大阪府吹田市のラーメン激戦区・江坂で2008年に創業し、ずっと大阪のラーメン界を引っ張ってきた人気店・麺屋えぐちが、2022年4月に奈良市へ移転オープンとなりました。
ここの店主は大阪の豚骨ラーメン人気店・博多とんこつ天神旗で修行した後、中華そばの名店・カドヤ食堂の一番弟子にまで上り詰めた人で、関西のラーメン業界ではかなりの有名人。独立後も江坂の本店に続いて中津でつけ麺メインの麺処えぐちを2015年にオープンし、大阪で順調にお店の基盤を固めているように見えたのですが…それらのお店を手放しての奈良市での新店オープン。これには大阪・奈良両方のラーメンファンが大きく驚いたに違いありません。
その麺屋えぐちが奈良に移転してから最初の冬、いきなり雑誌・究極のラーメン2023関西版でグランプリを獲得する大快挙を達成!それを見た僕は突然お店に行きたくなって、とある週末のランチタイムにお店を訪問しました。時間帯によっては気温が氷点下になるとっても寒い日だったのですが、その先に待つ温かいラーメンを夢見て最寄り駅から歩いていくと…
正直、立地はあまり良くないけれど…奈良のラーメン人気店・麺屋えぐちはこんなお店
僕がこの日麺屋えぐちに到着したのはお昼の12:40頃。お店があるのは奈良市の繁華街からだいぶ南に下ったところで、一応目の前に奈良交通バス・南方町バス停があるものの、僕のような電車組にとっては決して立地が良いとは言えない場所。そのお店が遠目で見えてきた時に店頭の行列がなければ、「わざわざ遠くまで来た甲斐があったなぁ〜」と心の中で嬉しさいっぱいになるのがわかっていただけるのではないでしょうか?
でも、結局それはぬか喜びに終わりました。麺屋えぐちでは入店待ちのお客さんは隣の建物との間の狭いスペースに並ぶルールになっているようで、遠目で見るだけではお店の混雑ぶりが正確に把握できないのです。この時で僕の前に行列に並んでいた先客は11人。入店までの待ち時間はちょうど30分くらいでした。食べログによると、カウンター席とテーブル席合わせて麺屋えぐちの客席数は全部で12席。店主と女将さんの他、2人のバイトさん(?)がキビキビと身体を動かしていました。
それにしても、この日は本当に寒かった…ただでさえ気温が低い上、建物の間の日陰でずっと待機していたので、他のお客さんもかなりしんどそうにしてましたね。でも、女将さんの接客が暖かくてだいぶ心が救われました。ちょくちょく店外に様子を見にきてくれて、毛布を手渡してくれたりもしたんですが、それ以上にとにかく声かけが絶妙で…おかげで入店までの30分間、寒さに震えながらも気分良く過ごすことができました。この場を借りて、女将さんありがとうございました!
中華そば以外につけそばも高評価!麺屋えぐちのメニューを見て何を注文すべきかしばし悩む
行列に並んでいる間に、女将さんから麺屋えぐちのメニュー表を手渡されました…
麺の基本メニューは定番の中華そばに加えて背脂そば、つけそば、そして数量限定の塩そばの4種類。これらの他に時々限定メニューが提供されるので、訪店前にはお店のインスタも要チェックです。
看板メニューは中華そばですが、江坂時代の口コミにはつけそばのレビューも多くてその人気度が窺えます。今回は中華そば目当てでの訪店ですが、限定ものに弱い僕はこのメニューを見て塩そばにも猛烈に惹かれましたね。まだ残っていたら連食しようかな…
で、女将さんに案内されて店内の券売機へ。お金を投入したところで、そばにいた女将さんから…
の一言が。そう言われたら、やっぱり注文しなきゃいけなくなるじゃないですか。この瞬間、中華そばと塩そばの連食から炊き込みご飯とのセットに注文が変更になりました。それにしても、チャーシューの炊き込みご飯、安すぎません?並サイズで比較すると卵かけご飯よりも安いんですよ。こんなにお得で、かつ数量限定メニューなのにまだ残っていて、この日の僕はかなりラッキーだったのかもしれませんね。
麺屋えぐちのメニュー例(値段は税込)
- 中華そば 並880円
- 背脂そば 並900円
- 塩そば 並950円
- つけそば 並980円
- ライス 並100円
- チャーシューの炊き込みご飯 並150円
- 卵かけご飯 並200円
味玉中華そば:究極のラーメン2023関西版でグランプリ獲得+表紙を飾った一杯、そのお味はいかに?
