ラーメン二郎(ラーメンじろう) 三田本店…ラーメン業界に「二郎系」「二郎インスパイア系」「G系ラーメン」「J系ラーメン」「ジロリアン」「天地返し」など数々の独自ワードが蔓延るきっかけとなった伝説のお店。その歴史は古く、昭和43年(1968年)に目黒の都立大学駅近くで創業、その後2回の移転を経て平成8年(1996年)から現在の慶應義塾大学正門近くで営業を続けています。実は昔は店名が「ラーメン次郎」だったのですが、1回目の移転の際にペンキ屋が間違えて看板に「二郎」と書いてしまったことを契機に、現在までそのまま「二郎」を使っているのだとか。
そんな二郎系ラーメンの発祥店・ラーメン二郎 三田本店には、ガッツリ系ラーメンが好きな人なら絶対に一度は訪れないといけませんよね。僕もずっとそのチャンスを窺っていたのですが、ある日にふと新幹線で東京に立ち寄る機会が訪れまして…「このタナボタ的チャンスを活かさねば!」と朝11時に東京駅に到着してそのままラーメン二郎 三田本店へ向かいました。JR田町駅からGoogleマップを頼りに慶應大学方面へ。お店に到着した11:30頃、気になる行列はどうだったかというと…
ランチタイムには待ち時間1時間超えは当たり前…ラーメン二郎 三田本店で行列に並ぶ時のルールと注文時の注意点は…
僕が慶應義塾大学の正門を通り過ぎてラーメン二郎 三田本店に近づくにつれて、こんな感じの人だかりが目に飛び込んでくるようになりました…
ラーメン二郎 三田本店での行列の並び方
地図で見ると三角形の区画にあるお店を囲うようにしてズラリと長い行列が…この時先頭から数えて、行列の最後尾まででちょうど50人の先客(この日のお客さんは男性:女性が9:1、学生:社会人も9:1くらい)がいました。この画像でいうと、左側の大通り沿いにお店の入り口があって、右側の小道の方はお店の裏口に当たります。混雑時にはこのように、お店の裏口方向に折れ曲がって並ぶのがルールになっています。
この行列の最後尾はこの位置だったのですが、実はこの並び方はよろしくありません。画像の右側がお店とは関係がない駐車場になっていて、出入りする人の妨げになるからです。実際この数分後に店内から店主(創業者の山田拓美さんは、ジロリアンから「総帥」と呼ばれています)が出てきて…
と、並び直しをお願いされました。ラーメン二郎の総帥って「怖い」というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、実際はとても物腰柔らかい人でしたよ。
そんなわけで、このように並び替えて待機。先に見える赤いコーンが折れ曲がりの目印でしょうか。お店の非公式ツイッターアカウントで混雑状況がリアルタイムでわかるようになっているので、来店前にはぜひご利用ください。ちなみに、ラーメン二郎 三田本店には公式の駐車場もなければ駐輪場もありません。周囲の環境から考えて、自転車やバイクでの訪店はおすすめしません。
ラーメン二郎 三田本店のメニュー紹介と食券の買い方
ラーメン二郎 三田本店の店頭側には、こんな自動販売機が設置されているのですが…
ちょうどこの位置になると、行列の先頭から5〜10番目になっているはず。この頃になったら、一旦行列を抜けて店内に入り、券売機で食券を購入しておきましょう(ちなみに、この自販機で購入したドリンクは店内への持ち込み可です)。
ラーメン二郎 三田本店のメニューは、この券売機の画像が示すようにラーメン(小ラーメンと言われることも)と大ラーメンの2種類のみ。それぞれチャーシューを増量したぶたラーメン、ぶたダブルラーメンの選択肢があり(この日はぶたダブルラーメンは売り切れ)、2×3=6通りの選択肢があります(ちなみにこの券売機の上には、ラーメン二郎の社訓が貼ってあるのも一部のマニアには有名な話)。
