「こってりラーメンの聖地」を自称する、奈良県奈良市のまりお流らーめん。ラーメン通なら知らない人はいないこのお店には、ちょっと交通が不便な場所にあるにも関わらず、多くのお客さんが車やバイクでやって来ます。
そんな自称・聖地の作るこってりラーメンとはどんなものか、気になって奈良まで足を運んだのですが…
まりお流らーめん|恐ろしいまでのこってりラーメンへのこだわり…奈良県が全国に誇る「こってりラーメンの聖地」
お店に近づくにつれて動物系の臭いがプンプンしてきます。個人的には「臭い!」と思うほどではありませんが、人によってはこの臭いですでにダメ…となってもおかしくないくらい。まあ、こってりラーメンの聖地を名乗るくらいですから、これくらいはあって然るべきかもしれません。
店内にはカウンター席が7脚、加えてテーブル席と小上がりの座敷席で30人分くらいの客席はあるでしょうか(食べログ情報では、まりお流ラーメンの総席数は50席)。ラッキーなことに待ち時間も行列もなく入れましたが、開店から10分ほどしか経っていないのに、すでに満席に近いくらいになっています。
そのほとんどが若い男性のお客さんで、まりお流のコアな客層がうかがえます(この時たまたまそうだっただけかもしれませんが…)。とは言え、まりお流にはあっさり系のラーメンもメニューにあるので、こってり系が苦手な人もご安心を…
こってり度を選べるまりお流らーめんのラーメン…かの有名な超こってりラーメン・チョモランマを超える存在とは?
そんなまりお流らーめんでは、こってり度の違うラーメンが全部で20種類くらい(プラス週替わりの企画もの)あります。メニューには数字でスープの濃度が書いてあって、ひと目でそのラーメンのこってり度がわかるようになっています。
その20種類近いまりお流のメニューの中でも、最も有名なのがテレビや雑誌、食べログなどでお馴染みのラーメン「チョモランマ」。通常のラーメンで濃度が6〜7くらいのところを、このチョモランマの濃度は何と25!その濃厚さがどんなものか興味がある方は、ぜひYouTubeで検索してみてください。過去にチョモランマ登頂を目指したチャレンジャーが、どろどろのスープに箸が立つ様子を動画でupしてくれています。
しかしそのチョモランマも、今となってはまりお流のNo.2になってしまいました。濃度25のチョモランマを超える濃度30のラーメンがあるのです。当然僕は、この濃度30の最上級こってりラーメンをオーダー。「太陽系で一番濃い!」とお店が謳う究極の鶏とんこつ正油ラーメン、一体どんなラーメンなのでしょうか…
まりお流らーめんのメニュー例(値段は税別)
- チョモランマ(濃度25) 2400円〜
- 富士山(濃度20) 2000円〜
- 霧島(濃度15) 1500円〜
- 薩摩(濃度20) 2000円〜
- 桜島(濃度7) 1000円〜
- 新鹿児島(濃度6) 1000円〜
- 男の鶏白湯(濃度)) 1200円〜
- こってり徳島(濃度5) 1100円〜
- 開聞岳(濃度3) 1200円〜
- 貝しお(濃度0) 800円〜
週替わりの創作メニューは、お店のTwitterで確認できます。
オリンポス:豚骨と肉と背脂だけでこの上なく濃厚なスープを作成…店主のクレイジーとも言えるこってりラーメンへの情熱に敬服
それでは、現時点でまりお流らーめんで最強(濃度30)のこってりラーメン「オリンポス(並:お値段 税別2500円)」をご紹介しましょう…
この一杯が目の前に運ばれてきた瞬間は、僕の目には普通のラーメンと比べてもあまり違和感を感じなかったんですよね。でも、この時の僕はチェックが甘かった…ちょっと注意して見たら、この画像だけでもオリンポスのヤバさが十分わかります。
その証拠は器の左上についているスープの滴…重力で下に垂れていく気配を見せるこの一滴に、何やら膜が貼っています。こんな垂れ方をするラーメンスープ、今まで見たことありません。そしてスープと器の境界を見ると…
スープが自然に固まっています。もはやスープと呼べるような代物ではありません。他店のこってりラーメンではよく「レンゲをスープに立たせる」パフォーマンスがやられていますが、このオリンポスはそんな次元ではありません。スープにレンゲが入っていかないのです。
これ、どうやって食べようか…としばし考えた挙句、まぜそばのように麺とスープをくまなく混ぜて食べることに。箸とレンゲを使って、麺にスープをまんべんなく絡ませて…
ようやく実食。麺を一口すすった印象は「脂:豚骨=3:1」。しっかり豚骨の旨味も出ていますが、それをすべて覆い尽くすかのような圧倒的な脂(ラード)の量…でも、意外とラードのクドさはそれほど感じなかったな…この味を出すのに、相当研究されたのでしょう。
とは言え、やはりラードはラード。麺が熱いうちは良いのですが、時間が経つと温度が下がって、ラードが徐々に固まってきます。そうなると、麺が徐々に重たくなってくるし、唇や舌に脂の膜が張ってまとわりつくし…こうなると、もう美味しいもまずいも言ってられる段階ではなく、修行僧のように感情を抑えてひたすら麺をすするしかありません…
そんな時に救いとなるのが、トッピングの薄切りチャーシューと煮卵。オリンポスの強烈さに存在が隠れてしまいそうですが、煮卵は半熟で柔らかく、チャーシューも醤油だれがしっかり染み込んでいて、一旦口の中をリセットするためにとっても貴重な付け合わせ。でも、ラーメンの具材として普通にレベルが高いこの2品、ラードまみれの口直しに使ってしまうのが本当に良いことなのかどうか、なかなか難しい問題です…
最終的には無事完食できたのですが…このオリンポス、言葉で表現するのが難しい、異次元の食べ物ですね。この濃度のこってりラーメンを豚骨と肉、背脂だけで作り上げた店主のものすごい情熱(狂気?)を感じますし(お店のFacebookで熱く語っております)…大岩亭をはじめとする全国のラーメンショップのオーナーさん、もうこの一杯に「日本一のこってりラーメン」の称号を与えてもいいのではないでしょうか?(というか、これ以上のこってりラーメンを作る意味がないと思います)
でも、さすがにこのラーメン、リピートはちょっと考えられないですね。少なくとも初心者や女性にはおすすめできません。ラードたっぷりでめちゃめちゃ身体に悪そうですし。オリンポスを完食したら、カロリーどれくらいになるのでしょうか…おそらく、4〜5人でお店にやって来て、それぞれ別に普通のラーメンを注文した上でオリンポスを1杯シェアするのが、一番賢いオリンポスの注文の仕方でしょう。
もし、あなたがこれから1人でオリンポスにチャレンジするつもりなら、店の前にある自動販売機は要チェック。この自動販売機の最上段は、すべて黒烏龍茶になっています。
まさに「まりお流で超こってりラーメンを食べた後は、黒烏龍茶を飲むべし!」との神の(?)お告げのよう。もちろん、僕も帰りにこの自販機で1本買わせていただきました(1本では全然足りないかもですが…)。
食後の黒烏龍茶を忘れずに…まりお流らーめんへのアクセスは、最寄り駅の近鉄奈良線・新大宮駅から奈良交通バス28番系統で四条大路二丁目バス停下車
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
奈良交通バスの四条大路二丁目バス停を下車して、国道24号線沿いに南へ5〜6分歩いた右側にお店はあります。
P.S. 奈良県で美味しいラーメンをお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
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