令和4年2月17日にオープンしてまだ1年足らずの営業でありながら、いきなりミシュランでビブグルマンを受賞してしまった中華そば 麦の夜明けというお店が京都の飲食店業界で今すごい話題になっています。何せ、ここの店主はまだ20代。同志社大学時代にラーメン研究会を立ち上げつつ鶴武者、麺屋裕といった名店で修行し、卒業後は大手製粉会社に就職して製粉技術を学んだ後に独立したという、まさにラーメン屋をやるために生まれてきたと言ってもいいような完璧なキャリアの持ち主。ちなみに、ラーメン部門では20代での受賞はミシュラン史上初なんだそうな。
そんなお店、関西のラーメン好きなら放ってはおかないですよね?もちろん僕も訪店のチャンスを狙っていて、ちょうどお店の年末最後の営業日に近くで用事があったので、昼の開店時間に合わせて行ってきたのですが…
この日の僕は本当にラッキーだった…中華そば 麦の夜明けの気になる行列や待ち時間はどのくらい?
僕が中華そば 麦の夜明けに到着したのは、開店時間30分前の11:00くらい。この時には…
僕より前に並んでいた先客が5人。まあ、一巡目は確定と言ってもいいでしょう。僕の後からも続々とお客さんがやってきて、あっという間に10人くらいは集まりましたかね。でも、店頭には10人も並ぶスペースはありません。店頭の行列に並び損ねた場合…
この図にあるように、お店向かって右側にある駐車場の中に列を作って並ぶルールになっています。初めてお店に来るときは、特にこのルールに気をつけましょう。知らずに店頭側の列に並んでしまって他のお客さんとトラブルになってしまったら、いい気分でラーメンを食べられなくなってしまいますからね…
さて、「これから開店時間までにどれくらいの行列になるのかな…」とのんびり観察しようと思っていたら、なんとこの日は公式の開店時間から20分前倒しでオープンしてくれるというお店の神対応!待ち時間たったの10分で入店となりました。
そんなわけで、正規の開店時間にどのくらいの行列ができたのか人数を数えられなかったのですが、僕がラーメンを食べ終えてお店を出る頃には、カウンター席でラーメンをすすっている9名に加えて店内に5〜6名、店外に15名くらいは並んでいたでしょうか。仮にこの日も11:30に開店したとすれば、開店時にはおそらく30名くらいの行列にはなっていて、待ち時間も1時間超えになっていたんじゃないかな…と僕は推測します。
どのメニューにも山椒が…中華そば 麦の夜明けから新しい京都ラーメン誕生か?
さて、お店に入ったら、まずは入り口右手にある券売機で食券を購入します。中華そば 麦の夜明けの基本ラーメンメニューは…
- 帆立と山椒の中華そば 850円
- 牛醤油と山椒の中華そば 850円
- 山椒麺と昆布水のつけ麺 1050円
の3種類(値段は税込)。このように、どのラーメン・つけ麺メニューにも山椒が使われているのが大きな特徴でしょうか。山椒は京都の特産品の1つとして有名ですよね。もしかしたら、この山椒を使ったラーメンが新たな京都ラーメンの標準になるのかも?このお店の勢いを考えたら、そんな期待をしてしまってもいいような気がします。
ちなみにこの日、僕は麦の夜明けの看板メニューである帆立と山椒の中華そばを注文しようと思っていたんですよね。でも、実際に券売機で食券を買うときに、チラッと左手に限定メニューの文字が見えてしまい、あっさりターゲット変更となりました(ちなみに、限定メニューの詳細はお店のインスタで確認できますよ)…
鴨と山椒の中華そば:開店してあっという間に売り切れた麦の夜明けの限定メニュー、そのお味はいかに?
今回僕が注文したのは、中華そば 麦の夜明けの限定メニュー・鴨と山椒の中華そば(お値段 税込1100円)。この鴨と山椒の中華そば、僕がカウンターに着席してラーメンの着丼を待っている間に「売り切れ」の声がかかったので、おそらく1日5食分くらいしか準備していないんじゃないでしょうか。開店してものの5分で売り切れ…この日の僕は本当にラッキーでした。
さて、注文してから待つこと数分、目の前に現れた鴨と山椒の中華そばは…
こんな感じ。トッピングはレア鴨肉にメンマ、刻みネギとぶどう山椒の実。見た目はシンプルですが、この時点ですでに山椒の香りがふわっと漂ってきていて、食べる前から心地よい気分にさせてくれます。
では、早速スープから…一口目はややオイリーで、上品な甘さと少しだけ山椒の刺激を感じる醤油スープ。出汁は鶏豚魚介でとっているとのことですが、どれかが際立っているわけではなくバランスが取れてまとまった複合的な旨味を感じます。以前岸本柳蔵老舗で鞍馬山ラーメンを食べて以来、醤油ラーメンに山椒がよく合うのは知っていましたが、より今風のラーメンにも合わせたことで山椒の応用度がグッと広がったと言えるのではないでしょうか。ラーメンに山椒…これから多くのラーメン屋にパクられるかもしれません。
これに対する麺は、どことなく稲庭うどんを思わせるような細めのストレート平打ち麺。店主が製粉会社勤務時代に蓄えた知識をフル活用した自家製麺で、関西ではほとんど出回っていない山口県産の「せときらら」という品種を中心に小麦を配合しています。表面がツルッとしていてすすりやすく、でもしっかりスープを絡め取っていて、口の中ではもちもち食感と歯切れの良さを残してスルリと喉元を通り過ぎていきます。スープにもよく馴染んでいて、こちらも上品ながら後まで記憶に残る存在感がありますね。
一方、これらの上品な麺とスープに対して、この鴨肉チャーシューの香ばしさはかなりのインパクトがありました。口に入れた瞬間、藁焼きにされた鴨肉の香ばしさが本当に鼻にガツンときます。一言で表現するならば、燃えよ麺助で出してくれるような上質な鴨レアチャーシューの、香りが大幅にバージョンアップした感じ。上品でまとまりそうだったこの一杯の中で、この鴨肉チャーシューが嬉しいサプライズを与えてくれました。
でも、実はサプライズはこれで終わりじゃありませんでした。ラーメンを完食してお店を出た後のこと。食べ終えてしばらく経っているのに、口の中にスープの旨味がしっかり残っていることに気づいたんです。口の中を舐め回して、その余韻を思う存分楽しみながら駅に向かったのは言うまでもありません。さすが史上最年少のビブグルマン獲得…というか、個人的には「ビブグルマンじゃなくて一つ星でもよかったんじゃないか?」とすら思います。
強いて言えば、ちょっと交通は不便かな…中華そば 麦の夜明けへのアクセスは、最寄り駅の阪急京都線・西京極駅から徒歩15分
こんな感じの中華そば 麦の夜明け、強いてマイナス点を挙げるとすれば、立地が良くない分交通が不便かなぁ。JR、阪急共に最寄駅から結構歩くし…でも逆にいうと、それくらいしかケチのつけようがないんですよね。さすがミシュラン最年少受賞者のお店。伝統の背脂ちゃっちゃ系ラーメンとは違う、京都らしさを感じられるラーメンを食べたい時には、ちょっと時間をかけてでもこのお店に足を運ぶ価値は十分にあると思います。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
JR京都線・西大路駅やJR山陰本線・丹波口駅からだとそれぞれ徒歩18分の距離です。
P.S. 京都で美味しいラーメンをお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
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