かつて僕が生まれる前(すみません、ウソつきました)、京都で伝説と呼ばれたらーめん杉千代というお店が太秦にありました。1999年に開業して10年間、行列が絶えない店として凄まじい人気だったのですが、その行列によるクレームを理由に2009年に閉店してしまったんです。
そのお店が2021年6月に復活するというニュースが流れて、京都のラーメン好きだけでなく地元のグルメ雑誌やSNSでも盛り上がりました。残念ながらお店の運営は当時とは違う新しいスタッフですが、肝心のラーメンは当時のオーナーさんから漏れることなくレシピを受け継いで作られる本物の味だそうです…
四条河原町で見事復活!リニューアルされたらーめん杉千代はこんなお店…
らーめん杉千代が復活オープンしたのは、京都随一の繁華街・四条河原町。常に人通りが絶えない高瀬川沿いの道から西側に路地を入ったところにあります。
僕がお店を訪れたのは、ランチタイムを少し過ぎた午後2時くらい。平日ということもあってか、あるいは新型コロナ対策の影響もあってか、想定された行列はなくすんなり店内に入れました。
のれんや調度品などを全て受け継ぎ、内装もオーナーさんから指導を受けてリニューアルしたというお店には、厨房に沿ってカウンター席が10脚と、奥に掘り炬燵式の座敷席が2卓あります。木材と基調とした懐かしい内装のお店には、肩の力を抜いてマイペースでラーメンをすすれるゆったりした雰囲気がありますね。新しくお店の運営にあたるスタッフさんも接客が丁寧で、最近流行りのラーメン屋でよくある「ラーメンに全てを捧げてます」みたいな切迫感を感じないところは僕は好きですね。
らーめん杉千代のメニューは至ってシンプル…デフォルトで唐辛子が入っているので、辛いものが苦手な人はご注意を
そんならーめん杉千代のメニューは至ってシンプル。
- らーめん(並) 750円
- らーめん(大) 850円
- ちゃーしゅーめん(並) 950円
- ちゃーしゅーめん(大) 1100円
の2×2(値段は税込)。麺の量とチャーシューの量を調整するだけの、京都ラーメン一本勝負。追加トッピングもネギ増量(プラス50円)ととろとろ煮卵(数量限定 プラス100円)だけで、メニューから昔の人の一本気質なところが伝わってきますね。
さて、らーめん杉千代でラーメンを注文する前に、1つだけ注意点があります。それは「デフォルトでスープに一味唐辛子が入っていること」です。結構辛さが効いているので、辛いものが苦手な人はくれぐれもご注意ください。ただ、8歳以下のお子様に向けて一味唐辛子抜きのお子さまらーめん(お値段 400円)も用意されているので、大人が食べられるのであれば小さな子供連れでも大丈夫です。
ちゃーしゅーめん:かつて太秦に大行列をつくった伝説のラーメン復活バージョン…そのお味はいかに?
今回僕がらーめん杉千代で注文したのはちゃーしゅーめん(並)。これがかつて太秦に大行列をつくった伝説のラーメンの復活バージョンです…
スープが完全に白濁していて中身はほとんど見えませんが、表面に大きなバラチャーシューが3枚浮かんでいるのがわかります。
では、早速スープから…豚骨ベースの白湯スープに背脂が少々。見た目は味が濃そうに見えるのですが、背脂が少なめで脂っこさがないのもあり、見た目に反して意外とさっぱりしています。醤油味も比較的薄めで、醤油のキレを出すというよりは白湯のコクですべてを包み込んだ調和系のスープになっています。
特徴的なのはデフォルト状態ですでに結構効いている一味唐辛子。背脂ちゃっちゃ系の元祖・ますたにのラーメンのように隠し味として忍ばせているわけでなく、一口目からピリリと来ます。辛いものが苦手な人はくれぐれもご注意を。
一方、これに対する麺は低加水系のストレート細麺。もっちり食感が楽しめるちょうど良い茹で加減で、口の中に豚骨白湯の旨味を残しつつ、スルスルと喉元を過ぎていきます。
そしてこのラーメンのハイライトである豚バラチャーシュー。下手をすると箸で簡単に崩れてしまいそうなくらいトロトロに煮込まれています。今でこそチャーシューがウリのラーメン屋は多々ありますが、開店当時の20年前ならこのチャーシューで無双していただろうなぁ…と想像がつくくらいの出来栄えでした。
残念ながら僕は閉店前の味を知らないので、今の味と昔の味を比べることはできません。ただ他のラーメンブログなどを見る限りでは、かなり再現度は高いようですね。京都ラーメンの歴史を知らない僕のような人間でも美味しく食べられますが、特に昔の味を知っている人や京都ラーメンの歴史を体感したい人にはおすすめです。
実は昔、カップラーメンにもなったらしい…らーめん杉千代へのアクセスは、最寄り駅の阪急京都線・京都河原町駅から徒歩1分
そんならーめん杉千代のラーメンは、かつて日清食品からカップラーメンとして販売されたこともあるようですね。これはつまり、杉千代の味が大企業に認められたということです。伝統的な京都ラーメンは今でも京都市各地で食べることができますが、四条河原町周辺ではらーめん杉千代が有力な選択肢の1つになってくることでしょう。京都観光に来る全国のラーメンフリークの方、ぜひお見知り置きを…
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
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