ここで二郎初心者にとって注意が必要なのは麺の量。ラーメン二郎では小ラーメンでも麺の量が約300gと、一般のラーメンの倍近くあるんです。大ラーメンになると麺量は約400gと一般のラーメンの約3倍。逆に小ラーメンの食券を購入しておいて、注文の時に「麺少なめ(約250g)」「麺半分(約200g)」の選択もできるので、きちんと完食できるサイズの量を注文するようにしましょう。
それにしても、今のご時世でラーメン一杯がお値段 600円(税込)って、どれほどの神コスパなんでしょう?小ラーメンでもものすごいボリュームだし、100円や200円値上げしても全然文句は言われないと思いますが…
ラーメン二郎 三田本店でのラーメンの頼み方
いよいよ入店間近となると、店内のカウンターから順番に「食券を見せてください!」と声がかかります。この時にカウンターに向けて食券を見せると、実際に入店する前から麺を茹でてくれます。麺の茹で加減や麺量を調整してもらいたいときは、この時に忘れずに希望を伝えておきましょう。
この日は行列に並び始めて約70分で店内へ…席に着席したら、購入した食券をカウンターの上に置いて、中の店員さんにわかるようにしておきましょう。
食べログ情報によると、ラーメン二郎 三田本店の客席数はカウンター席のみの全部で13席。ただ、お店のスペースはかなり狭く、お店の出口に向かって移動する時も座っているお客さんに協力してもらわないといけない感じ。とても大きな荷物を抱えて来れるお店ではないので、その点もご留意を。
さて、ラーメンの完成直前になると、厨房から…
の声がかかります。この声がかかった時が、ラーメンを自分好みにカスタマイズする「コール」のタイミング。コールのやり方は過去のラーメン二郎 京都店の記事で解説しているのでここでは省略しますが、ここでもたつくとちょっとカッコ悪いので、まだ自信がない人は入店前から頭の中でシミュレーションをしておくといいでしょうね。
ラーメン:全てはここから始まった…二郎系ラーメンの総本家・ラーメン二郎 三田本店による伝説の一杯は…
さて、今回僕がラーメン二郎 三田本店で注文したのは、全国の二郎系・インスパイア系ラーメンの中心に位置するデフォルトのラーメン。今回僕は、二郎系ラーメンの総本家の標準形の味を試すべく、コールはニンニクのみのどノーマル状態にしたのですが、今この記事を書くためにネットで調べていると、二郎系・インスパイア系共通でニンニクなしがデフォルトなんですって。今までインスパイア系も含めて何度も食べてきているのに、こんなことを知らなかったなんて…これを読んでいるあなたも、こんなアホな男をどうか笑ってやってください。
それはさておき、早速スープから…なんですが、ラーメン二郎 三田本店と今までの二郎系・インスパイア系のお店ではいくつか違うところがあるんですよね。例えば、三田本店にはレンゲが置いてありません(他にも「おしぼりがない」「水は厨房から出してくれる」など)。なので、スープをレンゲにすくって飲むことはできないんですよね。
ただ、この画像を見て気づかれる人もいるかと思いますが、マニアにはFZ醤油の名で親しまれている醤油タレ(カラメ)の色がすごく薄いです。実際に飲んでみても、豚の脂やコクはしっかり出ているものの、醤油の風味はかなり控えめでした。言ってみれば、豚の味成分をそのまま全部スープに溶かしたような非乳化系スープ。ラーメン二郎 京都店の時にはカラメを追加して失敗した記憶があって、「きっとカラメ追加なしの方がハマるんだろうな…」と思っていたのですが、これはこれで逆の意味で衝撃的でした。
これに対する麺は、日清製粉のオーションという強力粉を使った極太麺。想像より柔らかめの茹で加減になっていて、ワシワシ食感というよりはもちもち食感をメインに楽しめます。ちなみに他のフードブログによると、特に総帥の息子さんが麺を茹ですぎる傾向があるらしいです。夜の部の営業になると総帥がいなくなって息子さんが調理担当になるので、麺硬めが好きな人は総帥がいる朝から昼の時間帯に訪店するなどの工夫が必要でしょう。
