今回ご紹介する当別うどん かばと製麺所(樺戸製麺所)は、まさにそんなキャッチコピーがピッタリなお店。北海道の中心地・札幌駅から学園都市線で約40分の当別駅で下車、そこからさらに徒歩で30分弱歩いた所にあるという、話を聞くだけでもローカルな予感しかしない場所で、平日でも開店時間前から長蛇の行列をつくる恐ろしいほどの人気店なんだとか。
そんな噂を聞いて「ならば次の札幌滞在中に行かねばなるまい…」と勝手に盛り上がった僕は、この前の夏の札幌滞在中に朝から十分な時間をとって、ランチタイムを狙って石狩の人気うどん店・かばと製麺所へ行ってきました。とある土曜日の朝9:25札幌発の列車に乗り、お店に到着するのは開店時間の約30分前の予想。さて、実際どんな場所にお店があるのか?そして、どれほどの行列店なのか?興味半分、恐れ半分でお店を訪問してみると…
広大な麦畑に囲まれたログハウス風の店舗…かばと製麺所はこんなお店
朝の10:05に当別駅に到着して、ここからGoogleマップを頼りに目的地・かばと製麺所へ向かいます。地図によると、当別駅からお店までは徒歩で24分。若者なら徒歩でもそれほど苦にはならないような距離ですが、足腰弱ってくるとちょっとこの距離を歩くのはキツいですよね…
とは言っても、駅前広場にはバスもなければタクシーも停まっていない…もうこれは覚悟を決めて歩くしかありません。スマホとにらめっこしながら、まずは駅から東の方向へ歩みを始めます。人通りの少ない駅前の商店街?を抜け、都心では考えられないほど大きな敷地の小学校から聞こえる子どもたちの声を聞きながらトボトボと歩いていると、駅から15分ほどで視界が開けて当別川が目の前に現れます。この川を橋で反対側に渡ると、その辺りがお店のある樺戸町(かばとちょう)。ここまで来れば、目的のかばと製麺所まではもう少しです。
さて、当初の予定通り、開店時間の約30分前にお店に到着。見渡す限りの広大な麦畑の中にポツンと建ったログハウス風の店舗、それが当別うどん かばと製麺所。下の画像をご覧ください。周囲の景色はこんな感じで、本当に麦畑以外に何もないんですよ。こんな場所にお店をオープンしようなんて、信じられます?なんでも、ご主人が修行した香川の讃岐うどん店・池上製麺所の立地がこんな感じらしく、修行後は同じような場所でお店を開きたいと思っていたんだそうな。
お店の前には整地されていない広々とした駐車場があって、自家用車なら30台分くらいは楽々停められそうです。僕が訪店した時点では、そんな広大な駐車場に大型トラックが2〜3台、自家用車が数台停車していて、お店の前に並んでいた人は6名といった状況でした。休日の朝の開店前30分で先客6名ですから、この日の僕はラッキーだったと言えるでしょう。
でもさすがの人気店、ここから開店時間までに自家用車でお客さんがどんどん訪れます。広大な駐車場は瞬く間に自家用車でスペースを埋められていき、開店直前には30人を楽々超える長蛇の行列が完成。事前に聞いていた噂は本当でした。
ログハウス風の建物の中は厨房とカウンター席が7〜8脚、その奥にテラス席が4卓設置されています。そして建物の外に増設されたプレハブ小屋のような建物があって、中にテーブル席が数卓、その周りに麦畑を眺めながらうどんを食べられる屋外テーブル席が数卓ありました。食べログ情報では総席数28席とありますが、今は全部で軽く4〜50人分を超えるくらいの客席があると思われます。
ただ、かばと製麺所では開店直後からお客さんが一気に入店!という感じではなく、厨房に設置されたレジでお客さん1グループずつ丁寧に注文をとってからの入店、席決めになります。なので先頭から30人待ちであれば、やはり待ち時間は軽く1時間を超えることになるのではないでしょうか。
かばと製麺所のメニュー:すべての材料に地産地消にこだわるがゆえ、冬季には営業できなくなるという悲しい現実…
そんなかばと製麺所のメニューをご紹介すると…
こんな感じ。一番人気メニューのぶっかけうどん含め、定番の讃岐うどんメニューがお値段 税込390円からとお手頃価格。麺を3玉に増量しても1000円を超えないのは、都心部の讃岐うどん屋では考えにくい破格のコスパですよね。
うどんに加えて、付け合わせの天ぷらメニューもなかなか豊富。かばと製麺所では麺にも天ぷらにも地元産の材料が使われており、特に天ぷらは地産地消のサイクルが意識された日替わりのラインナップになっています。
一方で、かばと製麺所は冬季になると営業を休止するのですが、その休止の理由が「地元産の食材が手に入らなくなるから」なんだそうな。そんな地元愛があふれるところも、かばと製麺所が当別で営業を続けられる理由の1つなのかもしれませんね。
当別うどん かばと製麺所の讃岐うどんメニュー(値段は税込)
- ぶっかけ 390円〜
- かけ 390円〜
- しょうゆ 390円〜
- とろ玉ちゃん 580円〜
- 油うどん 530円〜
- 釜あげ 550円〜
- 釜たま 500円〜
- 釜バター 540円〜
油うどん:胡麻や黒胡椒、ニラがガッツリ効いた台湾まぜそば系のぶっかけうどん…ところで、一緒に頼んだ天ぷらにもスゴいものが…
今回僕が注文したのは、かばと製麺所のメニューの中でも一際異彩を放つアレンジメニューの油うどん(麺2玉、お値段 税込680円)。麺の温度(あつ or ひや)と出汁を3種類(ぶっかけ、かけ、しょうゆ)からお好みで選べるので、全部で6種類のバリエーションがあります…
出てきた油うどん(ひや、ぶっかけ)はこんな感じ。今回、油うどんと一緒に天ぷらを2種類注文しているのですが、画像の右側に変なもの見えませんか?