今回僕が麺屋えぐちで注文したのは、究極のラーメン2023関西版でグランプリ獲得、かつ表紙を飾った味玉中華そば(お値段 税込980円)。席についてから待つこと約5分、目の前に着丼となった味玉中華そばは…
王道の中華そば的な見た目でありながら、ミディアムレアのチャーシューから新しさも感じられるようなビジュアル。これはもう、見た目から美味しい予感しかしませんね。
で、早速スープをいただくわけですが…ものすごい出汁感で、正直驚きました。カドヤ食堂と同じように鶏+豚と魚介のダブルスープらしいのですが、かなり魚介に強めの比重を置いていて、一口入れた瞬間に節系の香りと出汁感が一瞬で口と鼻を支配して脳に強烈な刺激を与えてきました。醤油のカエシはまろやか風味で、強烈なインパクトのある出汁に違和感なく溶け込んで奥深さを構築。さらに驚いたことに、その出汁感が最後の一口まで全く変わらないんですよね。普通、後半になってくると舌が味に慣れて出汁感の印象が薄まっていくじゃないですか。最後まで変わらず出汁感を楽しめるスープって、僕の食べ歩き歴の中でもほとんど経験がないように思います。
このスープに合わせる麺は、店内の製麺機で製麺した中細のストレート麺。複数の小麦粉をブレンドして作られた麺は口当たりソフトで、もっちり感と程よいコシが感じられる茹で加減。喉越しもスルスルと心地よく、やや攻撃的な印象のあるスープに対して優しさを感じる麺になっています。
ミディアムレアのチャーシューはサシが多めで、柔らかくてジューシーな印象。チャーシュー追加なしでも2枚入っていて、レア感残るチャーシューとスープの熱が加わった後のチャーシューの2種類楽しめるのが嬉しいですね。
そして味玉は、スープに黄身が溶け出さない程度に熱が通りながらもとろとろ食感を残す、個人的にはドンピシャの茹で加減。上質なスープに黄身が混ざって味を壊すことがないので、僕はこのくらいの茹で加減の煮卵が一番好きですね。旨味を含んだ醤油ダレが程よく染み込んでいて、そのままお酒のおつまみにしてもいいくらいの出来栄え。ホントにビールを追加注文したくなりましたね。
こんな感じの麺屋えぐちの味玉中華そば、雑誌でグランプリ獲得は伊達じゃないな…というのが率直な感想でした。こんなお店が奈良に移転してきて、奈良県のラーメンファンは心の底から歓喜じゃないでしょうか。これなら大阪や京都から遠征してでも食べる価値がありますね。修行先のカドヤ食堂とも味が違うので、両方の中華そばを食べ比べしてみるのも面白いと思います。
おまけ:麺屋えぐちの女将さんおすすめのチャーシューの炊き込みご飯(並)。生姜の風味がふわっと効いた醤油ダレでスッキリした味付けになっていて、中にダイス状にカットされたチャーシューがゴロゴロ入っています。刺激的な中華そばを食べた後の口直しとしても、生姜風味のスッキリ感がすごく合っていると思います。サイドメニューとしてちょうど良いボリュームで、さらにお値段も神コスパと言えるくらいお得なので、「ラーメンだけだとちょっと物足りないかな…」という時には追加で食券ボタンをポチってみてくださいな。
かつては同じ場所で豚骨ラーメンの名店・無鉄砲も営業…麺屋えぐちへのアクセスは、最寄り駅のJR奈良線・京終駅から徒歩7分
ところで、麺屋えぐちが今営業している場所って、超濃厚豚骨ラーメンで有名な無鉄砲が現店舗に移転する前に営業していたらしいですね。関西を代表する有名なラーメン店が全く同じ場所をお店に選ぶなんて、ものすごい偶然というか何というか…そんな話題性も麺屋えぐちに味方しているのかもしれませんが、それを抜きにしても奈良県を代表する名店の1つとして文句なくあなたにおすすめできます。奈良観光などで近くに行く機会があれば、ぜひお店まで足を伸ばしてみてください。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
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