく、鶏の旨味も濃厚で、飲んだ後に身体に活力を与えてくれるような一杯。これも京都の上質な地下水のなせる業でしょうな…
親子丼というと何となく男性的なガッツリお腹にかき込むイメージがありますが、この親子丼はどちらかというと女性的な丼物の印象を受けます。明らかに男性にとっては物足りない量ですが(1人で2杯、3杯注文する方もいるようです)、女性や軽めに昼を済ませたい場合には最適なボリュームです。
歴史を感じさせる料亭で気軽に親子丼を…鳥岩楼へのアクセスは、最寄り駅の京都市営地下鉄・今出川駅から、バス203番系統で今出川浄福寺バス停下車
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
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