下鴨神社から歩いて10分ちょっと…伝統的な京都ラーメンを食べられるお店として京都のラーメン好きに人気のいいちょラーメンというお店があります。全国的に名前が知れ渡っているような有名店ではありませんが、「地元の人がおすすめする美味しいラーメン屋」という立ち位置のお店で、実際今までに多くのプロスポーツ選手や芸能人がお店を訪れた記録が残っています。
そのいいちょラーメンで食べられる京都ラーメンはどんな味なのか?気になっていて、とある日曜日のお昼頃にお店を訪問。数ある京都ラーメンのお店の中でも「地元民おすすめ」のお店、食べる前の期待度はMAXです…
平成生まれのお店ながら、昭和時代のレトロな雰囲気が満点…いいちょラーメンはこんなお店
いいちょラーメンは京都市内の北の大動脈・北大路通から北に少し入ったところにお店を構えます。ちょっと奥まったところにあって、特に北大路駅方面からやってくる場合には見つけるのは難しそう…初めての訪問の際にはスマホ片手にGoogleマップの使用をおすすめします。
僕が訪れた12時頃、ラッキーにもカウンター席が3脚空いていたので待ち時間なしで入店できましたが、その後数分で全部の席が埋まってしまいました。満席の時には店頭にある記名帳に名前を書くシステムになっていて、行列に並ぶ必要がないのはありがたいですね。
いいちょラーメンは創業は1998年と老舗と呼ぶには歴史の浅いラーメン屋ですが、店構えや店内の内装からはなかなかの貫禄を感じます。1998年だと年号は平成のはずですが、実際にお店にいると昭和時代のレトロな雰囲気がぷんぷん漂ってきます。かなりこぢんまりした店舗スペースに、8人分のL字カウンターを含めて客席数が16席。ビジネスリュックを持っていてかなり手狭に感じたので、極力荷物を持たずに訪店する方がいいでしょうね。
いいちょラーメンの常連さんがこぞって注文する人気メニュー「やきめしセット」を試してみた
今回僕がいいちょラーメンで注文したのは、醤油味のチャーシューメンと焼き飯のセット。この「やきめしセット」、お店の常連さんがこぞって注文する人気メニューのようで、実際この日に時間を共有した他のお客さんもほぼ例外なくラーメンに焼飯をつけてました。
注文してから待つこと約5分、まずはチャーシューメン(並、お値段 税込1100円)が着丼となりました…
チャーシューメン
丼は一般的なラーメンより一回り小さいサイズで、想定よりボリュームは少なめでしょうか。ただ、その丼の表面がチャーシューで覆い尽くされているので、そのままでは中がどんな状態なのかを窺い知ることはできません。
というわけで、まずはチャーシューの上からレンゲを押し当てるようにしてスープをすくってみます…このようにかなり白濁したスープは、鶏ガラと豚骨を7:3の割合で煮込んでいるんだとか。一口すすってみると口の中にまろやかな醤油味と深みのある動物系の旨味が舌の上に広がっていき、少し遅れてふんわりと背脂の甘味が追いかけてきます。嫌な獣臭などは一切感じられず、またらーめん杉千代のように最初から唐辛子が入っていないので、小さな子供でも楽しめそうなスープになっています。
ただこのスープ、かなりぬるかったんですよね…正直、僕の好み的には「う〜ん…」という感じ。特に寒い冬にこの温度のスープを出されたら、僕はかなりがっかりします。でも、そのぬるさが影響して動物系の旨味がさらにまったり濃厚に感じる効果もありそうです。もしかしてこのスープ、狙ってこの温度にしているのでしょうか?
