博多、長浜と並んで福岡三大ラーメンの一角に数え上げられる久留米ラーメンの中で、長い歴史と根強い人気のある丸星中華そばセンター本店(通称:丸星ラーメン)へ行ってきました。昭和33年に創業なので、令和6年7月現在で創業66年。なんでも、日本で初めて24時間営業を行ったラーメン屋なんだとか(注:今は24時間営業ではありません)。また、ラーメンに乗せる紅生姜もこのお店が発祥で、さらに久留米のラーメン屋で初めて「替え玉」を導入したお店としても有名らしいです。
そんなレジェンド的な逸話があるお店だとはつゆ知らず、僕は呑気に駅から歩いて昼の11:30頃にお店に到着しました。普通に「お腹すいたなぁ…」とお店に入っていったのですが、入店してみていくつか驚くことがありまして…
お店に入ってみて、いろいろな所で驚いた…丸星中華そばセンター本店(通称:丸星ラーメン)はこんなお店
丸星中華そばセンター本店は、久留米市街から国道3号線を北に向かい、筑後川を渡ったところにお店を構えています。外観はすごく年季が入っていて、まさに「ほったて小屋」って感じ。創業当時からの歴史を感じるというか、すごくいい味出してます。
幸い店頭に行列はなく「ラッキー!」と思いながら入店。すると店内はものすごい人だかりで、まずはそのギャップに驚きました。狭いスペースに、お客さん10人くらいは席が空くのを待っていたでしょうか。スペースが狭いので、とにかくキツキツです。
でも実はこのお店、客席数が全部で100席近くあるみたいなんです。お店の外から見ていると、そんなに大きな規模のお店には全然見えないんですけどね。調べてみると、開店当初は2坪くらいしかなかったお店が、増築に増築を重ねて今の構造になったんだとか。最近のお店のような居住性を考慮された様子は全くなく、全てのものを極限までギュッと詰め込んだようなレイアウトになっています。
お店に入って席に案内されるまでに、券売機で食券を購入しておきましょう。注文は基本メニューとして豚骨ラーメンがあって(注:令和6年7月1日から麺量2倍の「Wラーメン」の販売は休止となりました)、そこに各々で「焼きぶた(300円)」「ゆで玉子(80円)」「ネギ(50円)」など追加トッピングをしてカスタマイズするシステムなんですが、その基本のラーメンが驚きの1杯550円(値段は全て税込)!維持費が安い地方のお店とはいえ、昭和時代でも普通に通じる価格設定に「こんな値段でやっていけるの?」って思っちゃいます。逆に言うと、安さと引き換えに他の不便さを全て客側が請け負うという感じでしょうか。なので、丸星ラーメンに行くのであれば「狭い」「不便」などという文句を一切言ってはいけません。
あと、券売機の下の方に目をやると、「おでん」というボタンもありますね。確かに、券売機の奥の方でおでん鍋があって、おでん専門店顔負けの豊富な品揃えのおでん種が煮込まれていました。「ラーメン+おでん」となると、僕的には「ビール飲めるの?」と連想しちゃうんですが、ここは博多らーめんShinShinや秀ちゃんラーメンとんぼ店のような「ラーメン屋+居酒屋」というスタイルのお店でもないんですよね。この「ラーメン+おでん」の組み合わせは、関西人の僕にとってはちょっと謎ですな…
さらに、これで終わりじゃありません。店内の客席スペースには「肉じゃが」や「つくねの煮物」「高菜」を置いたお惣菜コーナーがあって、これらは無料で取り放題!このお惣菜コーナーもすごい人気で、ラーメンが出てくるのを待っているお客さんがひっきりなしにやって来てました。ここまで来ると、もはや「コスパ神」という言葉すら安っぽく感じてしまいます…
久留米のレジェンド店・丸星中華そばセンター本店で作られる伝統の【丸星ラーメン】、実際試してみてどうだった?
とは言っても、丸星中華そばセンターのラーメンが「まずい」となってしまっていたら本末転倒。実際にその「丸星ラーメン」を試してみましょうか。席に着いたら、フロアを縦横無尽に動き回っているお母さん方に食券を渡すと同時に、麺の茹で加減を伝えます。注文してから待つこと約10分、目の前にお目当ての丸星ラーメンが運ばれてきました…
白濁したスープにチャーシュー1枚、刻みネギ、海苔1枚がトッピング…これが丸星ラーメンの「どノーマル」な状態(麺の茹で加減も普通にしています)。一杯たった550円のラーメンでも、他のお店の標準ラーメンと比べて全然見劣りがしませんね。
まずはスープを一口…一口目はややオイリーで、濃厚でありながら自然な感じの豚骨の旨味がふわ〜っと口の中に広がっていきます。このスープ、創業時代から60年以上絶やすことなく、ずっと同じ羽釜で炊き続けられているそうですね。老舗の焼き鳥屋やうなぎ屋で守られている秘伝のタレのように、このお店にとってはこのスープが「命」と言えるような存在なわけです。博多一幸舎のような強烈なほどの豚骨風味はなく、また同じ久留米ラーメンの代表格・大砲ラーメンのような豚骨臭も感じられないので、豚骨ラーメンが苦手な人でも普通に食べられそうです。
一方、これに対する麺には軽く縮れがついていて、今まで福岡で食べ歩いてきたお店の麺とはちょっと違う感じになっています。麺自体も博多豚骨ラーメンよりはやや太めで「中細麺」と言ってもいいくらい。そのおかげで程よいコシともちもち感が両方楽しめるようになっています。
で、トッピングのメイン・チャーシューは昔ながらのオーソドックスなタイプですが、少し厚めにカットされているので、食べた後にちゃんと「肉食べたなぁ…」という気にさせてくれます。そもそも一杯550円のラーメンなのであれこれ贅沢言えませんが、このお値段でここまでやってくれるのであれば正直文句のつけようがありません。
こんな感じで、丸星中華そばセンター本店のラーメンに大満足して退店。建物は古くて不便なところもあるけれど、それを遥かに上回るお店の暖かい心遣いが感じられました。こういうお店は今後も末長く続いてほしいですね。ラーメン値上げしても全然構わないので、また次に僕が久留米に行ける時まで頑張ってもらいたいです。
お土産用の商品が充実…丸星中華そばセンター本店へのアクセスは、最寄り駅の西鉄天神大牟田線・宮の陣駅から徒歩12分
そんな丸星中華そばセンター本店では、店内でお土産用の商品をいくつか販売しています…
3食入りの生ラーメンやお土産に最適な3食入り半生箱ラーメン、そして保存が効くサンポー食品作の2食入り棒ラーメン…3種類もあるので目的に合わせて選べるのがいいですね。特に箱ラーメンは定価1400円のところを、本店限定価格で200円引きの1200円!お店で食べるラーメンが気に入ったら、帰りにこれらのラーメンをいくつか買って帰ってはいかがでしょうか?
それでは、お店の詳細です…
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