大阪の北端・能勢町、大自然に囲まれた中にポツンとある秘湯・山空海温泉(さんくうかいおんせん)に行ってきました。近くで鍼灸院を営むオーナーが掘り当てて、平成4年から患者さん用の湯治やリハビリを行う場所として始まったのですが、3年後に発生した阪神大震災でお風呂に入れない人へ無料開放したのをきっかけに一般利用できるようになりました。最寄りの駅から5km以上も離れ、公共交通機関で行くと最寄りのバス停から1時間近くも歩くというアクセス不良の辺鄙なところにありながら、治療目的の常連さんだけでなく遠方からの温泉マニアも多数やってくるというこの温泉、何でそんなに多くの人が訪れるのかというと…
駐車場はあるの?ボディーソープやシャンプーを持っていく方がいい?山空海温泉での入浴にあたっての注意点をまとめておきます…
山空海温泉は能勢町のシンボルである「野間の大ケヤキ」から西へ約3km、府道106号線に沿って流れる小川のほとりにあります。道を走っていて目に飛び込んでくるような目立つ施設ではないので、この温泉に行くためにはカーナビやGoogleマップは必須です。一応道路に駐車場の案内が出ているのですが…
この小さい立て看板しか出ていないし、気をつけていないとあっさり通り過ぎてしまいそうですしね。あと、駐車場への道がかなり細くて入りにくいので、特に左折で入る場合には運転に注意が必要です。
駐車場から川沿いに南へ200mほど歩くと、目的の山空海温泉に到着します。僕が山空海温泉に着いたのが日曜日の朝7:45頃。まだ営業開始前の時間帯だったのですが、プレハブの中からおっちゃんが出てきて…
と快く受け入れてくれました。入浴料は大人1人1000円(税込 現金払いのみ)。おっちゃんに千円札を手渡して奥へ進みます。
温泉のある建物は噂通りの小さく古びた掘立小屋で、手前側に男湯、奥側に女湯の入り口があります。扉を開けて中に入ると脱衣スペースがあるのですが、大人2人着替えしていたら一杯いっぱいって感じの広さですね。でも、僕が一番心配していた鍵付きのロッカーは8人分配備されていました。これがあれば、貴重品の管理を一切気にすることなく温泉に集中することができますからね…
さすがに浴室内に人がいる状況で画像を残すわけにはいかないので、ここからは文章のみで説明していきます。浴室に入ると左手に冷水用と温水用のシャワーが1つずつあり、正面に3〜4人用の浴槽が2つ、そして右手前奥に水風呂用の小さなステンレス浴槽…といったレイアウトになっています。正面の2つの浴槽は温度の異なる温泉になっていて、右側が32-36℃のぬるめの温泉、左側が40-43℃の温かめの温泉になっています。浴室内はほんのり硫黄のにおいがして、天然温泉感が満点です。
事前に調べたところによると「石鹸などのアメニティーは置いてない」ということでしたが、浴室隣のトイレの中にボディーソープとリンスインシャンプーが置いてありました。僕より先に来ていた常連さんの持ち物ではなさそうだったので、多分利用者は誰でも使って良いものなんじゃないかな…と思います。
山空海温泉の気になる泉質と効能は?信じるかどうかはあなた次第ですが、全国的にも希少な100%源泉かけ流しの他にもこんなメリットが…
さてさて、せっかく温泉に入るのであれば、泉質と効能はすごく気になるところじゃないでしょうか?でも残念なことに、山空海温泉の正確な泉質は不明です。普通温泉施設って行政機関にチェックを受けたデータが掲示されているものですが、ここにはそんなものはないんですよね。一応ネット情報によると泉質は炭酸ナトリウム硫黄泉で、冷え症や関節痛、皮膚病、神経痛などに効くらしいですが…
そんな感じで、一部の人から「怪しいな…」と思われても仕方がない部分もあるのですが、実はこの温泉、大阪どころか全国でも希少な「100%源泉かけ流し温泉」として温泉マニアには有名な場所なんです。「100%源泉掛け流し」とは一般的に…
のことを指すのですが、山空海温泉は素人目で見ても「100%源泉かけ流し天然温泉」なのがわかります。浴槽へは普通の蛇口から温泉水がダイレクトに供給され、排水溝から溢れたお湯が流れ出ていくだけのシンプルな構造をしていて、循環濾過装置のようなハイテク装置が入り込む余地がありません。
さらに言うと、水風呂用のステンレス浴槽に流れる冷水も、水道水ではなくて100%の温泉水が使われています。というのは、そもそもこの温泉の源泉が水温18℃くらいなんだとか。つまり、この水風呂用の水こそがこの温泉の源泉そのもので、山空海温泉ではこの冷泉を温めることで温泉として利用しているというわけです。僕も今まで多少は温泉巡りをしてきましたが、こんな100%づくしの温泉は初めてだと思います。
最後に1つ付け加えると、この冷泉は飲水可の泉質で、実際に飲むことはもちろん(浴槽にも飲水用のステンレス製コップが置いてありました)、常識の範囲内の量であればお持ち帰りも可能(別料金が発生します)。気になる硫黄臭は1日も置けばなくなってしまうようなので、その後はナチュラルミネラルウォーターのようにゴクゴク飲むことができます。この温泉水を持ち帰れば、自宅で温泉コーヒーを淹れる…なんてこともできるようになるわけです。こんな感じで、知る人ぞ知る秘湯感満載の山空海温泉、ドライブがてら一度訪れてみてはいかがでしょうか?
山空海温泉 5点満点中
住所:〒563-0123 大阪府豊能郡能勢町下田尻801
電話番号:090-7887-0995
営業時間:[冬季] 平日土曜 10:00-17:00、日曜祝日 8:00-17:00
定休日:木曜日、金曜日
駐車場:あり
クレジットカード払い:不可(現金払いのみ)
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