平成31年2月某日。この日の京都・嵐山は、晴天ながらも雪がちらつく風情ある天気。外気に露出した頬や手にピリリと痛みを感じる寒さ…こんな時に、座敷に座ってゆっくり日本庭園を眺めながら、あったかい湯豆腐を食べるなんて最高じゃないですか!
西山艸堂|お値段3200円の湯豆腐定食のみで予約が殺到する京都・嵐山の精進料理
この日に予約してやってきたのは、天龍寺敷地内の妙智院というお寺にある西山艸堂。嵯峨野界隈で最も古い歴史をもつ湯豆腐のお店です。
入り口の門をくぐった所には調理場があり、ここで受付をしています。予約していることを伝えると裏から入るように案内されますので、そのまま中庭を通って奥の縁側から座敷に上がります。
天龍寺内での静かなランチタイム。多くの観光客を惹きつける西山艸堂の「湯豆腐定食(お値段 3850円)の中身はこちら…
こちらで提供されるお料理は、お値段3200円(→令和6年1月現在 税込3850円)の「湯豆腐定食」の1品のみ…なのですが、これを目当てに観光客の予約が殺到し、日によっては入店待ちの行列まで作ってしまいます。そんな西山艸堂の湯豆腐定食ですが、席に着いて炭火で温まり、お茶で一息ついたころから次々と料理が運ばれてきます…
まずは胡麻豆腐。豆腐に弾力があって、口の中に入れると今度は舌の周りにネトっとまとわりつくような食感です。
次に、これも西山艸堂の人気メニューの1つである飛龍頭。ソフトテニスボールくらいの大きさで、ふわっと揚がっていながら煮崩れせず、しっかり形が保たれています。一口かじってみると、甘い出汁をしっかり吸った生地とほっこりした百合根が、口の中でふんわりした幸福感を演出してくれます。
さらに続きます。上から時計回りに豆腐の寿司、ナスの田楽、そしてすりおろした菜の花とゴマの団子です。この団子、菜の花の苦味とゴマのコクが合わさって、大人好みの濃厚な味に…きっとビールにすごく合うんじゃないでしょうか(精進料理なのでお酒は飲みませんが)。
メインの前にもう一皿。左上から自然薯、そして湯葉の揚げ物、下に行ってシシトウの天ぷらです。自然薯はふわっと、湯葉は逆にパリッと、異なった2種類の食感が楽しめます。そして、自然薯の下に実はもう一品、高野豆腐の揚げ物が隠れていたんです。ただ気づかなかっただけなんですが、ちょっとしたサプライズでお得な気分になりました。
かの有名な嵐山吉兆にも豆腐を仕入れる名店・嵯峨豆腐森嘉の絹ごし豆腐がたっぷり!
そしてメインの湯豆腐。これにご飯と吸い物、漬物がついてコース終了です。
土鍋の中に大きな絹ごし豆腐が3切れ、くつくつと沸騰した昆布だしに沈んでいます。画像で見ると大きさがわかりにくいですが、おそらくこの3切れで豆腐1丁くらいあるのではないでしょうか。
画像でも伝わりますよね、このプルプルした豆腐のなめらかさ。口の中でプツッと弾けて、昆布醤油のつけだれと混ざって広がり、とろっと上品なだしの風味を口全体に届けます。
豆腐の役割はこれで終わりじゃありません。炭火で温められた豆腐は芯までアツアツで、口から喉を通って食道、そして胃に向かう過程で、その熱が冷え切った身体へじんわり伝わります。「身体の芯から暖まる」とは正にこのことではないか!と実感できるような、心も身体もほっこり暖まる湯豆腐体験でした。
和服姿の日本人にもカメラを構えた外国人観光客にも精進料理を!京都・嵐山の西山艸堂へのアクセスは、最寄り駅の京福電鉄嵐山駅から徒歩1分
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
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