それら天ぷらの説明は一旦脇に置いて、まずは油うどんを実食。ぶっかけ出汁は醤油ベースで、胡麻や黒胡椒をガッツリ効かせていてピリ辛になっています。イメージとしては台湾まぜそばに少し近いでしょうか。大阪のき田たけうどんで食した豚キムチ系のキムラ君とも一味違った味わい。今まで他店ではお目にかかったことがない、かなりオリジナリティー高い味付けになっています。
この出汁の中から麺を引っ張り上げて口に運ぶと…これは人気になるのが分かりますますね。噛めばものすごいコシがあって、表面はツルツルで喉越しも最高。なんでも、地元北海道当別町産の「きたほなみ」という種類の小麦を使っていて、打ったうどん生地を2日間寝かせてから製麺しているそうな。内地にある人気讃岐うどん店と比較しても、麺のコシやツヤは決して引けを取りません。
では、丼の中をぐちゃぐちゃにかき混ぜて、生卵やニラも全体に馴染ませていただきます…胡麻や黒胡椒、ニラといった個性のある食材が生卵でまったり調和して、醤油出汁と共にねっとりと麺に絡んで口の中に飛び込んできて、口の中で思いっきりそれぞれの香りを放つわけです。さらに口の中でツルツル麺の舌触りと強烈な麺のコシ…いやぁ、これはヤミツキになりますよ。
夏の気温が高い時期に冷ぶっかけで食べられるのも、夏バテ防止ができそうでまた嬉しいですね。台湾まぜそば系の味が苦手な人にとっては「まずい」と感じてしまうかもしれませんが、刺激を好む人ならこの油うどんはきっと美味しくいただけると思いますよ。
さて、ここで説明を後回しにしていた天ぷらの登場。中央にあるのが、ポテサラをちくわの中に詰めて揚げた人気メニュー「サラダちくわ天(お値段 税込160円)」。そしてその横に断崖絶壁のようにそびえ立つのが、インスタ映え確実の数量限定メニュー「ジャンボまいたけ天(お値段 税込380円)」。上の画像では伝わりにくいかもしれませんが、どちらの天ぷらもボリューム感は満点です。その証拠に、ジャンボまいたけ天を丼にトッピングしようとしたら…
こんな感じで、丼に全然収まりませんでしたから。このジャンボまいたけ天、普通に僕のゲンコツ2つ分の大きさがあるんですよ。
で、この天ぷらを油うどんの出汁につけて食べるわけですが、さすがに刺激が強い台湾系の出汁と天ぷらは合いませんでしたね。サラダちくわ天もジャンボまいたけ天も薄めの衣でふわっと揚がっていて、中の具材の味がダイレクトに味わえます。特にまいたけ天は油の熱で自然な甘みが活性化されていて、僕のとっても好きな味になっていたのですが、「このピリ辛系の出汁との組み合わせは、さすがに失敗だったなぁ…」と思いながら完食しました。で、食べ終わってから気づいたのですが…
やっちまった…大堀僚介、この日一番の後悔でした。まぁ、僕はメニューを前にすると脳ミソが反射的になるので、こうした失敗は多々あります。こうして、この日のランチとしては失敗感の残る結果となりましたが、かばと製麺所のうどんはさすがの出来で、これなら車さえあれば札幌からでも通うなぁ…と思えました。
冬季は札幌の北大前で「まんでがん外伝」として営業!当別うどん かばと製麺所へのアクセスは、最寄り駅のJR学研都市線・当別駅から徒歩24分
そんな当別うどん かばと製麺所は、毎年11月中旬から4月中旬の冬季には当別のお店を閉店し、札幌市内の北大前で「まんでがん外伝」として営業しています。毎年いつからいつまで北大前に移転するか、臨時休業情報などもあわせて、お店のインスタグラムやフェイスブックに案内が出ているので、訪店前にこれらのSNSのチェックは必須です。また、当別まで行くのは大変…という旅行者の方は、冬季営業の間にまんでがん外伝の方を訪店するのをおすすめします。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
かばと製麺所 (うどん / 当別駅)
昼総合点★★★★☆ 4.5
住所:〒061-0218 北海道石狩郡当別町樺戸町355
電話番号:0133-22-3377
営業時間:11:00-15:00
定休日:不定休(お店のフェイスブックで要確認)
駐車場:あり
クレジットカード払い:不可(PayPayには対応)
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