京都名物の鯖寿司を江戸時代から提供し続けている名門・いづうから、明治45年に暖簾分けを許されて創業したのが、今回ご紹介するいづ重というお店。このお店もすでに創業から110年余の歴史がある正真正銘の老舗であり、現在八坂神社向かいにある本店と御所南にある北店の2店舗で営業中です。
冷蔵技術のない時代に、海から遠い京都市内で美味しく安全に魚を食べるにはどうすれば良いか?その1つの答えとして考え出された京都名物の鯖寿司。ある日ふと「そういえば、最近鯖寿司を食べてないなぁ…」と鯖寿司の存在を思い出した僕。実際、直前に鯖寿司を食べたのはJR京都伊勢丹にある「はしたて」へ訪問した時なので、もうかれこれ3年近く食べていないことになります。
「では、どこで鯖寿司を食べようか…」と考えた時、真っ先に僕の頭の中に思い浮かんだのがいづ重でした。そんなわけで、とある平日のお昼過ぎ、本家本元のいづうより先にいづ重を訪問。実際にお店に行ってみると、京都の老舗という敷居の高さが感じられず、想像以上にリラックスして過ごせました…
リニューアルしたばかりの店舗でくつろぎながら京寿司を…祇園の老舗寿司店・いづ重はこんなお店
京寿司の老舗・いづ重は、東大路通を挟んで八坂神社の向かい側、北側角にお店を構えています。祇園石段下と呼ばれるこのエリアは平日・休日問わず大勢の人で混雑するのですが、店舗は通りから少し中に入ったところにあるので静かに落ち着いて過ごせます。
その店舗ですが、令和5年の2月にリニューアルオープンしたばかりで、すごく清潔感がありますね。お店の奥に客席があって、食べログ情報でいづ重の総席数は22席。入り口よりさらに奥まった所にあるので、通りを行き交う車の騒音などは全く聞こえません。純和風の内装で、テーブル席の他に小上がりの座敷席があって、昔ながらの和食店の雰囲気満点!祇園観光の合間に、休憩をかねて坪庭を眺めながらランチするには絶好の環境だと思います。
僕がお店を訪れた時にはほぼ全ての席が埋まっていたのですが、そのお客さんの半分くらいは外国人でした。お店から積極的に英語対応のアピールをしているわけではないのですが、店員さんが気さくにいろいろ要望に応えてくれているのが印象的でしたね。京都の老舗店の中には気難しい接客をするお店も少なからずあるのですが、いづ重に関して言えばその心配はありません。一見さんでも気後れすることなく普通に利用できますよ。
鯖姿寿司:明治時代から100年以上続いてきたいづ重の看板メニュー、そのお味はいかに?
それでは、いづ重の看板メニューである鯖姿寿司(1人前 お値段 税込3102円)をご紹介しましょう。画像はこちら…
昆布に巻かれた鯖寿司が全部で6切れ。断面を見ると鯖が全体の半分近くあって、かなり肉厚のサバを使っているのがわかります(日本海対馬沖で獲れた真鯖を使用しているようです)。1切れの大きさもそれなりに大きくて、割とボリューム感がありますね。成人男性でも、軽めにランチを済ませたい時にはこれくらいで十分なのではないでしょうか。
さて、表面に巻いてある昆布を除いて(注:昆布も食べられます)実食…と箸でつまんだところ、持ち上げてすぐ重力で酢飯が崩れてしまいました。見た目からは押し寿司みたいにギュッと詰まっているのかと思えるのですが、いづ重の鯖寿司は結構柔らかめに巻かれています。酢飯の酸味は控えめで、柔らかめのおにぎりのように軽く歯を当てるとスッとご飯が切れるような感じ。ご飯粒のベタつきもなく、あっさりと食べられます。
この酢飯に乗っかった鯖は昆布締めで水分が抜けた分身が引き締まっていて、歯を当てた時に心地よい弾力を感じます。さらに歯を通していくとほのかな昆布の香りが感じられ、サバの身の旨味と共に脂がじんわりと滲み出てくるのですが、想像してたほど脂は多くなかったです。意外とさっぱりでした。
その一方で、この鯖の身に振られた塩がいい感じで効いていて、この塩の刺激で次々と鯖寿司を欲しくなっちゃうんですよね。ドンピシャでハマった塩味の吸引力、ハンパないです。この6切れの鯖寿司、あっという間にペロリでした。
こんな感じのいづ重の看板メニュー・鯖姿寿司、個人的には「もう少し鯖の脂を感じたいなぁ…」と感じたものの、肉厚のサバの歯応えは存分に楽しめましたし、「鯖寿司食いたい」欲求はしっかり満たされました。3年前に食べたはしたての鯖寿司と比較しても、鯖の身の厚さは文句なくいづ重の方が上ですね。逆にはしたての鯖寿司には炙り鯖寿司も含まれていて、鯖の個性を感じたいならはしたての方が上かなぁ。今は値段が替わっているかもですが、お値段的にもリーズナブルなので、いづ重の鯖寿司が「高すぎる」と感じる場合ははしたての鯖寿司の方がおすすめです。
とは言え、いづ重は鯖寿司の他にちらし寿司やいなり寿司も有名で、それらであれば鯖姿寿司よりずっとリーズナブルに食べられます。八坂神社近くでのランチをお探しの時には、ゆったり気分で時間を過ごせるいづ重も候補に入れてみてはいかがでしょうか?
いづ重のその他のメニュー例(値段は税込)
- ぐじ姿寿司 5676円
- 上箱寿司 2376円
- 京ちらし 1716円
- あじ寿司 1650円
- あゆ姿寿司 1210円
- いなり寿司 990円
- 粟麩巻 660円
お土産としてテイクアウトもおすすめ…いづ重へのアクセスは、最寄り駅の京阪電鉄・祇園四条駅から徒歩8分
さて、そんないづ重の京寿司を気に入ったら、京都観光のお土産としてテイクアウトはいかがですか?一応、京都高島屋や新幹線内でも購入できますし、通販でお取り寄せもできるのですが、メニューがかなり限定されるので、実際にお店で好きな商品を選んでお持ち帰りするのがおすすめです。予約なしでも大丈夫ですが、事前予約をしておくと待ち時間がなく取引がスムーズとのこと。ただ、いずれにしろ賞味期限は冷所保存で2〜3日と日持ちしないので、購入後の商品の取り扱いにはご注意を…
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
JR京都駅からだと京都市営バス206番系統 北大路バスターミナル行きで祇園バス停下車、徒歩1分です。
P.S. 京都で美味しい和食をお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
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