なお、小ラーメンでも2枚入っている極厚チャーシューは他店と比較しても安定の味でした。赤身と脂身のバランスが良く、分厚いながらもじっくりと煮込まれていて、食べ応えととろとろ食感を同時に堪能できる肉好き歓喜の出来栄えになっています。
こんな感じのラーメン二郎 三田本店の小ラーメン…ネット上では聖地の味に絶賛の声がある一方、「くそまずい」「三田本店が一番ひどい」といったコメントもあり賛否両論状態。実際僕が試してみて、醤油のキレが弱いことには少なからぬ違和感を感じたのは事実…でも、そこはコールでカスタマイズすれば補える範囲だし、個人的にはそれほど大きな問題にはならないかと。これで一杯1000円を超えるようなら考えますが、いまだにラーメン一杯600円と目から汗が流れるお値段で営業してくれているので、何回か通っているうちにカスタマイズがハマってくれば問題解決と言ってしまっていいのではないでしょうか。
全国に系列店が42店舗!ラーメン二郎 三田本店へのアクセスは、最寄り駅の都営地下鉄三田線・三田駅から徒歩8分
最後になりますが、僕がラーメン二郎 三田本店を訪れた令和5年2月現在、ラーメン二郎の看板を掲げるお店は全部で42店舗あるそうです(最新店舗数はこちらで確認を…)。この看板を掲げるお店は、すべて三田本店の総帥が看板の使用を認めたお店です。
とはいっても、実際はそれぞれのお店でラーメンにマイナーチェンジを施していたり、汁なしラーメンを提供したり、トッピングを研究したりと、店舗ごとに味が異なったラーメンを提供しています。それゆえ、総本山の三田本店以外のラーメン二郎をまとめて「二郎系ラーメン」と呼ぶのですな。二郎系ラーメン、実に奥が深いですね。二郎系・インスパイア系ラーメンが好きなあなたも、各地で新しくお店を見つけたらぜひ味の違いを楽しんでみてくださいな。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
ラーメン二郎 三田本店 (ラーメン / 三田駅、田町駅、赤羽橋駅)
昼総合点★★★★☆ 4.0
住所:〒108-0073 東京都港区三田2丁目16−4
電話番号:非公開
営業時間:8:30-15:00、17:00-20:00
定休日:日曜日、祝日
駐車場:なし
クレジットカード払い:不可(食券制)
JR山手線・田町駅からも徒歩10分で行けます。
お店の評価に客観性を持たせるために、他のブログの口コミも紹介しておきますね…
食べ終わった後は、お腹がはち切れそうで、歩くのも辛い。口の中は強烈なニンニクの匂いがいつまでも取れない。血糖値急上昇で頭がぼーっとしてしばらく何も考えられなくなる。
東京下町・ひとり飯:“初めて二郎を食べに行く人へ” 人生はつの「ラーメン二郎」を三田本店で食べた話
といった後遺症に悩まされ、もうしばらく二郎はいいな・・というのが正直な感想でした。
日付が変わって翌日。
次の日になって昨日の苦しさがなくなると、なんともうすでに二郎が食べたくなったのです!
なんという恐ろしい中毒性でしょうか。
三田本店はブレを楽しむなんての人もいるようですが、良く分かった気がします(笑)
デカ盛りとご当地グルメ食べ歩きブログ:ラーメン二郎三田本店【朝ラーメン】麺増し聖地巡礼のルール【デカ盛り】
そして、これだけの量を650円ぽっちで出してくれると言う。
総帥の心意気は、やはり神!!
麺はいつもは柔らかめでしたが、今回の訪問では硬さは標準でした。
ボアソノライフ:【創業者が作るラーメン二郎1号店】ラーメン二郎三田本店
スープは非乳化でやや薄味ですが、カネシが効いてうまい!
ラーメン二郎の原点の味を堪能できて幸せな気分にさせられます!
P.S. 東京で美味しいラーメンをお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
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