大阪・心斎橋に「ざるうどん発祥の店」を名乗る川福流手打ちうどん 川福本店というお店があります。創業は1968年と50年以上の歴史があり、難波の千とせ本店と並んで、大阪で讃岐うどんブームが起こる前から大阪のうどん文化を守ってきたお店と言っても過言ではないでしょう。
そんなお店で食べる元祖・ざるうどんはどんな味なのか?前からずっと気になっていて、心斎橋に立ち寄ることがあったある日の午後にお店を訪問。でも、この時は知らなかったのですが、実は僕は大きな思い違いをしていたのです…
本店を名乗っているけど、実は本当の本店は高松にあり…川福流手打ちうどん 川福本店はこんなお店
実はこの川福流手打ちうどん 川福本店、「本店」を名乗っているんですが、1号店じゃないんです。このお店の歴史を辿ると、高松でうどん作りの名人の1人とされていた竹川二短男さんが、1950年に香川県高松市の「ライオン通り」で川福を創業。その息子さんが独立して心斎橋に開いたのが、今回ご紹介する川福流手打ちうどん 川福本店ということらしいです。
僕はこの事実に、記事を書き始めるときにネットサーフィンをしていて気がつきました。ということは、川福のうどんって讃岐うどんですか…いや、別に讃岐うどんそのものに文句があるわけではないのですが、「大阪のうどん」ではなかったことに少しガクッとしました。
それはさておき、川福流手打ちうどん 川福本店は外観、店内ともに昭和時代のうどん屋の雰囲気をそのまま残すお店で、狭いお店ながら3階建ての店舗に100席もの客席があるようです。1階には厨房とカウンター席8脚があるのですが、3階まで合わせても100席もあるようには思えませんでしたけどね…僕がお店を出るときに小さな子供連れのお客さんがベビーカーを持って入店したのですが、ベビーカーを置くところなんてあるのかな?という印象でした。でも、そのお客さんもすんなり受け入れられた様子でしたので、子連れOKのお店ということは言えると思います。
ちなみに、1階のカウンター席から見上げると多くの有名人のサイン色紙を眺めることができるのですが、その中にとある首相経験者の色紙がありました。そんなお方も来店するようなお店だったとは…少し驚きましたね。
川福流手打ちうどん 川福本店で元祖・ざるうどん…さて、そのお味はいかに?
それでは早速、川福流手打ちうどん 川福本店の元祖・ざるうどん(お値段 税込840円)をご紹介しましょう。注文してから待つこと約5分、目の前に現れたざるうどんはこんな感じ…
もう、シンプルそのものです。トッピングで飾られた最近のうどんにはない潔さみたいなものが伝わってきます。ごまかしが効かない「うどんの味だけで勝負!」ってやつですな。でも、それで競争の厳しい大阪で50年以上やって来れているわけで、それだけでもこのお店の凄さを感じますね。
では、実食といきましょう…意外だったのが、このうどん、どちらかと言うと平打ち麺系なんですよ。それなりに太さはあるんですが、今の讃岐うどんのような「極太!」って感じではなく、形だけで言えば踊るうどんの麺に近いかなぁ…でも、もしこれが讃岐うどんの原型だとしたら、どのようにして讃岐うどんは今の極太麺に変化していったんだろう?そんな風に不思議に思うほど、川福本店のうどんと最近の讃岐うどんとでは形が大きく違います。
そのうどんをお出汁に半分くらいつけてすすってみると…うどんの太さや形が不揃いで、手打ち感は満点ですね。麺は程よいコシともっちり感が両立している感じで、噛むと小麦の香りがふわっと鼻に漂ってきます。一方のお出汁は、見た目にかなり醤油色の濃い関東風。かなり甘口の味付けで、正直出汁感はほとんど感じられなかったな…ただ、まだまだ暑い時期、出汁がキンキンに冷えていたのはとっても嬉しかったですね。
そして、典型的な讃岐うどんと比べれば細めに切られている分、喉越しはすごく気持ち良いです。喉越しに関して言えば、最近の讃岐うどんとは段違い。もう、ツルッツルです。
この川福本店のざるうどん、夏になるとまた思い出しそう…僕の中では、そうめんに代わる夏の風物詩の1つになりそうです。そうめんは夏バテで食傷気味の時はいいんですが、食べていてなかなかお腹いっぱいにならないんですよね。そういう意味では、しっかりお腹に溜まる川福本店のざるうどんの方が僕には合っている気がします。ただ、正直もうちょっと出汁感を強くしてほしいですね。うどんが喉元を通った後に鼻に漂ってくる出汁の香りをしっかり感じられたら、もっと幸せになれるんだけどなぁ…
川福流手打ちうどん 川福本店のその他のメニュー例(値段は税込)
- きつね 770円
- あんかけ 920円
- もちたま 950円
- かれー 1170円
- 鍋焼 1690円
- 天ぷら 1490円
- 天ざる 1690円
箕面、中山寺、仙台にも支店あり…川福流手打ちうどん 川福本店へのアクセスは、最寄り駅の大阪メトロ御堂筋線・心斎橋駅から徒歩4分
そんな川福流手打ちうどん 川福本店は、現在心斎橋のお店のほかに箕面店、中山寺店、仙台店の4店舗で営業中。これらの地域では、讃岐うどんの名人から伝わるうどんの味を楽しむことができます。なんでも川福は、同じく高松・大阪で人気店となっている「うどん棒」のルーツでもあるらしいですよ。そんな讃岐うどんのレジェンド的なお店の味を体験したいと思ったら、ぜひ一度近くのお店に足を運んでみてください。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
大阪メトロ堺筋線・長堀橋駅からだと徒歩6分で行けます。
P.S. 大阪で美味しいうどんをお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
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