神保町 黒須(じんぼうちょう くろす)と言えば、2020年から3年連続でミシュランガイドのビブグルマンを獲得、さらに食べログのラーメンTOKYO百名店も2019年から4年連続で受賞し続けている実績輝かしいラーメン屋として、東京のラーメンファンにはすごく有名なお店。たびたびインスタにもラーメンの画像がupされていたので、それをきっかけに僕も興味を持って令和5年4月の金曜日にお店に行ってきました。
でも東京から帰ってきて「さて、ブログの記事を書くか…」とPCを開いて、情報収集のためにお店のツイッターを開いたところで、全く予想にもしなかった「4月30日で閉店」という言葉が…ショックでしたね。閉店そのものもそうですが、「閉店するお店の記事を書くって意味あるの?」という部分でも。せっかく記事を書いても、その記事があなたを含めたグルメ好きのお役に立てないのなら何の意味もないわけで…
とは言え、今から頑張って記事を書いてupすれば、閉店まで数日の猶予が確保できます。また、店主の黒須太一さんはまだまだ若いので、今後また別の場所で新しい店をオープンするかもしれないし…そんな期待を込めて、この時の記事を公開することに決めました。ほんのちょびっとだけでも、この記事があなたのお役に立てるようなら嬉しいです…
閉店の理由はもしかしてこれ?とある金曜日の神保町 黒須の行列と待ち時間が半端なかった
神保町 黒須の閉店理由は、少なくとも現時点でははっきりとメディアに公開されていません。ただ、実際僕がお店に行ってみて、「もしかしたら…」と感じたことが1つあります。
それは行列の長さ。僕が神保町駅方向からお店に向かうとき、遠目でもお店の前にかなりの人だかりができているのがわかったんですよね。実際にお店に着いたちょうど12時頃の行列はこんな感じで…
狭い路地の両側に2列…パッと見ただけでも30人を超えているのがわかります。この画像で言うとお店は右側にあって、入店を間近に控えた先頭の7人ほどが右側の短い行列に並びます。この頃になったら、入店の前に券売機で食券を購入するのが並び方のルールになっています。
この状態から僕が入店するまでの待ち時間はちょうど1時間だったのですが、その間にも僕の後ろに列はぐんぐん伸びていって、5〜60m先にある路地の端っこまで行列が届いてしまいそうな感じでした。今まで僕が食べ歩いたラーメン店の中でも、これだけの行列を作るお店はそうそうなかったですね。さすがの人気ぶり。しかも、行列には外国人観光客の姿もちらほらいて、海外の人にも存在を知られていそうな感じでした。
でも、結構知らない人もいるんじゃないかな…と思いますが、行列店が閉店する主な理由の1つに「行列管理の難しさ」というものがあります。周辺の住民や店舗とトラブルになってしまうケースが結構あるんですよね。中には警察沙汰になってしまうことも…関西でも、かつて「伝説」とまで言われたらーめん杉千代というお店が、行列による周囲からのクレームを理由に閉店に追い込まれました。
特に最近、Twitterなどでマナー向上の訴えがちょくちょくお店側から発信されてますよね。本当にお店にとっては大変な問題なんだと思いますよ。それが原因でお店が閉店に追い込まれたら、僕たちも美味しいラーメンを食べられなくなるわけですし…
「行列が原因で閉店」というのはあくまで仮定の話ですが、(僕も含めて)くれぐれも行列に並ぶ時のマナーには気をつけましょうね。みんなのマナーが良くなれば、きっとお店の方々もますます頑張ってくれると思いますよ(誤解のないように言っておきますが、この日に列に並んでいた人たちは皆さん静かに並んでおられましたよ)。
令和5年4月28日追記:神保町 黒須の閉店理由がメディアで公開されました。こんな理由があったのですね…
これらのラーメンはもう食べられなくなるのか…令和5年4月現在の神保町 黒須のメニューはこんな感じ
さて、今後食べられなくなるものではありますが、僕が訪問した時点での神保町 黒須のメニューをご紹介しましょう。お店の券売機によると…
メインを張るのが塩蕎麦と醤油蕎麦で、デフォルトバージョンに加えてお好みで味玉と焼豚の追加トッピングができます。これらに加えて、この日の限定メニューとして…
焼豚塩煮干蕎麦(お値段 税込1500円)が提供されていました。
このメニューを見て、僕は券売機の左上にある味玉焼豚塩蕎麦(お値段 税込1600円)の食券をポチりとしたのですが、いくら最上級バージョンとは言ってもラーメンで1600円はちょっと高いかな…というか、デフォルトの状態ですでに1000円超えですから、そもそもがかなり高級路線のラーメンと言えますね。個人的には財布へのダメージが若干強めでしたが、もうこれが最後かと思えば止むなしですな…
神保町 黒須のメニュー例(値段は税込)
- 塩蕎麦・醤油蕎麦 1150円