一方の麺は、本当に昔ながらの麺って感じで、麺の中に軽くスープを吸い込んでその旨味を口の中で放出する役割を担ってくれています。麺の茹で加減はちょい硬めくらいで、もっちり食感の中でちょっとだけ歯応えも感じられます。最近のラーメンのように小麦の香りを全面に出した感じではないですが、その方が昭和っぽくてこのラーメンには合っている気がします。昭和っぽさをより強く感じたければ、急いで食べずにわざと時間を置いて、中にスープを吸って伸びかかった麺をすする…という食べ方もありでしょうね。
そしてお楽しみのチャーシューは、かなり薄切りではありますが全部で10枚入ってました。で、口の中に入れてみると、肉がそのまま溶けていくような感覚があるんですよね…これはいい意味で意外でした。このチャーシューにスープをしっかり纏わせて口に放り込めば、より豚の旨味が溶け込んだスープの味変バージョンを楽しめるわけです。この感覚が10回も楽しめるなら、プラス300円払ってチャーシュー麺にする価値は十分にありですね。
こんな感じで、今回注文したいいちょラーメンの醤油味チャーシューメン、個人的な好みに合わない部分もありましたが、根強いファンがいるのも十分納得できる味だと感じました。今まで食べてきた京都ラーメンの中でも、ここまでまったりとした動物系の旨味を感じられるものはあまり記憶にないですね。
あとはボリューム不足が少し気になりましたが、ラーメンに関してはたった100円追加するだけで並→特大にグレードアップすることができます。特大にしても1000円以下でラーメンが食べられるわけですから、胃袋に十分なスペースがある時には特大一択でしょうな。
やきめし
そして、チャーシューメンをすすっている間に完成したやきめし(並、お値段 税込550円)がこちら。正直、これも他店の焼き飯と比べるとかなりボリュームは少なめですね。隣のお客さんでやきめし(大)を頼んでいる人がいましたが、それで見た目には一般のチャーハンと同じくらいでした。焼き飯は大盛りにするとお値段200円up…ほぼラーメンをもう一杯注文できる値段になってしまいます。
それはさておき、この黒い焼飯を食べてみると…パラパラのご飯粒が口の中でほぐれ、それをきっかけに焦げた醤油の香ばしさと胡椒のスパイシーな香りが放出されて、口から鼻をツンツンと刺激してきます。見た目に黒いチャーハンって、食べたら意外とあっさり…ってことも多いのですが、このチャーハンは見た目通りの刺激的な味になっています。
でも、刺激的なのはそこで終わりじゃありません。ご飯粒もかなり硬めなんですよね。元々チャーハンのライスって硬めの炊き上がりですが、その中でもかなり硬めの部類に入るんじゃないでしょうか。半分スナック菓子を食べている感覚って言ったら言い過ぎかなぁ…それくらいご飯粒が硬かったです。この日のご飯がたまたまそうだっただけなのかな?このご飯の炊き加減がデフォルトだとすると、賛否分かれそうですね。かなりハードな分、量は少なくても意外と食べ応えがあるのも事実ですが…
というわけで、今回ご紹介するいいちょラーメンのやきめしセット、ラーメンも焼飯も僕の好みからは少し外れていて残念…といった感じでした。でも、まったりとした動物系の旨味を楽しめるスープは他店と比べても存在感が際立っていて、「ここの京都ラーメンが一番美味い」と言う人がいるのも頷けます。昔ながらの京都ラーメンに興味がある方は、ここのラーメンも食べておいてきっと損はないでしょうね。
いいちょラーメンの全メニュー(値段は税込)
- ラーメン 並800円、大850円、特大900円
- 塩ラーメン 並800円、大850円、特大900円
- みそラーメン 並800円、大850円、特大900円
- やきめし 並550円、大750円
- ライス 150円
- キムチ 150円
- 焼豚 600円
- ビール(中) 600円
- 酒一合 500円
チャーシューメンはラーメン代に300円プラス、ラーメンと焼き飯のセットは会計から100円引きになります。
ラーメンとやきめしをお持ち帰りして賀茂川河川敷でのんびりランチなんていかが?いいちょラーメンへのアクセスは、最寄り駅の京都市営地下鉄烏丸線・北大路駅から徒歩15分
そんないいちょラーメンでは、ラーメンとやきめしのお持ち帰りにも対応しています。普通テイクアウトって自宅や職場が近い人しか利用機会がないものですが、いいちょラーメンの場合は話が別。というのは、お店から徒歩5分ほどのところを賀茂川が流れているので、誰でも河川敷で広々のんびりした気分でランチをすることができます。賀茂川の対岸にあるグリルはせがわとともに、賀茂川周辺でのフード調達先の有力候補ですな。ラーメンの場合は容器代がプラス50円かかってしまいますが、大自然の中で思いっきりラーメンをすすってみたい欲求に駆られたら、いいちょラーメンのお持ち帰りを考えてみてはいかがでしょうか?
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
JR京都駅からだと、京都市営バス205系統北大路バスターミナル行きで府立大学前バス停下車、徒歩3分です。
P.S. 京都で美味しいラーメンをお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
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