【注】このお店は、現在烏丸に移転して「麺処むらじ 柳馬場六角」として営業しています。
レモンのスライスを一面に並べた「檸檬ラーメン」で一躍有名になったラーメン屋があります。そのお店は、祇園にある麺処むらじ。女性オーナーの繊細な感覚があらわれたこのお店は、外国人観光客やインスタ映えを狙った女性客で今日も賑わっています…
麺処むらじ|インスタ映えする檸檬ラーメンで一躍有名になった祇園のラーメン店
祇園白川からほど近い、京町家が連なる切通しにある麺処むらじ。お店は古い京町家の2階にあり、のれんをくぐってすぐ左手の階段を使って2階へ上がっていきます。
階段を上がると右手に広々とした客席スペースがあり、この中の1席に案内されました。室内には中央に生け花をあしらった大きなテーブルが2卓。それぞれのテーブルの外周を囲むように、椅子がそれぞれ8脚ずつ配置されています。この時客席にいたお客さんは僕以外すべて外国人で、みんなスマホを取り出してラーメンや店内の撮影にいそしんでいました。
むらじのラーメンメニューは鶏白湯を中心とした4種類…男性客にはセットメニューがお得
むらじのラーメンは鶏白湯が基本。この鶏白湯を塩味仕立てにした塩ラーメンに、醤油仕立てにした醤油ラーメン。加えて今回のターゲット・レモン風味を加えた檸檬ラーメンと、3種類のアレンジが楽しめます。男性客には檸檬ラーメンにチャーハン or 鶏の唐揚げとデザートをつけたセットメニューがお得で、今回僕は檸檬ラーメンに唐揚げとデザートをつけた「白川セット(お値段 1550円+税)」を注文しました。
麺処むらじのラーメン基本メニュー(値段は税別、令和4年5月に値上げ確認)
- 鶏白湯塩ラーメン 830円 → 980円
- 鶏白湯醤油ラーメン 830円 → 980円
- 鶏白湯檸檬ラーメン 880円 → 1080円
- むらじのつけ麺 850円 → 1000円
- 目の前で混ぜる鉄板チャーハン 500円 → 580円
- むらじの鶏唐揚げ 600円 → 680円
- 祇園セット(檸檬ラーメン+チャーハン+自家製抹茶アイス) 1550円 → 1780円
- 白川セット(檸檬ラーメン+鶏の唐揚げ+自家製抹茶アイス) 1550円 → 1780円
檸檬ラーメン:レモンの酸味が加わって、濃厚な鶏白湯が爽やかで身体に優しい一杯に変化
注文して10分くらいして、まずは檸檬ラーメンと鶏の唐揚げが運ばれてきました…
白濁した鶏白湯スープを覆いつくすように、スライスされたレモンが7枚。具材はこれだけ?と心配になってしまいますが、スライスレモンの下にチャーシューとメンマが控えているので、そこはご安心を…
檸檬ラーメンと聞くと酸っぱいラーメンをイメージするかもしれませんが、レモンは鶏白湯スープの香りづけという役割で、食べることを想定して入れられたものではないようです。
で、そのレモンの効果ですが…なるほど、確かに合いますね。インスタ映えだけを狙った色モノではありません。
レモンの香りと酸味が加わることで爽やかさがプラスされて、ややもすると濃厚でくどくなりがちな鶏白湯スープを、身体が受け入れやすくなるような気がします。スープにほんのり移ったレモンの酸味が味をシャキッと引き締めて、自家製のストレート麺をさらに喉越しよく胃袋へ…ただ調子に乗ってレモンの肉を潰しすぎると、スープとのバランスが崩れて酸っぱさが勝ってしまうので、やり過ぎにはご注意を…
鶏の唐揚げ:醤油ダレを十分に吸ったジューシーなもも肉…白ご飯と一緒に食べたい一品
そして、運ばれてくる時から醤油ダレの匂いをプンプン周りに放っていた、付け合わせの鶏の唐揚げ。サクッとした衣を破ると、もも肉からつけだれ風味の肉汁がドバドバとしたたり落ちてきます。
こういったジューシーな唐揚げは、個人的にはラーメンよりも白ご飯と一緒に食べたいですね。目の前に白ご飯がないのがちょっと残念…
こうして檸檬ラーメンと鶏の唐揚げを完食して、デザートの自家製抹茶アイスへと進みます。黒蜜の甘さと抹茶の苦味が、鶏白湯の濃厚な後味をさっぱりと洗い流してくれます…
つけ麺:麺処むらじの濃厚鶏白湯スープを使ったオリジナルつけ麺、実際に食べてみた感想は…
前回の訪店から2年半くらい経ちましたか…久しぶりに麺処むらじ祇園本店を訪ねて、今度はつけ麺+祇園セットを注文してみました。注文してから待つこと約10分、まずはつけ麺から着丼したのですが…
パッと見、すごくシンプルで地味な感じですね。色が単色系というか、麺もスープも色が近く、トッピングも揚げごぼうとメンマで同色系統。ここにレアチャーシューが乗っかっていたらすごく映えるんでしょうが、あえてこのスタイルで提供しているところには、きっとお店側のこだわりがあるのでしょう。