- 味玉塩蕎麦・醤油蕎麦 1300円
- 焼豚塩蕎麦・醤油蕎麦 1450円
- 味玉焼豚塩蕎麦・醤油蕎麦 1600円
- 炙り焼豚丼 350円
- 肉飯 200円
- 焼豚皿 500円
味玉焼豚塩蕎麦:ミシュランのビブグルマンを獲得した神保町 黒須の最上級ラーメンメニューを忖度なしで実食レビュー…
それでは、神保町 黒須の最上級ラーメンメニュー・味玉焼豚塩蕎麦の実食レビューといきましょう。いくら閉店直前とはいえ、レビューに関しては忖度なしでいきますよ。ここをガチでやらないと、記事を書く意味がないですからね。
全部で7席あるカウンターの一角に座って待つこと約5分、目の前に運ばれてきた味玉焼豚塩蕎麦はこんな感じ…
すごく透明感のあるスープで、見た目には僕好みの塩蕎麦です。味玉がラーメンとは別に出てくるところは賛否分かれそうですが、特にこんな綺麗なスープの時には、スープが黄身で汚れるのを防げるので僕は好きですね。
では、早速スープからいってみましょう…最初に感じたのが意外や意外、オリーブオイルでした。そう、神保町 黒須の塩蕎麦はかなりイタリアンな感じがするんです。そのオイリーな舌触りに続いてふくよかな鶏の旨味がやってきて、さらに旨味を含んだ塩味がじんわりと舌の上に広がっていき…見た目通りに味も透明感のある、とっても上品なスープです。確かに人気になるのがわかります。でもね…
デフォで丼の左右に入れられていたペースト…これらは牡蠣とトリュフの風味がするやつなのですが、これらは丼とは別に出して欲しかったな。ちょっとスープが揺れるだけでこれらのペーストがスープに混ざってしまって、色と味が変わっちゃうんですよ。純粋なラーメンスープが非常に良い出来なのに、最初の一口二口しか楽しめなくて残念…まあ、これらのペーストが混ざった後のスープも(特にトリュフが)香り高くて良い塩梅だったんですけどね。
このスープに対する麺は、三河屋製麺産のストレートな細麺。口当たりが稲庭うどんのように上品で、噛むと柔らかくもちっと食感。スープをしっかり持ち上げてくれて、スープの旨みと小麦感をバランスよく楽しめます。喉越しも良好で、満腹になっても別腹でいけちゃいそうな気がします。
トッピングのメイン・チャーシューは、レアのものと中まで熱が通ったものが2枚ずつ入っていました。大きいけれど薄切りなので、肉肉しさは程よく感じられながらも全体としてラーメンの上品さは失われないようになっています。レアチャーシューはしっとりした食感を、ウェルダンのチャーシューは箸で持つのが困難なくらい柔らかく、口の中でほろほろと崩れていく食感を楽しめます。特にレアチャーシューって、こういう洋風なラーメンにはすごく合ってますよね。
そして味玉は、割ってみると黄身が半熟とろとろのタイプでした。綺麗なスープを汚したくないので、僕個人的には丼と別に出てきてありがたかったです。ちゃんと温めた状態で出してくれるので、そのまま投入してもスープの温度との違和感を生じませんし、そのまま食べても美味しく食べられますしね。
こんな感じの神保町 黒須の味玉焼豚塩蕎麦、ミシュランのビブグルマン連続受賞はダテじゃないな…と率直に感じました。ただ、毎回1時間待ちを仮定した上でお値段 1600円というなら、僕ならリピートをちょっとためらうかなぁ。
まあ、ラーメン好きなら一度は食べておく方がいいラーメンであることには間違いありません。この記事がupされる頃にはすでに閉店まで残り数日。今更ここでおすすめしても仕方ないかもしれませんが、もしあなたにチャンスが残っているなら、閉店までに無理矢理にでも時間を作って食べに行ってはいかがでしょうか?
またどこかで新店舗の開店を期待…神保町 黒須へのアクセスは、最寄り駅の東京メトロ半蔵門線(都営新宿線・三田線)・神保町駅から徒歩2分
こんな感じの神保町 黒須、理由はともかく閉店になるのはやっぱり寂しいですね。でも、今後移転再オープンとか、新しいジャンルのラーメンを携えて再登場!なんてこともあるかもしれないので、それに期待して待つことにしましょう。神保町 黒須の新店舗の記事を書くの、想像するだけでも楽しみだなぁ…何かいい情報を掴めたら、ぜひ下のコメント欄で教えていただけると嬉しいです。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
神保町 黒須 5点満点中
住所:〒101-0051 東京都千代田区神田神保町3丁目1−19
電話番号:非公開
営業時間:10:30-15:00
定休日:日曜日、祝日不定休
駐車場:なし(お店の隣にバイクの有料駐輪場あり)
クレジットカード払い:不可(食券制)
一駅隣の九段下駅からも徒歩4分で行けます。
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