全国にある数々の人気店を抑えて、秋田県で食べログ全国1位を獲得したことがある名居酒屋・酒盃。聞けば今年で創業47年目。そんなすごいお店があるなんて、ついこの間まで全然知らなかったなぁ…
でも知ってしまったからには、やっぱり行かねばなりますまい。秋田滞在の最終日の夜に合わせて、1ヶ月前から電話で席を予約。川反近くにあるホテルを出て歩くこと約20分、どんなお店なのかワクワクしながら、秋田県庁近くにあるお店に行ってみると…
小さな飲食店街の中で存在感ありまくりの店構え…酒盃はこんなお店
秋田の名居酒屋・酒盃は、秋田の行政の中心地である山王エリアにあります。秋田市役所の裏側はちょっとした飲食店街になっていて、お店のある路地にも昭和っぽい雰囲気のスナックがちらほら…そんな通りの中で、昔から続く旧家をそのまま使っているかのような店構えのお店からは堂々とした威厳が漂ってきて、僕も入店を前にピリッと気持ちが引き締まりました。
靴を脱いで店内に入ると、左側には厨房に沿ってカウンター席が8脚、右側には個室が3室あります。Retty情報では総席数が20席。薄暗い古民家を照らす裸電球の灯りが雪深い東北地方の郷愁を誘います。
そんな酒盃でいただけるメニューはこんな感じ…
メインとなる酒肴料理コースに加えて、自家製がっこやじゅんさい、比内地鶏など秋田の郷土料理的なメニューがちらほら(値段は税込)。でも、僕は予約の時に5000円のコースの予約をお願いされましたので、おそらくそれ以外のフードメニューはコース料理でお腹が満たされなかった時用のサポート的な位置づけなのでしょう。
日本酒を片手にしっぽりと…この日に酒盃でいただいた全9品のコース料理(+1)をご紹介
それでは、この日に酒盃でいただいたコース料理全9品(プラス追加注文1品)を順にご紹介しましょう…
箱膳
まず目の前に運ばれてきたのが箱膳6種。左上から時計回りにきのこの含め煮、ニシンの旨煮、男鹿の海藻・黒藻、ごりの唐揚げ、南蛮味噌とイカのとも和え。この時の僕は全然知らなかったんですが、箱膳って昔の日本の食文化として大切なものだったんですね。本当は裏返した蓋にお料理を乗せて食べるべきだったのに、普通にそのまま6品いただいてしまいました。ホント、教養のなさ丸出しです…
お造り
続いての料理は甘鯛、カサゴ、ニシン、いかの4種のお造り。皮目を炙られた甘鯛の香ばしさ、カサゴの身の弾力、身が締まったニシンの歯応え、イカのねっとりした食感。それぞれを日本酒片手に…いやぁ、しびれますなぁ。
豆腐料理
3品目は豆腐料理・炊き立ておぼろ生豆腐。絹ごしと木綿の中間くらいの硬さの豆腐は大豆の味が濃厚。濃い目の醤油出汁と合わせて意外としっかりとした印象が舌に残ります。
天ぷら
4品目は5種類の天ぷら…のはずなんですが、またしてもやっちまいました。左上から穴子、茗荷、糸かぼちゃ、稚鮎…と並ぶのですが、実は稚鮎の上には葉生姜の天ぷらがあったんですよね(油で濡れているあたり)。目の前にきた瞬間、葉生姜をパクリとやってしまって、そこで気づいて慌てて画像に残したというわけです。はぁ…でも、せっかくの時間が台無しになるので、あまり落ち込まずにサクサク天ぷらを塩であっさりいただきましょうかね。
野菜料理
5品目はメニューの記載と順番が代わって、野菜料理として秋野菜のおひたし。一番出汁くらいのあっさり和風出汁の中にあるのはかぼちゃ、プチトマト、アスパラガス、茗荷、蓮根、オクラ、そして秋田の山菜・ミズの7種類の野菜。出汁や茗荷の香りを感じながら、ここらでちょっと一休み…という感じ。
肉料理
6品目は肉料理・由利牛の冷しゃぶ。酸味の効いた醤油ジュレでサラダっぽくいただきます。地元秋田の黒毛和牛・由利牛は、全国的な知名度はまだまだですが、肉質が柔らかくて美味でした。
季節料理
7品目は季節料理として、野菜と豆腐の揚げ出し。中にはいんげんと茄子、山芋と豆腐が入っていて、蕎麦の実が入った濃いめのあんかけ醤油出汁をかけていただきます。
お椀
もうすぐゴールの8品目は比内地鶏のスープ。滋味深い比内地鶏の出汁がじんわり身体の奥にまでしみ渡る感じ。ご主人曰く「お酒の飲めるスープ」ですが、僕個人的にはお酒を飲んだ後の1日の〆として飲みたいスープですね。
プラスの一品
酒盃の酒肴料理コースはこの後の一品で終了となるのですが、やっぱり日本酒に合わせるものとして考えられたコースなので、食事として考えるとこれでは少し物足りない…ということで、〆に行く前に追加で秋田名物・ハタハタを注文しました。
何十年も前はうんざりするほど獲れていたハタハタも、今となってはすっかり希少品。塩焼きされたハタハタの身はパリパリで香ばしく、こいつだけで日本酒2〜3合は軽くいけちゃいそうなほど、お酒のつまみとしてどハマりな一品です。
手打ち蕎麦
そして最後の一品は、ご主人が打った手打ち蕎麦。手打ち蕎麦らしく形が不揃いで、表面がざらついていて素朴な感じがします。麺はコシが強く、1本1本が比較的短めなので食べやすく、喉越しもスムーズ。まずは定番の鰹出汁で食べ始め、後半は付属の辛み大根の搾り汁を使ってヘベレケになった頭をシャキッと戻しましょう。
以上全9品+1、僕としては十分に満足できました。しっかり日本酒をいただいても、お会計1人1万円あれば収まりそうです。
お店の雰囲気は決してカジュアルではないので、ただ「食べログ全国1位」という肩書きに釣られてミーハーな気分で行くと、場の空気を乱してしまって不快な思いをするかもしれません。でも、ご主人も決して気難しいわけではなく、カウンター越しに普通に会話をしてくれますし、日本酒の知識もさすが…と感じさせてくれるので、最低限のマナーを守れる日本酒好きの方には僕は酒盃を自信を持っておすすめできます。
やはり予約は必須…酒盃へのアクセスは、JR奥羽本線・秋田駅西口から 秋田中央交通将軍野線・市民生協入口行きバスに乗り、高陽青柳町バス停下車徒歩2分
そんな秋田の名居酒屋・酒盃、一応完全予約制ではありませんが、予約なしでの突撃はほぼ確実に撃沈の目に遭うようです。予定が決まり次第、できるだけ早めにお店に予約の電話を入れましょう。普段使いもできますが、勝負をかける時のとっておきの店としてキープしておくといいでしょうね。日本酒好きの上司や取引先の人などを連れて行けば、あなたの株が上がることはほぼ間違いなしです。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
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