それはさておき、まずはスープからいただきます…端的に表現すれば、麺処むらじの看板である鶏白湯スープに魚粉を振った感じのスープです。鶏白湯は濃厚でありながらしつこくなく、そのまま最後まで飲み干せるくらいの濃度になっています。ここにアクセント程度の魚粉が加わっているのですが、僕個人的には「魚粉なくてもいいかな…」と思いましたね。
これに対する麺は、スープの濃厚さに負けない存在感、軽くちぢれがついた極太麺。二郎系のオーション麺に匹敵するくらい歯ごたえが強く、そのワシワシ感で「麺を食べている」感覚を思う存分堪能できます。ただ、麺がゴワゴワすぎて箸ですくいにくいのが難点かな…二郎系のオーション麺は平打ち麺なので気にならないのですが、この麺は箸との接地面積が小さすぎて麺が滑るんですよね…正直、ちょっとストレス溜まりました。その点も考えると、もう少し茹で加減が柔らかくてもいいかな。その方が麺をすくいやすくなるし、ちょっとくらい柔らかくなっても麺の存在感は十分にあると思うので。
さて、このむらじのつけ麺、他にも個人的に気になるところがありました。まずはトッピングの弱さ。濃厚鶏白湯スープの中を探ってみると、このようにダイス状にカットされた豆腐と少量の鶏肉が出てくるのですが、他店のつけ麺と比較しても明らかにボリューム不足です。あと、どうしても後半はスープが冷えてしまいます。これはつけ麺の宿命的な欠点でもあるのですが、この問題を克服しようとする姿勢は麺処むらじのつけ麺には感じられません。
他店では最後にスープ割を用意してくれたり、スープを温め直してくれるサービスがあったりしますよね。むらじの鶏白湯スープはそのまま飲み干せる濃度になっているので、スープ割を用意する必要はないのかもしれません。でも、麺匠たか松のつけ麺のようにスープのリヒートには対応して欲しいなぁ…他の人の口コミにも同じ意見がありますし、もしお店の人がこの記事を読んでいたら、改善を検討していただけたら嬉しいです。
目の前で混ぜる鉄板チャーハン:このチャーハンを注文する前に知っておかなければならないこと
さて、つけ麺にセットでつけた「目の前で混ぜる鉄板チャーハン」ですが、これには大きな不満が1つあります。チャーハンの味ではありません。その不満は何かというと…
バイト店員さんの所作にあります。このチャーハンはお客さんの目の前で鉄板に溶き卵を流し入れ、卵がとろとろになった状態で混ぜて完成させるのが本来あるべき姿。しかし、このメニュー名で僕たちお客さん側が期待するように、店員さんがチャーハンを混ぜて完成させてくれることはありません。
いや、それ自体は別にいいんです。最初からわかっていれば、こちらで対応しますから。でも、僕が麺をすすっているタイミングで溶き卵を流し入れて、それをテーブルの遠いところに置かれてしまったら、どうしてもこちらの反応が遅れてしまうじゃないですか。焦ってつけ麺を十分に楽しむことができなくなってしまうし…そして案の定、僕が対応した頃にはすでに溶き卵にかなり熱が通ってました。
「もう遅いよな…」ちょっと気持ちが落ち込んだ僕は、上の写真を撮った後に混ぜることなくそのまま食べてしまうという愚行を犯してしまいました。なので、このチャーハンについてはレビューを控えます。味は胡椒が効いた醤油味。正直、あとはあまり印象に残ってません。
最後にデザートの抹茶アイスを食べてお会計。アイスを食べている間、厨房からバイト女子の世間話がキャーキャー聞こえてきたのもちょっと…って感じ。僕は仕事中の世間話を完全否定はしませんが、もう少し気を遣ってほしかったな。麺処むらじって女性店主の細かな気配りもお店のウリにしているはずですが、少なくとも接客については以前と比べて残念なレベルになったと言わざるを得ません。
錦市場にも支店あり…麺処むらじへのアクセスは、最寄り駅の京阪電鉄・祇園四条駅から徒歩3分
そんな麺処むらじには、現在錦市場で営業している「つけそば むらじ」という名の支店があります。今度はこっちに行ってみようかな…祇園とは別の意味で賑やかな場所にあるし、雰囲気が変われば味の感じ方も変わるかもしれませんしね…
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
麺処むらじ 祇園本店 (ラーメン / 祇園四条駅、三条京阪駅、三条駅)
夜総合点★★☆☆☆ 2.0
住所:〒605-0084 京都府京都市中京区井筒屋町404
電話番号:075-744-1144
営業時間:11:30-22:00
定休日:不定休
駐車場:なし
クレジットカード払い:可(電子マネーや交通系ICにも対応)
P.S. 京都で美味しいラーメンをお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄ってみてください…
P.P.S. 檸檬ラーメンに似たビジュアルの「すだち蕎麦」というものも、麺処むらじの近くで食べられます…
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